無線アクセス無線アクセス(むせんアクセス)は信号を伝えるケーブルの代わりに無線(電波)を使うデータ通信サービスの総称。無線アクセスシステム。GHz帯を使うものが多い。 日本国内においては、無線LANとは異なり、無線局免許に基づく基地局からの、比較的高出力の空中線電力により、主に屋外等の比較的広い範囲をカバーするものである。制度的には無線LANの屋外等への利用開放(4.9 - 5.0GHz帯)に関係する物もある。 パソコンやPDA等のインターネット接続に利用されるものが多く、一部は、ブロードバンドインターネット接続が可能なものも出始めている(BWA:Broadband Wireless Access)。 Fixed Wireless AccessFWAは、固定無線アクセス(こていむせんアクセス)または加入者系無線アクセスシステム(かにゅうしゃけいむせん - )とも言う。基地局・端末等はそれぞれ1箇所に固定して利用される。移動には工事・調整等を要する場合がある。以前はWLL (Wireless Local Loop) と呼ばれることの方が多かったが、国際電気通信連合無線通信部門 (ITU-R) による勧告化後はFWAの名称が一般に使われるようになった。 ブロードバンドの新規契約は2021年現在、第4世代移動通信システムとFTTH、BWAが主流であり、FWAの加入者数は2003年(平成15年)6月末の32,399契約をピークとして、2023年9月末には1,383契約まで減少している。 光ケーブルやケーブルテレビ等の有線系ブロードバンドインターネット接続の固定回線の足回り(ラストワンマイル)として利用することもある(FTTxなど)。 比較的安価に利用できるブロードバンド回線として普及しているADSLは通信速度が非対称であるため、端末からネットワーク方向(上り)への通信速度が遅くなるが、FWAは双方向とも同等の通信速度が確保できる。また、道路や河川を渡さなければならないとか、自然保護等の関係から有線系の回線が確保できないような場合でも、比較的容易に通信回線を確保することができるほか、事故や災害により通信線が切断されるなどの問題が少ないという特徴がある。 ネットワーク構成としては、ポイントツーポイントで帯域を占有するものと、ポイントツーマルチポイントで帯域を共用するものとがある。 日本での営業サービス2023年9月末現在の日本での固定無線アクセス (FWA) の契約件数が多い都道府県は富山県(477件)、北海道(275件)、高知県(228件)、愛媛県(141件)、沖縄県(136件)、香川県(63件)の順となっている[1]。 ブロードバンド普及前は下記以外にも多数の固定無線アクセスプロバイダーが存在していた[2]。
なお地域WiMAX(後の地域BWA)は固定系WiMAXではなくモバイルWiMAXが中心となっていた(屋外設置型のモバイルWiMAX端末は存在した[55])。
PHS FWAPHS FWAは、指向性アンテナを基地局・端末双方に用いPHS無線インターフェースで固定回線を設定するものである。見通し距離で5kmまで設定可能である。1.9GHz帯無線アクセスとも呼ばれる。 一部の中進国・発展途上国の電話回線が導入されていない地域の固定電話の代替、日本の需要の少ないもしくは強風・積雪による電線の障害の多い地域のアナログ固定電話・N-ISDNの取替え用などとして用いられている。かつてYOZANが提供していたボイススポットフォンもこれに近い。 Nomadic Wireless AccessNWAは、端末等は1箇所に固定されず移動できるが、自動ハンドオーバーが行われないため、通信するためには静止状態になる必要がある。IEEE 802.16-2004(固定向けWiMAX)などが代表例。また、無線LANスポット(公衆サービス)もある意味NWAの範疇に入る。 FWAや光ケーブルで基地局間を接続するものと、NWAと同じ通信規格でメッシュ状に中継を行うものとがある。
Mobile Wireless AccessMWAは、端末等は移動しながら通信でき、基地局間でハンドオーバー処理が行われる。 無線WAN無線WAN(WWAN:Wireless Wide Area Network)は、音声移動体通信(携帯電話・PHS)から発展したものである。サービスの面的展開を重視し、通信速度の低下を許容する場合の基地局あたりのサービスエリアが大きいものが多い。
無線MAN無線MAN(WMAN:Wireless Metropolitan Area Network)は、データ通信(IP)に特化した移動体向け高速無線パケット通信である。最高通信速度・周波数帯域利用効率重視で、基地局あたりのサービスエリアが小さいものが多い。 IEEE 802.16/IEEE 802.20シリーズが代表的なものである。一部にはIEEE 802.11シリーズの技術改良したものも開発・実験などされている。
各通信規格の比較
通信距離(30 - 100km)
通信距離(3 - 30km)
通信距離(0.1 - 3km)
通信距離( - 0.1km)
周波数帯域の分類(日本)
注釈出典
関連項目
外部リンク |