パワーズフジミ
株式会社パワーズフジミ(POWERS Fujimi Co., Ltd.)は、かつて新潟県新潟市東区に本社を置き、同市を中心にスーパーマーケットチェーン「パワーズフジミ」を運営していた企業である。 2013年(平成25年)5月10日付で新潟地方裁判所に自己破産を申請して受理され[1]、当時運営していた全店舗を閉鎖して事業を停止した。 概要1975年(昭和50年)6月に佐藤食品工業(現:サトウ食品)と清水商事(清水フードセンター)が提携し、新潟市藤見町(現在の東区藤見町二丁目)に所在したボウリング場跡の建造物を再利用して開店した「フジミショッピングセンター」を前身とする[2]。1981年(昭和56年)には同市桃山町二丁目(現在の東区)に2号店の「フジミショッピング桃山店」を開店したが、所在地は何れもサトウ食品の本社近隣であり、大規模な店舗展開は長年行ってこなかった。 しかし業容拡大の為、サトウ食品は1998年(平成10年)に食品スーパー事業を分社化し、株式会社パワーズフジミを設立、店舗ブランドも「パワーズフジミ」に改称した。鮮魚や精肉・青果などの生鮮品は販売当日に仕入れた商品を、その日のうちに売り切るという独特の販売手法で注目を集め、分社化以降は新潟市近郊を中心に積極的な店舗展開を進めた。 2005年(平成17年)には新潟交通グループが業務縮小のため解散した食品スーパー「新交ストアー」から「セサミ」3店舗を譲受し[3]、店舗ブランドも一般店舗「パワーズフジミ」に加え、高級食材なども取り扱うハイグレード店舗「パワーズフジミorigin セサミ」の2業態による展開を開始し、既存店1店舗を「セサミ」に転換する[4]など店舗網の拡大を続け、ピーク時の2004年(平成16年)4月期には約195億7300万円の売上高を記録した。 しかし原信ナルスホールディングス(現在のアクシアル リテイリング)やウオロクなど県内の同業他社、更にはイオンやユニーなど全国展開のGMSをはじめとする各社による競争激化などもあって業績が悪化し、2007年(平成19年)4月期の決算で約8億円の債務超過に陥った。こうした背景から、サトウ食品は本業の食品加工に注力する為にスーパー事業からの撤退を決定し、同年12月22日付で全株式を仙台市の食品スーパー「モリヤ」に無償譲渡した[5]。なお同社は既存店舗存続と全従業員の雇用継続を提示していた。 その新たなオーナー企業となったモリヤが2010年(平成22年)7月30日、民事再生法の適用を申請して経営が破綻した[6] 一方で、パワーズフジミは別経営であったことから事業は継続し、2011年(平成23年)には同年8月22日付で新潟地裁新発田支部に自己破産を申請して経営破綻した村上市の食品スーパー「エノモト」が保有していた店舗のうち、4店舗を継承するなどして店舗網の拡大を続け[7]、2012年(平成24年)には17店舗を運営していた。 しかし業績が回復しない中で多店舗展開を図ったのに加えて、前掲のモリヤが経営破綻したことで信用力が悪化し、支払い遅延を発生させるなどして資金繰りに行き詰まり、前掲のとおり2013年5月10日付で自己破産申請を新潟地裁に提出し、経営破綻した。同時点での負債総額は約27億4000万円にのぼった[2]。 沿革
店舗自己破産時点で保有していた17店舗の施設はその後、破産管財人によって整理が進められた結果、このうち12施設が下記企業の店舗施設等となった。 店舗名の特記が無いものは、店舗ブランドを変更した上で同一店舗名を使用している。
この他は岩船店(村上市八日市)は食品スーパー「ララ岩船店」となるも閉店(年月日不明)、新崎店(新潟市北区すみれ野二丁目)は旧パワーズフジミの従業員が中心となって設立した「グローバルミート」が継承し、店舗ブランドも「パワーズフジミ」を継続使用する形で2013年夏から順次営業を再開したものの、2014年(平成26年)2月4日付で自己破産を申請し事業を停止した[10]。 なお新発田舟入店(新発田市舟入町三丁目)・山北店(村上市府屋)・鳥原店(新潟市西区鳥原)は売却先が付かず、このうち山北店・鳥原店は競売物件となった。 脚注
関連項目外部リンク
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