『亀田音楽専門学校』(かめだおんがくせんもんがっこう)は、NHK Eテレの音楽教養番組である。
概要
「J-POPは、音楽のあらゆる魅力がつまった総合芸術だ」という持論を持つ音楽プロデューサーの亀田誠治が、毎回ミュージシャン1組をゲストに迎え、J-POPのヒット曲を取り上げながら、そこに隠された秘密を紐解いていく。譜面や専門用語も登場するが、音楽理論に詳しくない視聴者にもわかりやすいよう、テロップやナレーションでフォローする。タイトルにある通り、番組を音楽の専門学校での講義に見立てており、亀田が「校長」、進行役のNHKアナウンサー・小野文恵と伴奏担当のキーボーディストが「助手」、各回の出演ミュージシャンが「ゲスト講師」との設定である。
2013年1月3日・4日に、年始の単発番組として、パイロット版的に2夜連続で放送された。このときは「泣ける歌」をテーマに、亀田が長くプロデュースを手掛けているシンガーソングライターの平井堅がゲストに登場した。
2013年10月3日より、同じ音楽系番組の『ミュージック・ポートレイト』の後を受け、毎週木曜日 23:25 - 23:55の枠にて、全12回のレギュラー放送を実施した。1人のゲストが2週に渡って登場し、各週で別のテーマを扱う。毎回番組最後には、トーク部分で取り上げた中から1曲を、亀田の編曲によるスタジオライブで演奏する。この演奏のバンドメンバーのうち、ボーカルはその回のゲスト講師、ベースは亀田、ピアノorキーボードはトーク部分の助手のキーボーディストである。
2014年10月2日より「SEASON 2」として、毎週木曜日 23:00 - 23:45に全12回のレギュラー放送が復活した。放送枠が拡大され、助手が中村慶子に替わった。亀田と中村がJ-POPゆかりの場所を訪ねる「亀さんぽ」のコーナーが挿入された。
2016年1月7日より「SEASON 3」として、毎週木曜日 23:00 - 23:45に放送された。今回は「J-POP」という言葉が誕生した1988年から現在までを4つの時代に区切り、J-POPならではの音楽的な発明の変遷について全4回の“短期集中講座”として放送された[1]。また「講師」とは別に1名ずつゲストがVTR出演した。
オープニング・エンディングのBGMに使用されている音楽は、亀田作曲による番組オリジナル曲である。番組でいちばん多く取り上げられた楽曲は小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」である。また、サザンオールスターズ、Mr.Children等の楽曲も取り上げられる頻度が高い。
放送日時
- 単発版
- 本放送 - 2013年1月3日(木)・1月4日(金)23:00 - 23:30
- 再放送 - 2013年1月25日(金)24:00 - 25:00
- SEASON1
- 本放送 - 毎週木曜日 23:25 - 23:55
- 再放送 - 本放送の翌週 毎週水曜日 24:30 - 25:00
- SEASON2
- 本放送 - 毎週木曜日 23:00 - 23:45
- 再放送 - 本放送の翌週 毎週水曜日 24:00 - 24:45
- SEASON3
- 本放送 - 毎週木曜日 23:00 - 23:44
- 再放送 - 毎週月曜日 1:10 - 1:55(日曜日深夜)
出演者
- 校長:亀田誠治(音楽プロデューサー)
- 助手
- 小野文恵(NHKアナウンサー)(SEASON 1まで)
- 中村慶子(NHKアナウンサー)(SEASON 2、SEASON 3)
- キーボーディスト:不定
放送リスト
単発版
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テーマ
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ゲスト講師
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放送日
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1
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泣ける歌・胸キュンコード学
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平井堅
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2013年01月03日
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2
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泣ける歌・メラメラのメロディー学
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2013年01月04日
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スタッフ
SEASON 3のエンドロールより。
- ナレーション:守本奈実アナウンサー
- 資料提供:オリコン
- プロデューサー:甲斐洋威
- 制作統括:小池明久
- 演出:今井章人(#1)/鎌野瑞穂(#2,4)/大久保寿一(#3)
- 制作・著作:NHK
脚注
注記
- ^ 12月25日に第1回放送分をアンコール放送。
- ^ 「キメ」(サビの直前で伴奏とメロディのアクセントを揃える技法)や「ブレイク(英語版)」など、「シカケ」と総称される聴衆を引きつける音楽技法について解説[2]。
- ^ KREVAのライブ「908 FESTIVAL 2014」(2014年9月7・8日)の舞台裏を放送[5]。
- ^ 2014年12月25日に「アンコール放送」として放送された。番組表上は、このアンコール放送の回が最終回となっている。
- ^ シング・アロングについての解説。
- ^ J-POPで多用される「C→G/B→Am→Em/G→F→C/E→Dm→G」のコード進行(いわゆる「カノン進行」を一部転回させたもの)を「純情コード(進行)」と表現して解説[6]。
- ^ J-POPで頻出する「F→G(G/F)→Em→Am」(IV△7→V7→IIIm7→VIm)のコード進行を「小悪魔コード(進行)」と表現して解説[7]。
- ^ 1日目(11月27日)はライブハウス「照和」(中央区天神)を訪問。2日目(12月4日)は深町健二郎の案内でレコード店「ジューク・レコード」(中央区天神)[8]・ライブハウス「JA-JA」(早良区西新)・ミュージックスクール「音楽塾ヴォイス」(中央区大手門)[9]を紹介。
- ^ メロディのサビ終わりから最後の2音に着目し、いわゆる「解決進行」について学ぶ。ポピュラー和声#和音の機能も参照。
- ^ 日本で唯一、レコードのプレス工場を持つ会社[10]。
出典
外部リンク