ワタシってサバサバしてるから
『ワタシってサバサバしてるから』は、原作:とらふぐ・作画:江口心による漫画作品。2020年11月9日よりめちゃコミックほかにて「コミックなにとぞ」にて連載されている[1][注 1]。2022年5月には小学館より単行本が刊行されている[3]。 2023年1月にNHK総合テレビジョンにてテレビドラマ化された[4]。2025年春に続編を同枠にて放送予定[5]。 制作AMG出版とDPNブックスの産学共同事業の一環として制作されており、作画を務める江口心はアミューズメントメディア総合学院マンガイラスト学科の卒業生[1]。 DPNブックスが「最近『自称サバサバ女』と呼ばれる女性が出没している」「自称サバサバ女をクローズアップした作品が作れないか」と原作者のとらふぐにオファーを出したことから企画が開始した[6]。作中で自称サバサバ女と呼ばれる網浜に関しては特定のモデルはいなかったが、担当編集などとの話し合いでキャラクターが固まっていったという[6]。 あらすじ光洋出版社で働くOL・網浜奈美は、そのネチネチとした性格や、周囲に迷惑を掛ける言動により、同僚からは嫌われていた。しかし派遣社員の本田麻衣はうまく場をあしらっており、網浜は本田ばかりがちやほやされるのが気にくわず対抗心を燃やしていた。そんな中、人事異動で本田が正社員として登用されるという噂を耳にした網浜は、本田と揉めている谷川誠をけしかけ、正社員登用を妨害しようとする。しかしその試みは失敗して本田は正社員になり、谷川は総務部へ、網浜は通称「追い出し部屋」と呼ばれる社史編纂室へ、それぞれ異動となる。 社史編纂室での網浜は、上司である嘱託社員の千堂光男から厳しく言われることを不快に思っていた。そんな中、新しいWEB雑誌の社内公募コンペが開かれることを知り、一発逆転を目論む。しかしアイデアが思いつかなかった網浜は、同僚の木内静江の企画書を剽窃して応募。当初責任者の真島は、先に提出した網浜の企画書を木内が盗用したと考えていたが、実際に大賞を受賞することとなったのは木内だった。網浜は真島と会長であった千堂に抗議を行うが、盗用の証拠も見つかっており、徒労に終わる。網浜は、クビを言い渡される前に自主的に退職する。 職を失った網浜は本田から退職する際にもらった名刺の派遣会社に行き、そこで偶然出会ったアパレル企業「GOGO CITY」の社長・滝川守にアピールし、同社のコールセンター職員となる。 登場人物主人公
光洋出版社
GOGO CITY
書誌情報
評価・反響網浜は特定の人物をモデルにしたキャラクターではないが、自分の知人と似ているとレビューする読者も多い[6]。また、現実で似たような女性に出会った際に、本田の言動を参考にして切り返そうと思う、とレビューした者もいた[6]。 「めちゃコミック」では、2021年の売り上げ年間ランキングで総合2位を獲得した[11][12]。 インターネット上ではバナー広告が多数出され[13]、そこで興味を持つ人が多いほか[6]、身近にいる「自称サバサバ女」の体験談を語ることがブームとなった[14]。 テレビドラマ
2023年1月9日から2月9日まで、NHK総合テレビジョンの「夜ドラ」枠にて放送された[4]。主演は丸山礼[4]。 本稿では便宜上、第1作をS1、Season2をS2の略称で表記する。 あらすじ(テレビドラマ)前半は、漫画原作のあらすじと設定を踏襲。ただし光洋出版社は「光陵出版社」に、奈美の異動先部署は社史編纂室から「人材開発室」に変更された。なにより奈美は、原作では編集部内で蛇蝎のごとく忌み嫌われる存在だが、ドラマではマイペースな破天荒キャラとして、周囲から生温かく見守られる程度の設定にソフト化されている。 第1話傍若無人の綱浜奈美は「私ってサバサバしてるから」が口癖。一方、仕事もでき美人の新人編集・本田麻衣を勝手にライバル視する。営業部のモテ男、山城達也らとの社内合コンに割り込んだ奈美は、本田に対抗心を燃やしマウントを取ろうとする。だが本田も負けてはいない。 第2話網浜奈美は、合コン帰りのタクシーで山城達也にアプローチするも逃げられてしまう。一方、本田麻衣は、新人ながらセレクトショップの特集記事を担当することに。編集長から本田のサポートを指示された奈美だが、一向に助ける様子はない。営業部の鈴木雄太からの飲みに誘われ、麻衣を残しさっさと退勤する。 第3話本田麻衣は担当特集が好評だったため、セレクトショップのオーナー・馬場から会食に誘われる。網浜奈美も「自分のサポートがあってこそ」などと主張し、強引に会食に割り込む。奈美は馬場に対し失礼な言動を繰り返し、麻衣と編集長がフォローするも馬場は激高。編集長は、奈美の処遇を人事部に相談する。 第4話本田麻衣と山城達也の恋仲が気に入らない網浜奈美は、麻衣を貶めようと画策。谷川誠からパワハラまがいの嫌がらせを受ける麻衣を目撃し、思わず入れた茶々が逆に麻衣を助ける結果に。地団駄を踏む奈美は、谷川を利用して本田を編集部から異動させようとする。そして人事異動の発表日がやって来るが……。 第5話編集部を去ることになった網浜奈美は、「仲良しメンバーで送別会を開け」と安藤晴香らに迫る。相変わらずズケズケと喋る奈美だが、本田麻衣や山城達也は、人材開発室へ異動する奈美を心配していた。リストラ部屋と噂される人材開発室では、千堂光男、木内静江、米沢周一といった表情の暗い面々が待ち構えていた。 第6話人材開発室に異動しても、仕事はせず朝からトウモロコシを食べるなど、やりたい放題の網浜奈美。だが、指導係の千堂光男は「網浜さんを見習おう」と木内静江や米沢周一と共にとうもろこしを食べ始める。調子が狂った奈美は、古巣の編集部へ社内報の取材に赴く行くが、勝手にゲラ刷りを撮影し、本田麻衣に追い出されてしまう。奈美は屈辱を晴らすため、編集部への返り咲きを誓う。 第7話陰気な人材開発室を抜け出し華やかな編集部に戻りたいと願う網浜奈美。一発逆転を狙い、新企画社内公募コンペへの応募を決める。「私の実力を見せつけてやる」と、持ち前の自己肯定力で大口を叩く奈美だが、いざ企画書を書こうとすると何も浮かばない。ライバルの本田麻衣もコンペに応募すると知り、宣戦布告するも焦る奈美。さらに、木内静江も応募することを知り……。 第8話コンペで一番最初に企画を提出したのは網浜奈美だった。安藤晴香らは驚くが感心する。一方、奈美と瓜二つの企画書を応募最終日に提出した木内静江は、盗用を疑われる。落ち込む木内を「あなたにも良いところがある」と元気づける奈美。窮地に立っても言いたいことが言えない木内。だが、米沢周一は、奈美による盗用の一部始終を見ていた。そしてコンペ結果発表の日を迎える 第9話コンペの結果発表日に会長室へ呼び出された網浜奈美を待ち構えていたのは、千堂光男だった。人材開発室室長は仮の姿で、実際の千堂は会長だった。米沢周一が、木内静江の企画盗用の真相を千堂に報告し、奈美は窮地に追い込まれ、自宅謹慎処分を受ける。だが、まったく悪びれる様子のない奈美は、飲んだくれて「あんな古い体質の会社は辞めてやる」と愚痴るばかり。 第10話自分を評価しない光陵出版社に未練はないと、勢いで退職した網浜奈美。「自分くらいの実力があれば、すぐ他社にスカウトされる」と高をくくっていたが、スカウトメールは来ない。だが「人気のある会社に入り、前社の人たちを見返す」希望だけは膨らむ。本田麻衣に紹介された派遣会社に赴いた奈美は、大手アパレル通販GOGOCITYの滝川守社長に出会う。 第11話派遣社員として、GOGOCITYに潜り込んだ網浜奈美は、コールセンターで働くことになる。説明会に参加するや否や、派遣社員担当の広瀬進に「給料は上がるのか?」などの質問を浴びせ、広瀬を困惑させる。同じ派遣登録の桜井華は、自分とは正反対な性格の奈美をリスペクト。そして、迎えたGOGOCITYの出勤初日、奈美は、社長秘書の早乙女京子と遭遇する。 第12話GOGOCITYのコールセンターで派遣社員として働くことになった網浜奈美。初出勤の日に遭遇した社長秘書の早乙女京子は、「ワタクシってサバサバしてますから」と言いながらも、社長の滝川守の前では猫なで声を出すようなタイプ。似た者同士の奈美と京子は、すぐさま対立の火花を散らすことに。京子はそんな奈美を追い出そうと策略を巡らす。 第13話GOGOCITYのコールセンターへの出勤初日、網浜奈美は、苦情対応の電話で遠慮なく顧客の誤りを指摘し相手を激高させてしまう。早乙女京子は鬼の首をとったような態度で、奈美を叱責し、GOGOCITYから追い出そうとする。奈美は前職の同僚、本田麻衣と木内静江に再会。編集者の仕事を始め、すっかり華やかな雰囲気に変わった木内に嫉妬する。 第14話コールセンター出勤初日に顧客を怒らせてしまった網浜奈美は、早乙女京子から派遣契約の解除を言い渡される。激高する奈美に、派遣会社の広瀬進は「貴女のような人を受け入れてくれる会社は日本のどこにもない」と現実を突きつける。奈美を追い出すことに成功し、高笑いの京子。だが桜井華は、解雇は不当で、早乙女の策略だったと奈美に告げる。 第15話出勤初日に、顧客を怒らせたという理由で解雇された網浜奈美だったが、実際は当該顧客から感謝されていたことが発覚する。早乙女京子が、そうと知りつつ奈美を追い出したことを知り、奈美は京子への復讐を誓う。京子は動画配信やフォトエッセイ出版で目立つインフルエンサー。京子の弱みを見つけ出そうと変装して彼女を尾行した奈美は、思わぬ形で、社長の滝川守に遭遇する。 第16話米大手通販会社・DCフォレストによるGOGOCITY買収計画を知り、社長の滝川守は対応に追われる。そうとも知らず、派遣社員を解雇された網浜奈美は、滝川に取り入ろうとアピールするもあえなく撃沈。買収交渉のために来日したDCフォレストの米国人CEO・ジェームズは、偶然奈美と再会。二人は以前、米国で同じ飲食店のアルバイト従業員同士だった。 第17話網浜奈美がジェームズの友人ということを知った滝川守は、早乙女京子や役員たちの反対を押し切り、奈美にGOGOCITYの正社員として買収交渉チームに加わることを命じる。奈美とジェームズは「 サヴァ」で泥酔し、連れ立ってホテルに戻ったところを週刊誌に撮られる。本田麻衣と木内静江はWEB雑誌の企画で、仕方なく奈美を取材に訪れる。 第18話網浜奈美とジェームズがホテルに入るところを週刊誌に記事化され、GOGOCITYの買収交渉に暗雲が立ち込める。社長の滝川守は早乙女京子に奈美の監視役を命じる。だが、変装して会社を脱出しようとした奈美と京子は取材記者たちに取り囲まれ、奈美はまたもや言いたい放題。だが、そんな奈美の奔放な発言はネットユーザーたちの支持を集める。 第19話歯に衣着せぬ物言いがメディアに取り上げられ、網浜奈美は一躍、時の人に。早乙女京子は奈美とふたりで動画配信を行い、自分たちが注目されるチャンスを狙う。だが配信当日、奈美は酒をストレートであおり、調子に乗って前職での企画盗用を暴露してしまう。事態は一転、大炎上して非難が殺到。社長の滝川守はふたりに謹慎を命じ、奈美はジェームズにも見放される。 第20話動画配信騒動の責任を滝川守に追求され、GOGOCITYを辞めて再び無職となった網浜奈美。早乙女京子もGOGOCITYを去り、滝川とジェームズもそれぞれDCフォレストの買収交渉決裂により引責辞任する。翌日、ジェームズは奈美をアメリカでの新事業に誘う。1年後、姿を消した奈美のことを、本田麻衣、山城達也、安藤晴香、米沢周一らかつての仲間が噂するが……。 キャスト主要人物
光陵出版社
GOGOCITY
その他
ゲスト第2回第3回第15回
スタッフ
放送日程
脚注注釈出典
外部リンク |