出石郡(いずしぐん)は、兵庫県(但馬国)にあった郡。
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、豊岡市の一部(奥野・市場・三宅・森尾・立石・神美台・香住・下鉢山・上鉢山・長谷・倉見・出石町各町・但東町各町)にあたる。
歴史
古代
郷
『和名類聚抄』に記される郡内の郷。
- 小坂郷
- 安美郷
- 出石郷
- 室野郷
- 埴野郷
- 高橋郷
- 資母郷
式内社
『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。
神名帳
|
比定社
|
集成
|
社名
|
読み
|
格
|
付記
|
社名
|
所在地
|
備考
|
出石郡 23座(大9座・小14座)
|
伊豆志坐神社 八座 |
イツシノ- |
並名神大 |
|
出石神社 |
兵庫県豊岡市出石町宮内 |
但馬国一宮 |
[1]
|
御出石神社 |
ミツシノ ミイツシノ |
名神大 |
|
御出石神社 |
兵庫県豊岡市出石町桐野 |
|
[2]
|
桐野神社 |
キリノノ |
小 |
|
桐野神社 |
兵庫県豊岡市出石町桐野 |
|
|
諸杉神社 |
モロスキノ |
小 |
|
諸杉神社 |
兵庫県豊岡市出石町内町 |
|
|
須流神社 |
スルノ |
小 |
|
須流神社 |
兵庫県豊岡市但東町赤花 |
|
|
佐佐伎神社 |
ササキノ |
小 |
|
佐々伎神社 |
兵庫県豊岡市但東町佐々木 |
|
|
日出神社 |
ヒテノ |
小 |
|
(論)日出神社 |
兵庫県豊岡市但東町畑山 |
|
|
(論)日出神社 |
兵庫県豊岡市但東町南尾 |
|
須義神社 |
スキノ スケ |
小 |
|
須義神社 |
兵庫県豊岡市出石町荒木 |
|
|
小野神社 |
ヲノ |
小 |
|
小野神社 |
兵庫県豊岡市出石町口小野 |
|
|
手谷神社 |
テタニノ |
小 |
|
手谷神社 |
兵庫県豊岡市但東町河本 |
|
|
中島神社 (中嶋神社) |
ナカシマノ |
小 |
|
中嶋神社 |
兵庫県豊岡市三宅 |
|
|
大生部兵主神社 |
オホフヘ- |
小 |
|
(論)大生部兵主神社 |
兵庫県豊岡市奥野 |
|
|
(論)大生部兵主神社 |
兵庫県豊岡市但東町薬王子 |
|
(論)伊福部神社 |
兵庫県豊岡市出石町中村 |
|
(論)穴見郷戸主大生部兵主神社 |
兵庫県豊岡市三宅 |
|
阿牟加神社 |
アムカノ |
小 |
|
(論)安牟加神社 |
兵庫県豊岡市但東町虫生 |
|
|
(論)安牟加神社 |
兵庫県豊岡市森尾 |
|
比遅神社 |
ヒチノ |
小 |
|
比遅神社 |
兵庫県豊岡市但東町口藤 |
|
|
石部神社 |
イソヘノ |
小 |
|
石部神社 |
兵庫県豊岡市出石町下谷 |
|
|
小坂神社 |
ヲサカノ |
小 |
|
(論)小坂神社 |
兵庫県豊岡市出石町三木 |
|
|
(論)小坂神社 |
兵庫県豊岡市出石町森井 |
|
凡例を表示
|
近世以降の沿革
知行
|
村数
|
村名
|
幕府領
|
幕府領
|
4村
|
矢根村、唐川村、木村、太田市場村
|
藩領
|
但馬出石藩
|
1町 83村
|
出石[2]、奥山村、中山村[3]、日野辺村、上野村、桐野村、寺坂村、水石村、畑村、河本村、天谷村[4]、出合村、南尾村、出合市場村[5]、佐々木村、小谷村、相田村、正法寺村、平田村、栗尾村、佐田村、久畑村[6]、後村、中村(現・豊岡市但東町東中)、小坂村、大河内村、薬王寺村、奥赤花村[7]、中赤花村、坂津村、中藤森村[8]、坂野村、出石町分、弘原町分、水上村、長砂村、弘原中村、弘原下村、弘原上村、鍛冶屋村、細見村、荒木村、福見村、暮坂村、福居村、伊豆村、立石村、三宅村、森尾村、穴見市場村、奥野村、奥小野村、口小野村、宮内村、坪井村、袴狭村、島村、田多地村、安良村、鉢山村[9]、香住村、片間村、三木村、大谷村、丸谷村、中谷村、森井村、尾崎村、鳥居村、長谷村、三原村、東里村、日向村、西野々村、高竜寺村、畑山村、倉見村
|
- 慶応4年
- 明治4年
- 明治9年(1876年)8月21日 - 第1次府県統合により兵庫県の管轄となる。
- 明治初年
- 奥山村の一部が分立して養父郡奥山村となる。
- 中村(現・豊岡市但東町東中)が改称して東中村となる。
- 弘原中村が中村(現・豊岡市出石町中村)、弘原下村が下村、弘原上村が上村にそれぞれ改称。
- 明治5年(1872年)
- 矢根村が分割して口矢根村・奥矢根村となる。(1町88村)
- 下村が改称して福住村となる。
- 明治7年(1874年) - 太田市場村が改称して太田村となる。
- 明治12年(1879年)1月8日 - 郡区町村編制法の兵庫県での施行により、行政区画としての出石郡が発足。「出石気多郡役所」が出石に設置され、気多郡とともに管轄。
- 明治14年(1881年) - 口赤花村・中赤花村が合併して赤花村となる。(1町87村)
町村制以降の沿革
- 明治22年(1889年) - 町村制の施行により、以下の町村が発足。全域が現・豊岡市。(1町6村)
- 出石町 ← 出石[10]、出石町分、弘原町分[一部]
- 室埴村 ← 寺坂村、桐野村、日野辺村、上野村、奥山村、上村、中村、福住村、鍛冶屋村、細見村、荒木村、福見村、暮坂村、弘原町分[一部]
- 小坂村 ← 島村、福居村、伊豆村、片間村、三木村、大谷村、丸谷村、中谷村、森井村、尾崎村、鳥居村、長砂村、水上村
- 神美村 ← 宮内村、坪井村、袴狭村、口小野村、奥小野村、奥野村、穴見市場村、三宅村、森尾村、立石村、香住村、下鉢山村、上鉢山村、長谷村、倉見村、安良村、田多地村
- 合橋村 ← 唐川村、三原村、出合村、南尾村、小谷村、相田村、佐々木村、天谷村、西谷村、河本村、日殿村、出合市場村、口矢根村、奥矢根村、畑村、水石村
- 高橋村 ← 薬王寺村、大河内村、久畑村、後村、東中村、小坂村、佐田村、栗尾村、平田村、正法寺村
- 資母村 ← 奥藤森村、中藤森村、口藤森村、虫生村、坂野村、高竜寺村、西野々村、太田村、木村、東里村、日向村、中山村、畑山村、坂津村、赤花村、奥赤花村
- 明治29年(1896年)7月1日 - 郡制を施行。郡役所が出石町に設置。
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和31年(1956年)9月30日 - 合橋村・資母村・高橋村が合併して但東町が発足。(2町3村)
- 昭和32年(1957年)9月1日(2町)
- 神美村の一部(奥野・市場・三宅・森尾・立石・香住・下鉢山・上鉢山・長谷・倉見)が豊岡市に編入。
- 出石町・室埴村・小坂村・神美村の残部(宮内・坪井・袴狭・口小野・奥小野・安良・田多地)が合併し、改めて出石町が発足。
- 平成17年(2005年)4月1日 - 出石町・但東町が豊岡市・城崎郡城崎町・竹野町・日高町と合併し、改めて豊岡市が発足。同日出石郡消滅。
変遷表
自治体の変遷
明治以前
|
明治初年 - 明治22年
|
明治22年 4月1日 町村制施行
|
明治22年 - 昭和30年
|
昭和31年 - 昭和64年
|
平成元年 - 現在
|
現在
|
奥野村
|
奥野村
|
神美村
|
神美村
|
昭和32年9月1日 豊岡市に編入
|
平成17年4月1日 豊岡市
|
豊岡市
|
穴見市場村
|
穴見市場村
|
三宅村
|
三宅村
|
森尾村
|
森尾村
|
立石村
|
立石村
|
香住村
|
香住村
|
下鉢山村
|
下鉢山村
|
上鉢山村
|
上鉢山村
|
長谷村
|
長谷村
|
倉見村
|
倉見村
|
宮内村
|
宮内村
|
昭和32年9月1日 出石町
|
坪井村
|
坪井村
|
袴狭村
|
袴狭村
|
口小野村
|
口小野村
|
奥小野村
|
奥小野村
|
安良村
|
安良村
|
田多地村
|
田多地村
|
出石
|
出石[10]
|
出石町
|
出石町
|
出石町分
|
出石町分
|
弘原町分
|
弘原町分
|
一部
|
一部
|
室埴村
|
室埴村
|
寺坂村
|
寺坂村
|
桐野村
|
桐野村
|
日野辺村
|
日野辺村
|
上野村
|
上野村
|
奥山村
|
奥山村
|
鍛冶屋村
|
鍛冶屋村
|
細見村
|
細見村
|
荒木村
|
荒木村
|
福見村
|
福見村
|
暮坂村
|
暮坂村
|
弘原上村
|
明治初年 改称 上村
|
弘原中村
|
明治初年 改称 中村
|
弘原下村
|
明治初年 改称 下村
|
明治5年 改称 福住村
|
島村
|
島村
|
小坂村
|
小坂村
|
福居村
|
福居村
|
伊豆村
|
伊豆村
|
片間村
|
片間村
|
三木村
|
三木村
|
大谷村
|
大谷村
|
丸谷村
|
丸谷村
|
中谷村
|
中谷村
|
森井村
|
森井村
|
尾崎村
|
尾崎村
|
鳥居村
|
鳥居村
|
長砂村
|
長砂村
|
水上村
|
水上村
|
唐川村
|
唐川村
|
合橋村
|
合橋村
|
昭和31年9月30日 但東町
|
三原村
|
三原村
|
出合村
|
出合村
|
南尾村
|
南尾村
|
小谷村
|
小谷村
|
相田村
|
相田村
|
佐々木村
|
佐々木村
|
天谷村
|
天谷村
|
西谷村
|
西谷村
|
河本村
|
河本村
|
日殿村
|
日殿村
|
出合市場村
|
出合市場村
|
畑村
|
畑村
|
水石村
|
水石村
|
矢根村
|
矢根村
|
明治5年 口矢根村
|
明治5年 奥矢根村
|
奥藤森村
|
奥藤森村
|
資母村
|
資母村
|
中藤森村
|
中藤森村
|
口藤森村
|
口藤森村
|
虫生村
|
虫生村
|
坂野村
|
坂野村
|
高竜寺村
|
高竜寺村
|
西野々村
|
西野々村
|
木村
|
木村
|
東里村
|
東里村
|
日向村
|
日向村
|
中山村
|
中山村
|
畑山村
|
畑山村
|
坂津村
|
坂津村
|
奥赤花村
|
奥赤花村
|
中赤花村
|
中赤花村
|
明治14年 赤花村
|
口赤花村
|
口赤花村
|
太田市場村
|
太田市場村
|
明治7年 改称 太田村
|
薬王寺村
|
薬王寺村
|
高橋村
|
高橋村
|
大河内村
|
大河内村
|
久畑村
|
久畑村
|
後村
|
後村
|
小坂村
|
小坂村
|
佐田村
|
佐田村
|
栗尾村
|
栗尾村
|
平田村
|
平田村
|
正法寺村
|
正法寺村
|
中村
|
明治初年 改称 東中村
|
行政
- 出石・気多郡長
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
|
1 |
|
明治12年(1879年)1月8日 |
|
|
|
|
|
明治29年(1896年)3月31日 |
廃官
|
- 出石郡長
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
|
1 |
|
明治29年(1896年)4月1日 |
|
|
|
|
|
大正15年(1926年)6月30日 |
郡役所廃止により、廃官
|
脚注
- ^ 「旧高旧領取調帳」は但馬国分が欠けているため、木村礎の手により「天保郷帳」をもとに作成され、「日本史料選書11 旧高旧領取調帳 近畿編」(近藤出版社、1975年)に掲載されたデータが国立歴史民俗博物館によりデータベース化されている。
- ^ 出石城下各町の総称。無高のため「旧高旧領データベース」には記載なし。
- ^ 記載は「中山村・古者《中山村/虫生村》弐ヶ村」。本項では2村として数える。
- ^ 記載は「天谷村・古者《天谷村/西谷村》弐ヶ村」。本項では2村として数える。
- ^ 記載は「出合市場村・古者《出合市場村/日殿村》弐ヶ村」。本項では2村として数える。
- ^ 記載は久畑市場村。
- ^ 記載は「奥赤花村・古者《奥赤花村/口赤花村》弐ヶ村」。本項では2村として数える。
- ^ 記載は「中藤森村・古者《中藤森村/奥藤森村/口藤森村》三ヶ村」。本項では3村として数える。
- ^ 記載は「鉢山村・古者《鉢山村/下鉢山村》弐ヶ村」。本項では2村として数える。
- ^ a b 出石谷山町、出石伊木町、出石材木町、出石内町、出石八木町、出石魚屋町、出石入佐町、出石東条町、出石本町、出石宵田町、出石鉄砲町、出石田結庄町、出石川原町、出石柳町、出石小人町、出石松ヶ枝町、出石馬場町、谷山分、寺町分の総称。
参考文献
関連項目