『流星ワゴン』(りゅうせいワゴン)は、重松清による長編小説。2001年1月号から12月号まで講談社の月刊小説誌『小説現代』に連載され、2002年2月8日に講談社から単行本が刊行された。直木賞受賞 (『ビタミンF』で2000年下半期)後初の長篇である。2002年度の本の雑誌年間ベスト1に輝いた。2005年2月15日には講談社文庫版が刊行された。
2015年1月期にTBSテレビで実写テレビドラマ化された。
あらすじ
永田一雄は死んでもいいか、と思っていた。
仕事はリストラされ、妻からは離婚を求められ、子供は受験失敗で引きこもり。故郷で入院している父の見舞いに行った際に受け取るお車代の余りで何とか暮らしている有様であった。父も癌でいつ死ぬかもわからない。父の見舞い帰りに駅前で酒を飲んで酔っ払っていると、ロータリーに1台の車が停まっていることに気づく。車には、交通事故で死亡したと5年前に新聞で読んだ憶えがある橋本親子が乗っていた。橋本に言われるがままに車に乗り込む一雄。車は一雄を人生の分岐点へと連れ戻す。
降り立ったのは、仕事の途中で妻を見かけた日であった。他人の空似かと仕事に戻ろうとしたところに、一人の男が目の前に現れた。一雄はその男をよく知っていた。今の自分と同い年の、38歳の時の父であった。
登場人物
- 永田一雄
- 38歳。勤めていた会社をリストラされた。人生をやり直していくうちに、多くの事を知るようになる。
- 永田忠雄
- 一雄の父。瀬戸内海近辺の病院に末期がんで入院している。金融業を営んでいたが、今は長女の夫の伸之に任せている。ひょんなことから、38歳の姿で一雄の前に現れる。愛称は「チュウさん」。記憶も38歳までしかない。
- 永田美代子
- 一雄の妻。一雄に離婚を申し出る。
- 永田広樹
- 一雄の一人息子。中学受験に失敗し、そのせいでイジメにあって引きこもる。
- 智子
- 一雄の妹。故郷に残って忠雄の面倒を見ている。
- 伸之
- 智子の夫。忠雄に代わって会社を切り盛りしている。
- 橋本義明
- 5年前に自身が運転する車で交通事故を起こして死亡した。健太の義父。生きていれば一雄と同い年。
- 橋本健太
- 5年前に義明が運転する車に同乗し死亡した。母親に逢いたがっている。
舞台
劇団銅鑼版
2005年に劇団銅鑼にて舞台化・初演され、2006年・2007年・2008年・2010年と続けて上演されている。脚色は青木豪、演出は磯村純(青年座)。
- キャスト
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- 永田一雄 - 立野元彦/井上太
- 永田美代子 - 馬渕真希
- 永田忠雄 - 久保田勝彦
- 橋本義明 - 三田直門
- 男 - 中山陽介
- 女 - 染谷麻衣(劇団昴)
演劇集団キャラメルボックス版
2011年に演劇集団キャラメルボックスにて舞台化された。原作と大きく違う点として、主点が本の読者である小島孝美(舞台オリジナル)の視点で描かれている。脚本は成井豊、演出は成井豊+真柴あずき。OPテーマとしてSEKAI NO OWARIの『スターライトパレード』が使用されている。
また、本作をキャラメルボックスで舞台化したいと最初に提案したのは当時劇団員だったOBの上川隆也。2005年時に問い合わせたが別の劇団が計画しているということで一度断念した後、重松清と小野真弓がナビゲーターをしているMBSラジオの『マイ・ストーリー』でキャラメルボックス劇団員が朗読を担当することとなり、それをきっかけに上演が実現した。
- キャスト
-
テレビドラマ
2015年1月18日から3月22日まで毎週日曜 21:00 - 21:54に、TBS系「日曜劇場」枠で放送された。主演は西島秀俊と香川照之[1]。
西島は結婚後連続ドラマは初出演にして初主演となった。
同枠では2013年1月期に放送された『とんび』以来の重松作品のドラマ化でもあった。
キャスト
詳細な人物設定は原作の登場人物を参照。本項ではドラマ独自の人物設定を記載。
2013年 - 2015年
主要人物
主要人物の関係者
5年前 ワゴン事故
30年前 福山市鞆の浦
スタッフ
放送日程
各話 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
演出 |
視聴率[8]
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第1話 |
1月18日 |
110万部のベストセラー小説初の映像化 親と子の感動サクセスストーリー誕生!! 父が自分の年齢の時この苦境をどう乗り越えただろうか!?涙のドタバタ展開!! |
八津弘幸 |
福澤克雄 |
11.1%
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第2話 |
1月25日 |
笑って泣ける親子の新コンビ! 土下座愛 |
八津弘幸 松田沙也 |
11.7%
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第3話 |
2月01日 |
10分拡大スペシャル 成功への道〜鉄棒感動物語! 奇跡を起こせ |
11.1%
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第4話 |
2月08日 |
夫の愛で妻を救え! 妻の秘密? 笑いと涙の家族愛!! |
棚澤孝義 |
9.6%
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第5話 |
2月15日 |
ママを探しに大奮闘 健太の願いを叶えろ |
田中健太 |
8.3%
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第6話 |
2月22日 |
チュウさんVS忠さん 頑固オヤジを倒せ!! |
福澤克雄 |
9.0%
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第7話 |
3月01日 |
健太の別れは好かん 吹雪の肩車で奇跡を |
棚澤孝義 |
9.0%
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第8話 |
3月08日 |
最終章! チュウさん流で大暴れ!! 父の愛 |
田中健太 |
11.0%
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第9話 |
3月15日 |
最終回前!〜妻の本音。君を愛してる!! |
福澤克雄 |
10.1%
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最終話 |
3月22日 |
チュウさんへ感謝! ワゴンの謎、完結!! |
八津弘幸 |
11.2%
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平均視聴率 10.3%[8](視聴率は関東地区、ビデオリサーチ社調べ)
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原作との相違点
- 原作では一雄、忠雄の故郷は「瀬戸内海に面したふるさとの町」と記述されており街の名前は不詳だが、福澤が瀬戸内海全ての海岸をロケハンしたところ、広島県福山市鞆の浦を気に入り、二人の故郷として設定した[9]。
- 演じる西島に合わせて、一雄の年齢は43歳(原作では38歳)の設定となっている。また、ドラマでは一雄と忠雄の年齢差は30歳(原作では25歳)の設定に変更されたため、忠雄の年齢・享年も73歳(原作では63歳)に引き上げられた。
- ドラマ化に伴い、原作にあった性的描写はカットされている。その分、ドラマオリジナルのエピソードが多数追加された。
関連項目
コラボレーション
日本全国のローソン各店で2015年1月1日から期間限定でテレビドラマ化を記念して「流星ワゴン×LAWSON」のキャンペーンを実施。主演の西島と香川のコメント付き店内放送や、番組のオリジナルグッズなどを販売する。[10]
TBS系 日曜劇場 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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流星ワゴン (2015.1.18 - 2015.3.22)
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TBSテレビ開局60周年特別企画 天皇の料理番(2015.4.26 - 2015.7.12)
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東芝日曜劇場(連ドラに転換後) (1993年4月 - 2002年9月) |
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日曜劇場 (2002年10月 - ) |
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関連項目 | |
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カテゴリ |
脚注
外部リンク