ノーブルミッション (Noble Mission[1]) はイギリス生産の競走馬、種牡馬である。主な勝ち鞍は2014年の英チャンピオンステークス(GI)、サンクルー大賞(GI)、タタソールズゴールドカップ(GI)。2014年カルティエ賞最優秀古馬。
史上最強馬との呼び声も高い名馬フランケルの1歳下の全弟にあたる。
戦績
フランケル旋風が吹き荒れる2011年10月に兄の主戦騎手トム・クウィリーを背にデビューするも、5馬身差をつけられての2着に敗れる[4]。
3歳となった2012年4月の未勝利戦で初勝利を挙げ、7月にはゴードンステークスを制して重賞初制覇を果たす。しかし、その後は堅実に走りながらも勝ち星に恵まれず、4歳シーズン終了までにリステッド競走のタップスターステークスを勝利するのみに留まり、フランケルの全弟としては物足りない成績が続いた[4]。
4歳最終戦のドラール賞で初コンビを組んだジェームズ・ドイルはノーブルミッションには先行策が向くと判断し、翌年には積極的に先行策を取るようになる[3]。2014年初戦のファイネストサプライズステークスで2着となった後、ゴードンリチャーズステークスを9馬身差の圧勝で久々の重賞勝ちを収めると、続くハスクリーステークスも制して重賞連勝。そして、5歳にして初のGI出走となったタタソールズゴールドカップで前年のカルティエ賞最優秀3歳牡馬マジシャンを破り、遂にGI馬となった。夏場はフランス、ドイツを転戦し、サンクルー大賞では1位入選スピリットジム(Spiritjim)の降着による繰り上がりながらGI連勝を果たし[5]、バイエルンツフトレネンでも2着に好走した[4]。
年内最終戦にはチャンピオンステークスが選ばれ、不良馬場の中、逃げ戦法を取った。直線では2番手を追走していたアルカジーム(英語版)との叩き合いとなり、これをクビ差制して2012年に同レースを制した兄フランケルとの兄弟制覇を成し遂げた[6]。3カ国でのGI制覇が評価され、2014年のカルティエ賞最優秀古馬に選出された[7]。
競走成績
以下の内容は、Irish Racing.com[4]およびHorse Racing Nation[8]の情報に基づく。
出走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離 |
着順 |
騎手 |
着差 |
1着(2着)馬
|
2011.10.25 |
ヤーマス |
未勝利 |
|
芝8f3yds
|
2着 |
T.クウィリー |
5馬身 |
Swedish Sallor
|
2012.04.21 |
ニューベリー |
未勝利 |
|
芝8f
|
1着 |
T.クウィリー |
3馬身3/4 |
(Dream Tune)
|
0000.05.05 |
ニューマーケット |
ニューマーケットステークス |
L |
芝10f
|
1着 |
T.クウィリー |
クビ |
(Mariner's Cross)
|
0000.05.19 |
ニューマーケット |
フェアウェイステークス |
L |
芝10f
|
2着 |
E.アハーン |
クビ |
Thought Worthy
|
0000.06.22 |
アスコット |
キングエドワード7世ステークス |
G2 |
芝12f
|
2着 |
T.クウィリー |
1/2馬身 |
Thomas Chippendale
|
0000.07.31 |
グッドウッド |
ゴードンステークス |
G3 |
芝12f
|
1着 |
T.クウィリー |
ハナ |
(Encke)
|
0000.08.22 |
ヨーク |
グレートヴォルティジュールステークス |
G2 |
芝12f
|
4着 |
T.クウィリー |
2馬身3/4 |
Thought Worthy
|
0000.10.27 |
ニューベリー |
セントサイモンステークス |
G3 |
芝12f5yds
|
2着 |
T.クウィリー |
1/2馬身 |
Hazel Lavery
|
2013.04.20 |
ニューベリー |
ファイネストサプライズステークス |
G3 |
芝12f5yds
|
3着 |
T.クウィリー |
0.26馬身 |
Universal
|
0000.05.04 |
ニューマーケット |
ジョッキークラブステークス |
G2 |
芝12f
|
4着 |
T.クウィリー |
3馬身 |
Universal
|
0000.05.25 |
グッドウッド |
タップスターステークス |
L |
芝12f
|
1着 |
I.モンガン |
4馬2 |
(Genzy)
|
0000.06.22 |
アスコット |
ハードウィックステークス |
G2 |
芝12f
|
4着 |
T.クウィリー |
3.56馬身 |
Thomas Chippendale
|
0000.08.10 |
ヘイドックパーク |
ローズオブランカスターステークス |
G3 |
芝10f95yds
|
3着 |
T.クウィリー |
1.13馬身 |
David Livingston
|
0000.10.05 |
ロンシャン |
ドラール賞 |
G2 |
芝9f152yds
|
4着 |
J.ドイル |
7馬身1/4 |
Cirrus des Aigles
|
2014.04.12 |
ニューベリー |
ファイネストサプライズステークス |
G3 |
芝12f5yds
|
2着 |
J.ドイル |
クビ |
Cubanita
|
0000.04.25 |
サンダウン |
ゴードンリチャーズステークス |
G3 |
芝10f7yds
|
1着 |
J.ドイル |
9馬身 |
(Telescope)
|
0000.05.08 |
チェスター |
ハクスリーステークス |
G3 |
芝10f75yds
|
1着 |
J.ドイル |
2馬身1/4 |
(Telescope)
|
0000.05.25 |
カラ |
タタソールズゴールドカップ |
G1 |
芝10f110yds
|
1着 |
J.ドイル |
1馬身1/4 |
(Magician)
|
0000.06.29 |
サンクルー |
サンクルー大賞 |
G1 |
芝11f204yds
|
1着 |
J.ドイル |
繰上 |
(Siljan's Saga)
|
0000.07.27 |
ミュンヘン |
バイエルンツフトレネン |
G1 |
芝10f
|
2着 |
J.ドイル |
1/2馬身 |
Lucky Lion
|
0000.10.18 |
アスコット |
英チャンピオンステークス |
G1 |
芝10f
|
1着 |
J.ドイル |
クビ |
(Al Kazeem)
|
種牡馬時代
偉大な兄フランケルとの競合を避けるため、馬主側の意向でアメリカ合衆国のレーンズエンドファームでの種牡馬入りが決まった[5]。初年度の2015年は2万5000ドルの種付け料が設定され、146頭の繁殖牝馬と交配した[7]。
2020年10月9日に日本軽種馬協会から2021年より日本で種牡馬として導入することが発表された。[9]
主な産駒
GI級競走は太字で示す
血統表
脚注
外部リンク