折原一
1951年[1]11月16日[2] -)は、日本の小説家・推理作家。埼玉県久喜市生まれ[1]、白岡市在住[3]。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ会員。2000年から2003年まで、本格ミステリ作家クラブの創設にあたって監事をつとめる。 (おりはら いち、経歴・作風1970年に埼玉県立春日部高等学校[4]、1974年に早稲田大学第一文学部を卒業後、JTBに入社[1]。3年後に出版事業局に異動し[4]、1980年に月刊旅行誌『旅』の編集部に配属される[1]。 1985年、「おせっかいな密室」がオール讀物推理小説新人賞の最終候補作となる。1987年にJTBを退社し[1]、1988年に、同作を含む短編集『五つの棺』が東京創元社より刊行される。次いで同社より「鮎川哲也と十三の謎」の1冊目として『倒錯の死角(とうさくのアングル) 201号室の女』が刊行される。同年に執筆した長編推理小説『倒錯のロンド』が江戸川乱歩賞最終候補作まで残るものの落選。1995年早川書房より刊行した小説『沈黙の教室』で第48回日本推理作家協会賞を受賞。 執筆する作品のほとんどに叙述トリックが使われることから「叙述トリックの名手」と呼ばれる[3]。しかし90年代の前半に叙述トリック作品を連発したために、「叙述トリック作家」という呪縛にとらわれ「展開が窮屈で無理な作品がつづいた」と回顧している。このときに生まれた作品が『異人たちの館』であり、新潮文庫(1996年)、講談社文庫(2002年)、文春文庫(2016年)と「三次文庫」として出すほど本人も思い入れのある作品であり、「自分の持っているすべてをぶちこん」だ「転機となる記念碑的な作品」と述懐している。だが、ノンシリーズの作品であったことも影響してか、売れ行きはあまり芳しくなく、新潮文庫と講談社文庫ともにすぐに絶版となってしまった。[5] 伯父(母の異母兄)は作家の中島敦[6]。妻は小説家の新津きよみ。共に執筆した小説『二重生活』が講談社より刊行されている。また、同じく推理作家の北村薫は、春日部高校、早稲田大学の先輩にあたり、大学在学時にはともにワセダミステリクラブに所属していた。折原の著書の一つ『ファンレター』には全編を通して"西村香"という覆面作家が登場している。 作中で活躍する探偵は、密室マニアであるが故に簡単な事件も「密室」と捉えてしまい、かえって事態をややこしくする迷警部の黒星光などがいる。 ホラー作品、「チェーンレター」発表当初は「青沼 静也」のペンネームを使用した。 日本テレビ『マジカル頭脳パワー!!』の「マジカルミステリー劇場」の原案ブレーンに関わっていた事もある。またフジテレビアナウンサーの笠井信輔は自身のプロフィールで折原ファンを公言している[7]。 2018年、1994年に発表した『異人たちの館』で本屋大賞発掘部門「超発掘本!」を受賞した。 文学賞受賞・候補歴
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著作シリーズ作品黒星警部シリーズ
「倒錯」三部作
幸福荘シリーズ
〜者シリーズ
教室シリーズ
樹海シリーズ
ノンシリーズ
単行本未収録作品
アンソロジー「」内が折原一の作品 ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑→詳細は「ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑」を参照
その他
映像化作品テレビドラマ
脚注
関連項目外部リンク
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