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愛知県の「津島市」とは異なります。 |
対馬市(つしまし)は、長崎県の対馬に位置する市。行政面積は707.42km2で長崎県下の市町[1]で最も広い自治体である[2]。対馬振興局の所在地。
本項では、地方自治体としての対馬市について記述する。島としての対馬に関する事柄は、対馬を参照のこと。
地理
位置
- 東端:東経129度30分
- 西端:東経129度10分
- 北端:北緯34度42分
- 南端:北緯34度5分
地形
全体に山がちでほとんど平地は無い。最大の市街地は南東部の厳原地区である。また、九州地方で最も人口密度の低い市である。
山岳
- 主な山
河川
- 主な川
湾岸
- 主な湾
- 浅茅湾 - 対馬島の中央に位置する湾。複雑なリアス式海岸を呈する浅茅湾は対馬の重要な観光スポットであり、真珠の養殖やシーカヤックフィールドとしても有名である。湾の東には、大船越瀬戸(おおふなこしせと)と万関瀬戸(まんぜきせと)の2つの運河があり、浅茅湾と対馬海峡を接続している。大船越瀬戸は、1670年頃に開かれた。万関瀬戸は、1900年に、旧日本海軍がロシアとの戦争に備えて軍艦を往来させるために掘削した。当初は幅25m、深さ3.0mであったが、1975年に幅40m、深さ4.5mへと拡張された。
海峡
島嶼
有人島は、対馬島・海栗島・泊島・赤島・沖ノ島・島山島
- 主な有人島
- その他の島
地域
基本的に、合併前は〇〇郡△△町大字××と表記していたものを、対馬市△△町××という表記に変更した。また、「町」の読みは旧・厳原町のみ「まち」だったが、合併後は他の5町も「まち」に統一されている。
以下、町字の一覧を記す。また、行政区も記す(行政区と大字が一致する場合を除く。一部は日常的に住所表記にも用いられる)。
厳原町
- 旧厳原町
- 北里(きたざと:合併前は「厳原北里」)
- 東里(ひがしざと:合併前は「厳原東里」)
- 西里(にしざと:合併前は「厳原西里」)
- 阿須(東里・北里)、久田道西里(西里)
- 旧厳原村を3分割して発足した大字。
- 上記2行政区のほかは単体では行政区を設置していない。
- 曲(まがり)
- 小浦(こうら)
- 南室(なむろ)
- 桟原(さじきばら)
- 宮谷(みやだに)
- 日吉(ひよし)
- 天道茂(てんどうしげ)
- 中村(なかむら)
- 田渕(たぶち)
- 今屋敷(いまやしき)
- 大手橋(おおてばし)
- 国分(こくぶ)
- 久田道(くたみち)
- 旧豆酘村
- 豆酘、西竜良
- 旧久田村
- 久田、白子、堀田
- 尾浦(おうら)
- 安神(あがみ)
- 久和(くわ)
- 与良内院(よらないいん)
- 豆酘内院(つつないいん)
- 内山(うちやま)
- 内山、桃の木
- 旧佐須村
- 小茂田、小茂田浜
- 下原、床谷
- 樫根、日掛、上山
- 椎根、椎根浜
- 上槻(こうつき)
- 久根田舎(くねいなか)
- 久根浜(くねはま)
美津島町
- 旧雞知町
- 焼松、上の町第1~2、特別養護老人、老人ホーム
- 中の町、日向、本町、住吉、日の出、宮の下
- 大浜、高浜、西高浜、瀬原第1~2、樽ケ浜
- 根緒(ねお)
- 洲藻(すも)
- 箕形(みかた)
- 吹崎(ふくざき)
- 加志(かし)
- 今里(いまざと)
- 尾崎(おさき)
- 昼ヶ浦(ひるがうら)
- 黒瀬(くろせ)
- 竹敷(たけしき)
- 島山(しまやま)
- 旧船越村
- 大船越本町、浦崎、中浜、平瀬原
- 久須保、女護島
- 大山、玉調
- 小船越(こふなこし)
- 芦浦(よしがうら)
- 濃部(のぶ)
- 賀谷(がや)
- 鴨居瀬(かもいせ)
- 赤島、鴨居瀬住吉、元鴨居瀬、新鴨居瀬、長手、細浦飛渡
豊玉町
- 旧奴加岳村
- 卯麦(うむぎ)
- 佐保(さほ)
- 貝口(かいぐち)
- 唐洲(からす)
- 唐洲、加志々[注釈 2]
- 廻(まわり)
- 志多浦(したうら)
- 大綱(おおつな)
- 小綱(こつな)
- 銘(めい)
- 田(た)
峰町
- 三根上、三根下、三根浜
- 津柳(つやなぎ)
- 青海(おうみ)
- 木坂(きさか)
- 狩尾(かりお)
- 賀佐(かさ)
- 吉田(よしだ)
- 櫛(くし)
- 佐賀(さか)
- 志多賀(したか)
- 志多賀、志越
上県町
- 旧佐須奈村
- 松ケ崎、浜町、土井奈、本元町、上町・下町、太鼓町・三軒屋、大地
- 佐護(さご:住所表記上は、北里、西里、東里、南里の区分を用いる)
- 北里(恵古、井口、友谷)
- 西里(湊)
- 東里(深山)
- 南里(仁田ノ内、中山)
- 旧仁田村
- 志多留、田の浜
- 伊奈(いな)
- 越高(こしたか)
- 御園(みそ)
- 犬ケ浦(いぬがうら)
- 樫滝(かしたき)
- 樫滝、越の坂
- 瀬田1~2区
- 飼所(かいどころ)
- 鹿見(ししみ)
- 久原(くばら)
- 女連(うなつら)
上対馬町
- 旧豊崎町
- 河内(かわち)
- 大浦(おおうら)
- 鰐浦(わにうら)
- 豊(とよ)
- 泉(いずみ)
- 西泊(にしどまり)
- 古里(ふるさと)
- 比田勝(ひたかつ)
- 網代(あじろ)
- 冨浦(とみがうら)
- 唐舟志(とうじゅうし)
- 浜久須(はまくす)
- 浜久須、津和
- 旧琴村
- 舟志(しゅうし:上対馬町発足時、「中原」を編入)
- 五根緒(ごねお)
- 琴(きん)
- 琴、茂木
人口
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対馬市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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対馬市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 対馬市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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対馬市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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58,672人
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1975年(昭和50年)
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52,472人
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1980年(昭和55年)
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50,810人
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1985年(昭和60年)
|
48,875人
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1990年(平成2年)
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46,064人
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1995年(平成7年)
|
43,513人
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2000年(平成12年)
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41,230人
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2005年(平成17年)
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38,481人
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2010年(平成22年)
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34,407人
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2015年(平成27年)
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31,457人
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2020年(令和2年)
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28,502人
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総務省統計局 国勢調査より
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隣接自治体
対馬市は一島一市の自治体であるため陸で隣接する自治体はない。しかし以下の自治体と海路・空路で結ばれている。
- 長崎県
- 壱岐市(長崎県)-フェリーと高速船
- 大村市(長崎県)-飛行機
- 福岡県
- 大韓民国
歴史
→合併前について詳しくは、各町の項を参照
近代
- 明治時代
- 1884年(明治17年)4月1日 - 上下県郡役所が廃止され、「上下県郡総町村会」が結成される。
- 1886年(明治19年)
- 8月 - 厳原支庁が「対馬島庁」に改称。
- 12月 - 対馬警備隊が設置される。
- 1889年(明治22年)4月 - 全国的に市町村制が施行されたが、対馬は沖縄県や隠岐諸島・千島などとともに除外された。
- 1896年(明治29年)- 上下県郡総町村会が「上下県郡総町村連合会」に改称。
- 1908年(明治41年)4月1日 -島嶼町村制施行により、現在の市域にあたる以下の各町村が発足[4]。
- 1912年(明治45年)4月1日 - 以下の廃置分合が行われる[5][6]。同日、与良村廃止。
- 厳原町の一部(大字久田)と与良村の一部(大字尾浦・安神・久和・与良内院・豆酘内院・豆酘瀬・佐須瀬・内山)が合併し、久田村が発足。
- 与良村の残部(大字豆酘)をもって豆酘村が発足。
- 大正時代
近現代
- 昭和時代
現代
- 平成時代
行政
市長
- 比田勝尚喜(ひたかつ なおき、2016年3月28日就任、2期目)
- 歴代市長
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
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1 |
松村良幸 |
2004年3月28日 |
2008年3月27日 |
旧美津島町町長
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2 |
財部能成 |
2008年3月28日 |
2012年3月27日 |
|
3 |
2012年3月28日 |
2016年3月27日 |
|
4 |
比田勝尚喜 |
2016年3月28日 |
2020年3月27日 |
|
5 |
2020年3月28日 |
現職 |
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行政区域
役所
合併当初、市役所は旧厳原町・市議会は旧豊玉町・市教育委員会は旧上対馬町に置かれていた。これは合併協議会で市役所をどこに置くかで議論され、市役所を対馬の中心地である厳原に置く代わりに、中部の豊玉町と旧上県郡の中心地である上対馬にも機関を置くことで島内のバランスを保とうとしたためである。市役所と市議会の場所は現在も変わらないが、2014年(平成26年)の組織改編で教育委員会は旧峰町に変更となった(旧上対馬町には北地区教育事務所が置かれている)。
また、厳原町を除く旧5町役場はそれぞれ市役所の支所として多くの行政サービスを旧町単位で行っていたが、2008年(平成20年)8月に「支所」が「地域活性化センター」に改称、2014年(平成26年)4月に5つの地域活性化センターが統合され、豊玉が「中対馬振興部」、上対馬が「上対馬振興部」、美津島・峰・上県が「行政サービスセンター」になるなど大幅な組織改編が行われた。
- 市長 - 副市長
- 本庁(厳原庁舎/対馬市厳原町国分1441番地)
- しまづくり推進部 - しまの力創生課、政策企画課、地域づくり課、SDGs推進課、デジタル推進課
- 総務部 - 総務課(地域安全防災室含む)、人事課、財政課、財産管理運用課
- 観光交流商工部 - 文化交流課、観光商工課、博物館学芸課、対馬博物館、対馬市福岡事務所
- 市民生活部 - 市民課(豆酘窓口センター、佐須窓口センターを含む)、税務課、環境政策課(クリーンセンター、斎場、し尿処理場、生ゴミ等堆肥化施設)
- 福祉部 - 福祉課、こども未来課(保育所(豊玉南・仁位))、保護課、保護課
- 保健部 - 健康増進課、医療対策課(診療所(いづはら、豊玉、仁田))、長寿介護課
- 農林水産部 - 農林しいたけ課、水産課、自然共生課
- 建設部 - 管理課、建設課、基盤整備課、北部建設事務所
- 中対馬振興部(旧・豊玉地域活性化センター、豊玉町仁位380番地、北緯34度23分45.3秒 東経129度19分4.4秒)
- 上対馬振興部(旧・上対馬地域活性化センター、上対馬町比田勝575番地1、北緯34度39分15.0秒 東経129度27分30.3秒)
- 会計管理者 - 会計課(豊玉分室・上対馬分室を含む)
- 水道局 - 水道課
- 美津島地区水道事務所(美津島行政サービスセンター内)
- 豊玉地区水道事務所(中対馬振興部住民生活課内)
- 峰地区水道事務所(峰行政サービスセンター内)
- 上県地区水道事務所(上県行政サービスセンター内)
- 上対馬地区水道事務所(上対馬振興部住民生活課内)
- 教育委員会 - 教育長 - 事務局
- 総務課(峰行政サービスセンター内[9])
- 学校教育課(峰行政サービスセンター内[9])- 小・中学校、給食調理場
- 文化財課(美津島文化会館内)
- 南地区教育事務所(厳原地区生涯学習センター・厳原地区公民館)、美津島地区生涯学習センター、美津島地区公民館、つしま図書館、幼稚園(厳原・鶏鳴)、小・中学校、給食調理場
- 北地区教育事務所-上対馬地区生涯学習センター、上対馬地区公民館、比田勝こども園、小・中学校、給食調理場 、上県地区生涯学習センター、上県地区公民館
- 生涯学習課(峰地区公民館内)- 豊玉地区学習センター・豊玉地区公民館
- 選挙管理委員会 - 事務局
- 農業委員会 - 事務局(峰行政サービスセンター内[10])
- 監査委員 - 事務局
- 消防本部 - 総務課、予防課、警防課、通信課、消防署
- 北部支署(上県町佐須奈)
- 上対馬出張所(上対馬町比田勝)
- 中部支署(豊玉町仁位)
- 峰出張所(峰町佐賀)
- 美津島出張所(美津島町雞知)
- 豆酘分遣所(厳原町豆酘)
- 議会 - 議会事務局(中対馬振興部(豊玉)内)
-
美津島
行政サービスセンター
(美津島庁舎)
-
中対馬振興部、
対馬市議会
(豊玉庁舎)
-
峰
行政サービスセンター
(峰庁舎)
-
上県
行政サービスセンター
(上県庁舎)
-
上対馬振興部
(上対馬庁舎)
国土防衛
2009年(平成21年)1月26日、対馬市長と同市会議長は防衛省を訪問し防衛大臣宛てに対馬の自衛隊を増強するように自衛隊誘致・増強提案書を渡した[11]。
議会
市議会
- 定数:19人[12]
- 任期:2021年6月1日 - 2025年5月31日
衆議院
- 2024年衆議院議員補欠選挙
当落 |
候補者名 |
年齢 |
所属党派 |
新旧別 |
得票数
|
当 |
山田勝彦 |
44 |
立憲民主党 |
前 |
53,381票
|
|
井上翔一朗 |
40 |
日本維新の会 |
新 |
24,709票
|
- 2021年衆議院議員総選挙
- 選挙区:同上
- 投票日:2021年10月31日
- 当日有権者数:236,525人
- 投票率:60.93%
当落 |
候補者名 |
年齢 |
所属党派 |
新旧別 |
得票数 |
重複
|
当 |
谷川弥一 |
80 |
自由民主党 |
前 |
57,223票 |
|
比当 |
山田勝彦 |
42 |
立憲民主党 |
新 |
55,189.084票 |
○
|
|
山田博司 |
51 |
無所属 |
新 |
25,566.906票 |
|
|
石本啓之 |
52 |
改新党 |
新 |
2,750票 |
|
国家機関
環境省
- 自然保護
厚生労働省
- 長崎労働局対馬労働基準監督署
- 長崎労働局対馬公共職業安定所
- 福岡検疫所厳原・比田勝出張所
国土交通省
- 海上保安庁
- 気象庁
財務省
- 国税庁
農林水産省
- 林野庁
防衛省
- 自衛隊
- 対馬駐屯地(第4師団対馬警備隊他)
- 海栗島分屯基地(西部航空方面隊 西部航空警戒管制団 第19警戒隊他)
- 佐世保地方隊対馬防備隊
- 防備隊本部
- 上対馬警備所
- 下対馬警備所
法務省
- 出入国在留管理庁
- 検察庁
裁判所
施設
警察
- 本部
消防
- 本部
医療
- 主な病院
交流施設
- ホール・集会所
- 対馬市交流センター
- 対馬市公会堂
- 美津島文化会館
- 豊玉文化会館
- 下対馬開発総合センター
- 中対馬開発総合センター
- 上対馬総合センター
- 公民館
- 厳原地区公民館
- 厳原地区公民館分館ありあけ会館
- 美津島地区公民館
- 豊玉地区公民館
- 峰地区公民館
- 上県地区公民館
- 上対馬地区公民館
- コミュニティーセンター
- 竹敷地区コミュニティーセンター
- 美津島自治コミュニティーセンター
- 玉調コミュニティーセンター
- 小船越コミュニティーセンター
- 根緒離島体験施設
- 糸瀬コミュニティーセンター
- 仁田地区コミュニティーセンター
文化施設
- 博物館・史料館・収蔵庫・図書館
運動施設
- 総合運動公園
- 厳原総合運動公園
- 対馬グリーンパーク
- あそうベイパーク
- 豊玉総合運動公園
- 野球場
- パールドーム(体育館)
- テニスコート
- プール
- 峰総合運動公園
- 上県総合運動公園
- 上対馬総合運動公園
- 体育館
- 厳原体育館
- 佐須体育館
- 美津島体育館
- 緒方体育館
- 西地区体育館
- シャインドームみね
- 上県体育館
- 伊奈体育館
- 屋外運動場
- 清水が丘多目的広場
- 佐賀運動広場
- かみあがたふれあいの広場
- 湊浜シーランドステージ
- 水泳場
- 湯多里ランド対馬温水プール
- 厳原プール
- 佐賀水泳プール
- 志多賀水泳プール
- その他の運動施設
- 日新館武道場
- 峰弓道場
- グリーンピア対馬パークゴルフ場
対外関係
姉妹都市・提携都市
海外
- 姉妹都市
国内
- 姉妹都市
- 提携都市
経済
対馬市は長崎県に属するが、人的交流や経済的な結びつきではむしろ福岡県のほうが強い。
近年、高速フェリーの導入や韓国人への短期ビザ免除等で韓国釜山港経由の観光客が急増しており、島の不動産が続々と韓国資本に買収されている。
第一次産業
漁業
漁業は対馬市の基幹産業のひとつで、沿岸や日本海でのイカ釣漁が盛ん。その他にもタイやブリなどの一本釣漁や沿岸での定置網漁が行われている。主な魚種の漁獲量は以下のようになっている[17]。
2003年度の総漁獲量は22,404トン、総漁獲額は140億5100万円である[18]。
また、浅茅湾を中心に養殖業が行われており、特に真珠養殖が盛ん。養殖業の主な種別の漁獲額と合計額は以下のようになっている[19]。
- 真珠:33億4800万円
- ブリ類:8億5300万円
- 合計:52億5400万円
林業
対馬は面積の80%以上が山林で、林業が営まれている。檜の生産が主で「対馬ひのき」としてブランド展開されている。またシイタケ栽培が盛んで、県内生産の9割以上を占める。主な林産物の生産額と合計額は以下のようになっている[20]。
- 乾シイタケ:34億1510万円
- 製材用素材:17億6542万円
- しいたけ原木:9億5830万円
- 生シイタケ:2億3270万円
- 合計:71億2082万円
- また野生のニホンミツバチが生息し、島のいたるところで丸太をくりぬいてつくった巣箱「蜂洞」(はちどう)が見られる。しかし特定外来生物ツマアカスズメバチの分布により、ニホンミツバチの減少が心配されている。
第二次産業
鉱業
かつては鉱業も盛んだった。対馬銀山は日本で初めて銀が産出した場所でもある。江戸時代には銀や鉛が採掘された。また20世紀の初頭には厳原町佐須地区に亜鉛を産出する対州鉱山が開かれた。同地区では1960年代には年間20万トンを産出し東洋一の亜鉛鉱山と呼ばれたが、1973年に閉山された。
現在、銀・鉛・亜鉛の採掘は行われていないが、厳原町阿須地区で陶石類の採掘が行われている。同地区は年間5万トンを生産し、日本三大産地の一つに数えられている。
第三次産業
商業
2014年(平成26年)7月に対馬では初となる24時間営業・ATMを有するコンビニエンスストア「ポプラ(2021年(令和3年)5月からはローソン・ポプラ)」が厳原桟原に出店。また2015年(平成27年)5月開院の長崎県対馬病院内の売店としてポプラが運営する生活彩家が出店した(ただし24時間営業ではない)。2016年(平成28年)8月には、長崎県の離島としては壱岐に次ぎ2番目にファミリーマート(対馬厳原大手橋店、24時間営業)がオープンした[21][注釈 3]。
厳原地区にはマックスバリュ、マツモトキヨシの支店がそれぞれ1店舗、美津島地区にはドラッグストア(ドラッグストアモリ・マツモトキヨシ)やベスト電器、ディスカウントストア(ダイレックス・コスモス)、レンタルビデオ(ゲオ)の支店がそれぞれ1店舗進出している。
観光業
韓国からの観光客が多く、韓国資本による韓国人専用のホテルが厳原と比田勝、洲藻湾などを結ぶように建設がされており、韓国との距離が近いことからもコリアン・タウン化が進んでいる。[22]
金融機関
- 十八親和銀行対馬支店、対馬中央支店、美津島出張所、豊玉支店、比田勝支店
- 対馬農業協同組合(JAバンク)対馬本店、美津島支店、中対馬支店、上対馬支店
- 漁業協同組合(JFマリンバンク):厳原町漁協、上県町漁協、上対馬南漁協、佐須奈漁協、豊玉町漁協、美津島町漁協、美津島町西海漁協、美津島町高浜漁協、峰町東部漁協
- 郵便局(ゆうちょ銀行)が36局[23]ある。
- 集配局 13局
- 無集配局 14局
- 浅藻局、厳原宮谷局、伊奈局、大船越局、鴨居瀬局、小綱局、小船越局、佐護局、佐須奈局、志多賀局、曽局、仁田局、水崎局、鰐浦局
- 簡易郵便局 9局[23]
- 泉簡易局、厳原久田簡易局、厳原久和簡易局、厳原小浦簡易局、賀谷簡易局、久根田簡易局、下原簡易局、舟志簡易局、一重簡易局
- かつてあった金融機関
- 西日本シティ銀行対馬支店 - 平成25年4月19日をもって廃止の上、本店営業部に統合。ATMコーナーは同年5月31日に廃止。
情報・通信
マスメディア
放送局
中継局
教育
高等学校
- 県立
中学校
すべて市立 - 11校(2022年4月現在)
- ※小規模校が多く、厳原や雞知などを除いてほとんどの学校が1学年1クラスである。
- ※規模適正化で統廃合された中学校については長崎県中学校の廃校一覧#対馬市を参考。
小学校
すべて市立 - 16校(2023年(令和5年)4月現在)
- ※小規模校が多く、厳原や鶏鳴などを除いてほとんどの学校が1学年1クラス以下(複式学級の所もある)である。
- ※規模適正化で統廃合された小学校については長崎県小学校の廃校一覧#対馬市を参考。
幼児教育
幼稚園
市立2園、私立1園(2017年4月現在)
- 市立
- 私立
- 親愛幼稚園(社会福祉法人 親愛福祉会 親愛こども園)
- ※規模適正化で統廃合された幼稚園については長崎県幼稚園の廃園一覧#対馬市を参考。
保育所
- 厳原地区
- 親愛保育園(社会福祉法人 親愛福祉会 親愛こども園)
- 厳原南保育園(社会福祉法人 あすか福祉会)
- 佐須へき地保育所(同上)
- 豆酘へき地保育所(同上)
- 美津島地区
- 対馬市立鶏知保育所
- 対馬市立大船越へき地保育所
- 対馬市立小船越へき地保育所
- 対馬市立西へき地保育所
- 豊玉地区
- 対馬市立豊玉南保育所
- 対馬市立仁位へき地保育所
- 対馬市立乙宮へき地保育所
- 対馬市立小綱へき地保育所
- 峰地区
- 上県地区
- 対馬市立仁田保育所
- 対馬市立佐須奈保育所
- 対馬市立久原へき地保育所
上対馬地区
- ※2011年(平成23年)3月-「阿連へき地保育所(財団法人 厳原愛育会)」と「対馬市立塩浜へき地保育所」が閉所。
- ※2017年(平成29年)3月 -「久根へき地保育所(財団法人 厳原愛育会)」と「対馬市立竹敷へき地保育所」が閉所。
認定こども園
- 市立
- 比田勝こども園(2017年(平成29年)市立比田勝幼稚園、比田勝保育所、泉保育所が統合され開園)
- 2024年(令和6年)9月に「豊玉こども園」が開園する予定[24]。
- 私立
- 親愛こども園(社会福祉法人 親愛福祉会 親愛幼稚園・親愛保育園)
特別支援学校
- 県立
交通
市内に鉄道・軌道は無く、島内交通には専ら自動車が用いられる。道路が整備される1960年代まで、広域移動は沿岸航路・湾内航路に依存しており、浅茅湾の市営渡海船はその名残である。対馬交通から旧豊玉町を経て引き継いだもので、豊玉町内の浅茅湾内各地と美津島町樽ヶ浜を結んでいる。
空路
空港
- 対馬空港
バス
路線バス
公共交通機関は、対馬交通がバスを運行している。
道路
国道
県道
- 主要地方道
- 一般県道
- 詳しくは長崎県の県道一覧を参考。
- トンネル
対馬市内にはトンネルが73本(長崎県管理54本・対馬市管理19本)あり、長崎県下で一番の多さである。なお対馬市最長のトンネルは厳原地区にある「佐須坂(さすざか)トンネル」(1,867m、2015年12月完成、2016年2月開通)である。
航路
港湾
島外への航路を持つ港湾は、以下の2港がある
船舶
- 国内航路
- 国際航路
- 大亜高速海運
- 対馬国際ライン
- JR九州高速船
- ジェットフォイル「ビートル」
- 博多港 - 比田勝港 - 釜山港(博多-比田勝間・日本国内のみの利用も可)
- 未来高速
- 高速船NINA(ニーナ)- 2016年(平成28年)10月から運航
- 韓日国際海運
- 対伸
- ブルーつしま - 2018年11月より運航。カーフェリー。
観光
名所・旧跡
- 国の特別史跡
- 国の史跡
- その他
- 朝日山古墳
- 今屋敷の防火壁(県指定有形文化財)
- 旧日新館門(県指定有形文化財)
- 椎根の石屋根倉庫(県指定有形文化財)
- 朝鮮国訳官使殉難之碑
- 対馬円通字宗家墓地(県指定史跡)
- 対馬藩お船江跡(県指定史跡)
- 豊砲台跡
- 姫神山砲台跡(市指定史跡)
- 豆酘埼灯台
- 神社
- 寺院
観光スポット
- レジャー施設・公園
- 鮎もどし自然公園(厳原町内山)
- 上見坂展望台(厳原町・美津島町)
- あそうベイパーク(美津島町)
- 神話の里自然公園(豊玉町)
- 烏帽子岳展望台(豊玉町)
- 峰町ファミリーパーク(峰町)
- 棹崎公園(上県町佐護)
- バードウォッチング公園(上県町佐護)
- 韓国展望所(上対馬町鰐浦)
- 海水浴場
- 湊浜海水浴場
- 三宇田浜海水浴場
- 井口浜海水浴場
- 茂木浜海水浴場
- 美津島町海水浴場
- 青潮の里・尾浦海水浴場
- 豆酘板形海水浴場
- 温泉
- 厳原温泉(漁り火の湯)
- 美津島温泉(真珠(たま)の湯)
- 峰温泉(ほたるの湯)
- 上対馬温泉(渚の湯)
- 体験型施設
- 体験であい塾「匠」
- 対馬ふるさと伝承館
- そば道場 あがたの里
文化・名物
祭事・催事
- 厳原八幡宮大祭
- 厳原港まつり - 1964年に「厳原港まつり」として始められ、1980年に朝鮮通信使行列が加わった。1988~2012年は「厳原港まつり対馬アリラン祭」という名称になっていたが、2012年に対馬仏像盗難事件が起こったため、2013年に朝鮮通信使行列を中止し祭名から「アリラン」を削除した[26]が、翌年に行列を主催する「朝鮮通信使行列振興会」の働きかけにより、日韓国交50周年を理由に再開された。[27]
- 上対馬もみじまつり
- 木坂海神神社大祭
- 国境マラソンin対馬
- 地蔵盆
- 対馬シーカヤックマラソン大会
- 対馬ちんぐ音楽祭
- 対馬ツーリングトロフィー
- 対馬初午祭(対州馬を参照)
- パラグライディング対馬大会
- 万松院まつり
- 和多都美神社古式大祭
名産・特産
出身関連著名人
出身著名人
ゆかりのある著名人
脚注
注釈
- ^ 機種依存文字であるため、「鶏知」で代用することも多い
- ^ a b c 角川日本地名大辞典によれば、西加藤(嵯峨の一部)・東加藤・加志々の3字をもって、水崎地区として大字同等の扱いを受けているという。
- ^ 前述のポプラが進出する前からココストア(24時間営業ではない)が厳原地区にあったが、ココストアがファミリーマートに買収されたことにより、この店舗がファミリーマートに転換された。
- ^ 全日本空輸(ANA)・日本航空(JAL)とコードシェア
出典
関連項目
外部リンク
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- 行政
- 観光
- その他