不定愁訴[1]で、患者からの「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、「なんとなく体調が悪い」という強く主観的な多岐にわたる自覚症状の訴えがあるものの、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態を指す。 (ふていしゅうそ)は、臨床用語症状が安定しないため治療も難しく、周囲の理解も得られにくい。 この用語が誕生した明確な時期は不詳であり、1963年11月頃[2]から出稿された第一製薬(第一三共ヘルスケアの前身)の静穏筋弛緩剤「トランコパール」のキャッチコピーのための造語[3]であるとする説があるが、1962年11月[4]・1963年4月[5]の時点で既に医学雑誌での使用例が見られる。1964年には流行語となり、広く定着した[6]。 治療法や支援方法については、「不定愁訴#管理」を参照。 診断まずは一般的な身体的疾患の診察、検査を行う[7]。身体表現性障害、心身症、軽症うつ病、気分変調症、パニック障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス反応、適応障害などの可能性が含まれる[7]。自律神経失調症と診断されることも多い。 さらに中重程度のうつ病でないことを明確に除外する[7]。精神病、双極性障害、てんかん、行動障害、認知症、物質乱用などについても除外する[7]。過去のストレス経験、自殺念慮、自傷行為の有無について問診する[7]。 管理→「精神科の治療 § ケアの基本」も参照
不適切なセルフメディケーション(たとえばアルコール乱用や薬物乱用)につながらないように指導する[7]。これらは依存症を引き起こし、症状を悪化させる。
ストレス削減法(「ストレス管理」も参照)と、社会的ネットワークの再活性化を提案する[7]。可能な限り、以前の社会活動(家族、友人、隣人、職場、スポーツ、地域活動)に参加を続けるよう提案する[7]。呼吸法もアドバイスできる[7]。 原因がパートナーの喪失にある場合は、患者と文化社会的に適切なプロセスについて話し合い、それを支援する[7]。 その原因が重度のストレスに晒されたことによるもので、かつこれらを行っても症状が6か月以上続く場合は専門医へ紹介する[7]。心的外傷後ストレス障害(PTSD)が疑われ、症状が1か月以上続く場合は専門医へ紹介する(「心的外傷後ストレス障害#治療」も参照)[7]。また、認知行動療法の有効性も実証されている[8]。
歯の嵌合改善で程度が軽くなったとする報告がある[9]。 出典
参考文献
関連項目外部リンク |