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小学生将棋名人戦

公文杯小学生将棋名人戦(しょうがくせいしょうぎめいじんせん)は、日本将棋連盟・天童市(第50回より)主催、NHK後援、公文教育研究会(第23回から第32回、第47回より[1])の協賛で行われている、小学生のみ参加可能の将棋大会である。「小学生名人戦」とも呼ばれる。

概要

第33回から小学館が協賛となり「小学館杯小学生将棋名人戦」という名称になり、第35回から第40回は集英社が協賛に加わったことで「小学館・集英社杯小学生将棋名人戦」となっていた。第41回から46回はさなるが協賛。

準決勝以降の3局は、「決定! こども将棋名人」という番組名で、NHK Eテレ(NHK教育テレビ)で毎年テレビ放送される(録画)。

この大会の入賞者(ベスト4以上)・参加者からは、棋士となって永世称号資格を獲得した羽生善治[2]森内俊之佐藤康光渡辺明女流棋士となってクイーン称号を獲得した中井広恵福間香奈(旧姓里見)をはじめとして、多数の棋士女流棋士が輩出されている。

大会概要

  • 各都道府県予選大会(前年10–12月頃) - 都道府県で代表1名(道府県各1名、東京区内1名、東京多摩地区1名の合計48人)を決める。
  • 全国大会(3月) - 天童市で開催。東西別で行われ、中部地方のうち福井県の代表だけは、西日本大会に出場する。まず、都道府県代表24名(加えて招待選手も若干名いる場合あり)が原則4名ずつに分かれてリーグ戦を行い、半数程度をリーグ通過者とする。そして、リーグ通過者(原則12名)が2つの山に分かれてトーナメント戦を行い、準決勝進出者2名(東西合わせて4名)を決める。優勝者には文部科学大臣杯などが授与。準決勝以降はNHKが収録し、後日、NHK Eテレで放送される。以前はベスト4を渋谷の放送センタースタジオやチサンホテル浜松町で開催されていた。

歴代ベスト4

  • 氏名欄、備考欄の中の数字は、学年を表す(都道府県予選の時点での学年より1つ上の学年で表すのが慣例になっているので、それに従った)。
  • 赤塗りは、のちに棋士または女流棋士になった者。
  • 青塗りは、2度目のベスト4入り。
  • は、女子出場者。
優勝 準優勝 3位 3位 備考 / のちに棋士または女流棋士になった出場者
1 1976 坂東明朗
大阪・6
日浦市郎
北海道・5
吉田圭吾
千葉・4
福井浩孝
東京・6
2 1977 達正光
大阪・6
庄司俊之
宮城・3
駒田常明
青森・6
古口基
東京・6
3 1978 吉田圭吾
千葉・6
中山禎一
東京・6
君島英史
千葉・5
伊藤直寛
神奈川・5
4 1979 庄司俊之
宮城・5
木村哲典
兵庫・5
鈴木修
岩手・6
中座真
北海道・4
5 1980 小寺淳人
千葉・6
畠山成幸
大阪・5
高田一正
千葉・6
杉本昌隆
愛知・6
敗退: 中座5、先崎4
6 1981 高谷新也
大阪・6
中井広恵
北海道・6
佐藤康光
京都・6
畠山成幸
大阪・6
敗退: 中座6、羽生5、松本4、村山聖6、畠山鎮6、近藤正4
7 1982 羽生善治
東京・6
山下雄
北海道・6
斎田純一
神奈川・5
森内俊之
神奈川・6
敗退: 丸山6、屋敷5、窪田4、木村一3
8 1983 斎田純一
神奈川・6
山内得立
神奈川・6
屋敷伸之
北海道・6
高橋一嘉
秋田・6
敗退: 松本6、近藤正6、川上5、高野秀5
9 1984 窪田義行
茨城・6
金沢孝史
北海道・5
松本秀介
埼玉・4
池本秀文
福岡・6
敗退: 真田6、川上6、高野秀6、行方5、野月5
10 1985 野月浩貴
北海道・6
上田純一
新潟・6
竹内俊弘
北海道・4
行方尚史
青森・6
敗退: 木村一6、金沢6、今泉6、矢倉5、久保利4
11 1986 鈴木大介
東京・6
三浦邦治
埼玉・6
久保利明
兵庫・5
立石径
大阪・6
敗退: 矢倉6、中尾6、堀口一6、本田小2
12 1987 田村康介
東京・6
北浜健介
神奈川・6
青木雄一郎
千葉・5
金内辰明
北海道・5
敗退: 佐藤紳4、大平4、本田小3
13 1988 松尾哲也
大阪・6
西尾明
神奈川・3
林光
愛知・6
小堀晃広
神奈川・4
敗退: 佐藤紳5、中倉宏4、小林裕6
14 1989 小堀晃弘
神奈川・5
阪口悟
大阪・5
津山慎悟
兵庫・4
西野嘉一
東京・6
敗退: 大平6、佐藤紳6、西尾4、上野6、遠山4、碓井3、熊坂6、
佐藤和5、中倉宏5、本田小5、横山泰3
15 1990 中野智弘
神奈川・6
徳竹元気
長野・6
阪口悟
大阪・6
西尾明
神奈川・5
敗退: 本田小6、山崎4、中倉宏6、村田智3、木村さ6、佐藤和6、千葉幸6、
遠山5、藤倉5、島本4、横山泰4、佐藤慎2
16 1991 清水上徹
北海道・6
飯島栄治
東京・6
津山慎悟
兵庫・6
村田智弘
兵庫・4
敗退: 横山泰5、片上4、遠山6、山崎5、島本5、村中5、伊藤真4、
藤倉6、松尾6
17 1992 島村健一
東京・6
佐藤恵介
宮城・6
山崎隆之
広島・6
横山泰明
東京・6
敗退: 村中6、碓井6、横山泰5、宮田敦5、村田智5、佐藤慎4、伊藤真5、
片上5、橋本崇4、早水4
18 1993
村田智弘
兵庫・6
斎藤貴臣
宮城・6
片上大輔
広島・6
馬見塚明
神奈川・6
敗退: 渡辺明3、伊藤真6、伊藤明6、長岡2、阿久津5、佐藤慎5、村山慈3
19 1994 渡辺明
東京・4
長生治彦
大阪・6
吉川隆弥
大阪・6
山崎健太
埼玉・6
東敗退: 佐藤慎6、村山慈4、阿久津6、早水6、長岡3
20 1995 村山慈明
東京・5
大下慧香
長野・6
和田真治
東京・6
酒井真理
大阪・6
東敗退: 広瀬4、長岡4
西敗退: 宮本4、村田穂5
21 1996 中平寧
富山・5
天野貴元
東京・5
福間貴斗
大阪・5
山本正樹
東京・6
東敗退: 長岡5、吉田正5
西敗退: 糸谷2、田中悠6、船江3、豊島年長
22 1997 和田澄人
兵庫・5
山口大志
福岡・6
石井直樹
東京・6
田中明郎
神奈川・6
東敗退: 長岡6、戸辺5、吉田正6、上村5、広瀬5、藤田綾5、中村桃5
西敗退: 船江4、糸谷3、豊島1、髙﨑5、牧野3
23 1998 髙﨑一生
宮崎・6
船江恒平
兵庫・5
荒木宣貴
東京・6
戸辺誠
茨城・6
東敗退: 金井6、中村太4、広瀬6、村田顕6
西敗退: 糸谷4、佐藤天5、牧野4
24 1999 丹羽健二
大阪・6
伊藤大悟
静岡・6
吉田拓未
広島・4
西村尚通
青森・6
東敗退: 門倉6、中村太5、阿部健5
西敗退: 稲葉5、牧野5
25 2000 都成竜馬
宮崎・5
中村太地
東京・6
増本敬
長崎・6
伊藤康了
東京・6
西敗退: 稲葉6
26 2001 吉田拓未
広島・6
黒沢怜生
埼玉・4
澤田真吾
三重・4
横田淳史
兵庫・5
西敗退: 大石6
27 2002 北山開生
大阪・6
横田淳史
兵庫・6
黒沢怜生
埼玉・5
澤田真吾
三重・5
東敗退: 石井4、井出5
西敗退: 西田5
28 2003 杉本和陽
東京・6
工藤俊介
青森・6
西田拓也
京都・6
菅井竜也
岡山・5
東敗退: 石井5、高見4
西敗退: 斎藤慎4、佐々大2、里見香6
29 2004 佐々木勇気
埼玉・4
菅井竜也
岡山・6
伊藤沙恵
東京・5
寺尾侑也
福井・6
東敗退: 三枚堂5、永瀬6、長谷部4、石川優4
西敗退: 斎藤慎5、佐々大3
30 2005 入山稜平
愛知・6
青木翔
埼玉・6
児玉星湖
滋賀・6
桝田悠介
兵庫・6
東敗退: 近藤誠3、高見6、谷合6、石川優5
31 2006 石川優太
三重・6
島田健太
広島・6
長谷部浩平
栃木・6
千田翔太
大阪・6
東敗退: 増田康3、渡辺和6
西敗退: 黒田4、佐々大5
32 2007 佐伯駿介
新潟・4
近藤誠也
千葉・5
古森悠太
大阪・6
佐々木大地
長崎・6
東敗退: 本田奎4、増田康4、山本博5
西敗退: 冨田6、黒田5
33 2008 山岸亮平
青森・5
黒田尭之
愛媛・6
下西哲伸
奈良・5
増田康宏
東京・5
西敗退: 里見咲6、井田6
34 2009 徳田拳士
山口・6
山川泰熙
東京・5
川村悠人
神奈川・5
山口孝貴
宮崎・6
東敗退: 本田奎6
西敗退: 武富4
35 2010
山川泰熙
東京・6
本川卓佐
京都・6
中七海
兵庫・6
堀田久里生
大阪・5
西敗退: 武富5
36 2011 宮嶋健太
岐阜・6
岡部怜央
山形・6
上野絢矢
京都・6
横山友紀
兵庫・6
東敗退: 服部5
37 2012 森本才跳
兵庫・5
森田富裕
千葉・6
武沢涼介
北海道・6
新田霧斗
宮崎・6
愛知敗退: 藤井聡4
38 2013 大中智哉
山口・5
岡本詢也
兵庫・5
松村幸輝
埼玉・6
伊藤裕紀
三重・6
39 2014 北村啓太郎
東京・5
高田明浩
岐阜・6
村田楽
広島・6
岡本詢也
兵庫・6
東敗退: 小高6
40 2015 岩松達哉
東京[3]・6
正道直
茨城・5
片山史龍
東京・5
上野裕寿
兵庫・6
東敗退: 野原6
41 2016 市岡真悟
大分・4
正道直
茨城・6
菅野晴太
大阪・6
渋江朔矢
愛知・6
42 2017 圓谷晴揮
東京・6
高坂直矢
千葉・4
岡崎忠伸
宮崎・5
高橋健
滋賀・6
43 2018 間悠亜
福井・4
長澤魁
愛知・5
岡崎忠伸
宮崎・6
今村暁
山梨・5
44 2019 炭﨑俊毅
兵庫・5
遠田直季
東京・6
祝井優希
東京・6
小沼佳浬
大阪・6
45 2020 村松勇亮
静岡・6
白石智也
岡山・6
鳴瀬裕大
奈良・6
林啓太
埼玉・6
46 2021 鳴瀬琳久
徳島・6
佐々木翔
神奈川・6
並木智裕
東京・6
高橋侑大
兵庫・6
47 2022 嶋田旬吾
熊本・6
佐藤洋輝
千葉・6
松本和樹
北海道・6
宮本弥吹
愛媛・6
48 2023 永山遥真
京都・5
井上岳
奈良・6
古賀雅希
東京・6
藤森舜太
埼玉・6
49 2024 祝井千空
東京・6
永山遥真
京都・6
中村清之介
茨城・4
松浦良祐
大阪・6

エピソード

  • 第25回(2000年)の準決勝・伊藤-中村戦で伊藤が四段目の角を成ってしまい、反則負けとなった。
  • 第35回(2010年)の東日本大会では、招待選手2名が2名とも準決勝に進出し、予選を勝ち上がった各都道府県代表が全滅した。その2名とは、第7回小学館学年誌杯争奪全国小学生大会グランドチャンピオン戦(2009年12月)の優勝・準優勝者であるため、優勝の堀田久里生は大阪府在住でありながら東日本の代表となった。
  • 第36回(2011年)は、東日本大震災の影響で日程が大幅に延期され、ベスト4以降の決勝大会は8月14日に行われた[4]
  • 第37回(2012年)の準決勝で、反則負けである「二歩」が出現(新田対森田の対局で、新田が「二歩」を指した)。
  • 第45回(2020年)は、新型コロナウイルスの蔓延の影響で日程が大幅に延期され、ベスト4以降の決勝大会は7月26日に行われた[5]
  • 歴代ベスト4のうち女性は3名で、中井広恵(第6回、準優勝)、伊藤沙恵(第29回、3位)、中七海(第35回、3位)である[6]

脚注

関連項目

外部リンク

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