『日曜バラエティー』(にちようバラエティー)は、NHKラジオ第1放送とNHKワールド・ラジオ日本で2008年4月6日から2019年3月17日まで11年間放送された公開番組である。通称「日バラ」。
概要
NHKラジオ第1の日曜午後の人気番組であった『サンデージョッキー』をリニューアルしたもので、NHKスタジオパーク公開スタジオ(NHK放送センターCT450スタジオ)から生放送[1][2]していた。
キャッチフレーズは「人気歌手の歌と漫才などのお笑い演芸、それに楽しいトークでどこからでも気軽に聞けるバラエティー番組」。
同時に、出演者も一新し、メイン司会[3]には1980年代から「お笑いタレント」として一世を風靡し、自身も乳癌を克服し芸能界に復帰したばかりの山田邦子を据えたほか、当時若手の落語家や講談師により3人組の「コロコロトリオ」が結成され、番組内の小コーナーを担うこととなった[4]。サブ司会は「サンデージョッキー」と同じく、NHKの男性アナウンサーが担当した。
構成は「サンデージョッキー」を担当した小山田満月に代わり、同じ日曜夕方の人気テレビ番組「笑点」の構成作家のひとりである会沢展年が担当した。
放送時間は原則として日曜日の13時05分頃から15時30分まで[5]。NHKワールド・ラジオ日本は、13時15分からの途中飛び乗りで放送。14時台・15時台は衛星ラジオのみ放送。日曜午後の時間帯となるため、前番組の「サンデージョッキー」と同様、スポーツ放送[6][7] の中継のため休止または時間短縮となる場合があった。また、前番組の「NHKのど自慢」が休止する場合、12時15分から開始時刻を繰り上げる形で放送枠を拡大する[8]ほか、「のど自慢スペシャル」の放送により13時30分開始になる場合は放送枠が縮小した。なお、この時間は在京の民放AMすべてと在阪の民放AMのほとんどで競馬中継を行っていた[9]。
公開放送の場合、歌や音楽演奏のゲストが4人(組)、演芸(漫才、漫談等)のゲストが1人(組)、それぞれ出演した。歌のゲストは、演歌歌手であることが多いが、時折、「懐かしのアイドル」的な歌手やグループサウンズの出演もあった。スタジオはサテライトスタジオのような窓越し形式ではなく、当日の来場者の中から抽選により直接スタジオに入れる形式となっていたため、歌手や音楽家の演奏は生演奏で行われた。演芸のゲストは長年活躍する実力派の出演が多く、堺すすむ、エド山口、あさひのぼる、コント山口君と竹田君、ケーシー高峰、ねづっち、ロケット団は常連で出演していたほか、駆け出しの若手芸人が出演することもあった。
スタジオパーク内のCT450スタジオから公開放送する回は、季節や風物詩をうたった川柳風のサブタイトルが設けられ、「サンデージョッキー」と同様に、午前中のリハーサルや放送中の様子をスタジオ外から見学することができた。
概ね1時間を超える時間短縮や予定していたスポーツ中継が中止になった場合など、非公開放送で編成する場合はセレクション番組となり、一人あるいは複数の国内外の音楽家にスポットを当て、音楽家にまつわるエピソードを紹介しながら歌や演奏で綴っていた。
2009年度から2011年度には、1月2日または3日の箱根駅伝の中継終了後、この番組のフォーマットを活かし「新春おめでたバラエティー」が放送された。
2018年度は、11月25日に「勤労感謝スペシャル」、2月3日に「節分スペシャル」、3月3日に「ひな祭りスペシャル」と銘打ち、スペシャルゲストの登場や演芸ゲストが2組出演するなど、「豪華版」として放送した。また、3月10日の放送ではCR131スタジオからの非公開放送となり、これまで放送した「邦子のなんなんでショー」「わが心の名曲集」から傑作を山田邦子と山下信が振り返った。
2019年春の番組改編に伴い、同年3月17日の放送をもって終了[10]。最終回は「卒業の歌声響く11年」と題し、歌のゲストとして三沢あけみ、三田明、湯原昌幸、山内恵介、朝花美穂、演芸のゲストとして堺すすむが出演したほか、「コロコロトリオ」のOB数名が駆けつけるなどのサプライズがあった。フィナーレは三沢あけみの「東京音頭」で締めくくられ、「サンデージョッキー」放送開始の1984年から35年続いた日曜午後のラジオ第一放送の公開生放送は、その歴史にピリオドを打った。
出演者
最終回時点の出演者
- 総合司会
- レギュラー
過去の出演者
- 総合司会
- レギュラー
スタッフ
- 構成:会沢展年
- 制作統括:白井潤・能登隆夫(NHK)、高橋良次(NHKサービスセンター)
- プロデューサー:岩崎博[18]
- 演出:羽根章夫(ヘインズプロダクション)[19]
- 製作:NHK、NHKサービスセンター
タイムテーブル
番組開始から2011年度上半期までの3時間放送の時は、音楽のゲストが5人(組)とお笑い3-4組という体制で、13時台は主に漫才・落語・漫談、14時台はコント・コメディー、15時台はゲストの歌手・音楽家による歌や演奏という進行であったが、2011年度下半期の2時間放送および2012年度から最終回までの2時間30分放送になってからは音楽のゲストが4名(組)、お笑いのゲストが1組となったため、ゲスト歌手・音楽家の歌や演奏の合間に「コロコロトリオ」やお笑いのゲストによる演芸を織り込むというスタイルになった。
次に示すのは最終回時点の通常放送であった13時05分頃 - 15時30分までの進行パターン。生放送であるため、毎時00分からのNHKニュースの尺によってはスタート時間が若干前後することもある。13時30分から放送する場合および14時55分で終了する場合は、◆印のコーナーは割愛される。
- 13:05頃 オープニング
- 司会者2人のダジャレを含めた掛け合いののち、会場の観客と一緒にタイトルコールをし番組がスタート。出演者の紹介、山下から今日の気候等について紹介したあと、山田邦子の今日の衣装の話題に振れ、最初の歌手を紹介した。
- 13:08頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 13:13頃 ゲスト勢ぞろい
- 司会者が今週のテーマを決め、それをもとに出演者との掛け合いが行われた。
- 13:18頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 13:23頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 13:28頃 音楽
- 13:30頃 コロコロトリオの日々是長屋[20]◆
- 「どんぐりころころ」の音楽でコロコロトリオの3人が登場。物語形式で物事や季節の風物詩の由来等を紹介。その後紹介したものにちなんだなぞかけを披露した。
- 13:35頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 13:40頃 お笑いゲストの演芸
- 13:47頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 13:52頃 コロコロトリオのなぞなぞ3本勝負
- リスナーからの「なぞなぞ」の投稿に女性司会者と会場の観客が答える。構成にもよるが、3問目の解答は14時台の初めに発表する。コロコロトリオ対女性司会者・観客の勝負となり、なぞなぞ終了後に「コロコロトリオの〇勝△敗」と出るが、どちらが勝っても賞品等は特にない。投稿された「なぞなぞ」が採用されると、司会者およびコロコロトリオのサイン入り色紙がプレゼントされた。
- 13:55 - 14:05頃 ニュース、気象情報等
- 14:07頃 サンデー世相スケッチ
- 世の中の動きを出演者が寸劇風に掛け合う。テーマに沿って出演者の寸劇やコントが行われた後、「コロコロ小劇場[21]」と題して、コロコロトリオの3人が時世を話題とした掛け合いを行った。ステージのマイク1本に出演者が集中するため、出演者の掛け合いや仕草が観客の笑いを誘っていた。短縮版の場合は「コロコロ小劇場」のコーナーは割愛された[22]。
- 14:17頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 14:22頃 邦子のなんなんでショー
- 山田邦子のワンマンライブ。歌から物まねまで、観客と一体となったショーが繰り広げられた。山田邦子の代わりに神田京子が司会をする際は「京子のなんなんでショー」となり、主に神田の講談が披露され、観客が合いの手を入れた。
- 14:27頃 音楽
- 14:30頃 NHKネットラジオ らじる★らじるの紹介
- 14:31頃 わが心の名曲集◆
- ゲスト歌手が往年の歌手や作曲家等をテーマにして、歌を2~3曲披露した。最後の曲[23]の前に「名曲ひとくちメモ」という作曲家また歌手のエピソードを山下が紹介するコーナーがあった。
- 14:48頃 日バラ知っトククイズ[24]◆
- 神田真紅の司会で、お笑いゲストが日常の知識など知っトク情報を出題し、コロコロトリオの三遊亭わん丈、桂竹千代とお笑いゲストの解答から本当の答えを引き出す3択クイズ。解答は15時台の初めに発表し、解答のあと、女性司会者が問題を3点満点で評価して、点数の分「なるほどの鼓」を鳴らした[25]。
- 14:55 - 15:05頃 ニュース、気象情報等
- 15:07頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 15:12頃 邦子とあそぼう[26]◆
- 山田邦子が音頭をとり、出演者全員でしりとりやゲームなどを行う。その後優勝者を選ぶが、賞品等は特にない。
- 15:17頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 15:22頃 ゲスト歌手・演奏家の歌や演奏
- 15:27頃 エンディング
- 再び出演者が勢ぞろいし、これからの予定を聞いた後、遠くからスタジオに来た観客を紹介するとともにインタビューし[27]、次回の出演者を紹介してエンディングとなった。
前述の通り、12時15分からスタートの場合は、拡大版となり13時台前半の内容が変更された。また、「のど自慢スペシャル」の放送等により13時30分から開始する場合および15時台がスポーツ中継等により14時55分に終了となる場合は、縮小版となり一部のコーナーが割愛された。14時台以降からスタートする場合や13時台および14時台前半で終了する場合は、原則として非公開放送となるため、過去に放送した内容の中からのアンコール放送か、歌手・演奏家のレコードからの演奏を放送した[28]。
脚注
- ^ 公式サイト・番組紹介
- ^ 都合によりCR509スタジオや地方からの公開放送、CR131スタジオからの非公開放送となる場合もあった。
- ^ 前番組の「サンデージョッキー」では、男性はアナウンサーが固定で担当し、そのパートナーとして出演する女性演歌歌手が週替わりで担当していた。
- ^ コロコロトリオのメンバーは原則として3年で入れ替わる。
- ^ 放送開始当初は大相撲千秋楽の日だけは15時30分までで、通常は15時55分まで。2011年10月16日-2012年3月4日放送分は15時台に「スタパ落語会」を放送するため、14時55分までの放送に短縮された。2012年4月8日放送分から最終回までは145分の放送時間となった。
- ^ 高校野球、東京六大学野球、マラソン・駅伝、全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝、ラグビー日本選手権決勝なども該当する。別府大分毎日マラソンが開催される2月第1週の日曜も放送休止(テレビはRKB毎日放送・大分放送の共同主管製作でTBS系列全国ネットであるため、NHKのど自慢はテレビのみ通常放送、ラジオのみ休止という変則体裁だった)としていたが、2015年からラジオの中継自体が廃止されたため、通常放送が行われている。なお、2014年8月10日の放送は台風11号により8月9日の段階で高校野球の開催中止が決まったため、過去のセレクションを放送する予定だったが、台風情報のため放送中止(放送が行われたとしても、9時から放送できなかった「日曜討論」が14時台(その後台風情報の延長のため15:30に再繰り下げ)に繰り下げられたため、この時間は中断扱いとなる予定だった)となった。
- ^ NHKワールド・ラジオ日本ではスポーツ放送による休止時間帯(主に権利上の理由で放送できないとき)をFM・デジタルラジオ実用化試験放送の音楽番組に差し替えて放送する。稀にローカルでスポーツ中継を放送するときもあるが、この場合はスポーツ放送を行っていない他地域のラジオ第1放送やNHKワールド・ラジオ日本を受信するか、2者あるIPサイマルラジオサービス(「NHKネットラジオ らじる★らじる」、及び、民放ラジオポータルサイト「radiko(実験配信)」)のうちのいずれかを利用することで聴取することができた。但しアーカイブサービスは「らじる★らじる」のみ利用可能で、「radiko」は利用出来ない。
- ^ 毎年1月の第3日曜日に開催される『天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会』がある時、テレビではNHKで放送されるが、ラジオでは民放の中国放送(RCC)で放送されるため年度により放送枠を拡大した(NHKワールド・ラジオ日本もそのまま放送される。なお2014年1月5日にテレビ放送で「NHKのど自慢 熱唱熱演名場面」の放送があった際にも同様の体制で本番組を12時15分から放送していた。)が、2017年1月22日は総合テレビの大河ドラマ「おんな城主 直虎」に関する3時間特番が放送されたため、本番組は休止となった。また、2018年度は12時台に「萩原健太のポップス・クロニクル」を編成して本番組を通常通りとした。
- ^ 内包を含む。
- ^ “山田邦子NHKラジオ「日曜バラエティー」11年で幕、3月で終了”. サンケイスポーツ. (2019年1月24日)
- ^ 週によってはスケジュールの関係で出演しないことがある。2019年2月3日放送分はインフルエンザのため出演を見合わせた。
- ^ 生放送前の前説も担当
- ^ 2019年3月3日の放送ではサプライズゲストで登場。
- ^ 2019年3月17日の放送ではサプライズゲストで登場。
- ^ 本来は2011年3月13日まで出演の予定だったが、当日は急遽特別編成となったため放送休止となり、番組卒業時の挨拶がなかった唯一のレギュラーである。現在も演芸のゲストで出演することがある。
- ^ 山田が休みの場合で且つ神田京子のスケジュールの都合で、総合司会の代理を務めることがあった。
- ^ 2019年3月3日および同年3月17日の放送ではサプライズゲストで登場。
- ^ 非公開番組時のMCを担当することもある。
- ^ NHKラジオでは、当番組のほかに「ムーンライトシャワー」の番組制作に携わっている。
- ^ 2017年度までは「コロコロトリオの歳時記長屋」というタイトルであった。
- ^ 2017年度までは「コロコロトリオのニュースハイライト」と題し、前半の3分で行われた。
- ^ 最終期は出演者のコントを拡大し、コロコロトリオもコントに加わったため、「コロコロ小劇場」のコーナーは行われなかった。
- ^ 最初や2番目の曲で出てくることもあった。
- ^ 2017年度までは「日バラおもしろクイズ」というタイトルであった。
- ^ 点数は殆ど3点であったが、ごく稀に2点や5点という回があった。
- ^ 2017年度までは「日バラ〇〇大賞」というコーナーであった。
- ^ 残り時間の尺がない時にはインタビューは割愛された。
- ^ 13時05分から13時30分までや、15時05分から15時30分までの放送の場合は山下信や岩崎博がMCを務めるなど「日曜バラエティー」のスタッフが担当するが、番組名は「話題と音楽」となり、メインテーマも土曜朝の放送となる「NHKガイド」のエンディングで流れるものが使われた。
外部リンク
NHKラジオ第1 日曜 13:05 - 14:55枠 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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日曜バラエティー
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NHKラジオ第1 日曜 15:05 - 15:30枠 |
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日曜バラエティー
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