のぶみ
のぶみ(1978年〈昭和53年〉4月4日[2] - )は、日本の絵本作家。代表作に「ぼく、仮面ライダーになる!」や「しんかんくん」、「ママがおばけになっちゃった!」といったシリーズがある[21][6]。「うちのウッチョパス」はNHK教育でアニメ化された[22][23]。「おかあさんといっしょ」の歌「おしりフリフリ」、「おっとっとのオットセイ」の作詞も担当した[24][25]。 来歴・人物生い立ち東京都品川区出身[3]で、実家はプロテスタントの教会[26]。少年時代はいじめを受けたり不登校になったり[21]、自殺をしようとしたこともあったといい[2][27]、その経験から自身はいじめを行うようなことは絶対にしないと語っている[2][27]。中学時代は引きこもりで不登校だったという[3][21]。 高校時代は仲間と悪ふざけをして人気のない小学校のプールに侵入したり、神社の敷地でいたずらをしたりして複数回補導されていたというが、逮捕されたことはなく前科もないという[27]。後年に『暴走族 絵本作家になる』という自伝を出版し[28]、プロフィールに池袋連合総長と記載することもあったが[2][21][29]、「総長」はあだ名で実際は不良グループだったという[21][27]。 絵本作家へ高校卒業と同時に不良を辞め[2][27]、日本児童教育専門学校に進学[4]。1999年2月発行[12]の『ぼくとなべお』でデビューするが[5][6][注 1]、2007年の『しんかんくんうちにくる』までなかなか作品が売れなかった[2][25]。後年、絵本を書く熱意はどこから来るのかと質問された際、自身の子供達に喜んで貰いたい思いからと語り、「身近な人を喜ばせられないで、みんなを喜ばすことなんてできませんから。だからこれまでに1万作はボツになってますよ(笑)。才能じゃなくて、ただ描くのが好きなんです」とインタビューに答えている[3]。 2011年、他の漫画家と共同で東日本大震災チャリティ同人誌『pray for Japan』で執筆[30]。震災から約2週間後のボランティア体験をまとめたエッセイ漫画『上を向いて歩こう!』(講談社)を刊行[16]。翌2012年には森川ジョージがこれを原作とした『会いにいくよ』を、『週刊少年マガジン』2012年31号から短期集中連載した[16][17]。また、同年には復興チャリティアイドル「あたまがふくしまちゃん」をデザインする[31][32]。 一方でEXILE・USA著「ダンスアース」シリーズ(木楽舎)のイラストも担当し[3][33]、2015年には内閣府子ども・子育て支援新制度(すくすくジャパン)のシンボルマーク制作に無償で協力[34]。同年に出版した『ママがおばけになっちゃった』は、賛否両論を呼ぶもののベストセラーとなる[26][35][27]。2016年には知人の全盲のカメラマン大平啓朗が製作した、世界初となる手話・字幕・音声ガイド付MV「プリチュー」の挿絵イラストにも協力した[36]。2016年時点で絵本は170冊以上出版され、『ママがおばけになっちゃった』は累計54万部に達した[21]。 活動の展開2016年には「情熱大陸」に出演し、『いのちのはな』の制作過程が取り上げられた[21]。同年8月には[37]、シンガポールで話題となった「ママがスマホばっかりみてるから、ぼくはスマホになりたい」という小学生の作文を元にした絵本『ママのスマホになりたい』を刊行した[38]。また、キングコングの西野亮廣とはニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ」を配信している[39]。2017年、2018年には「世界一受けたい授業」にも出演し、国語の先生として家族で読みたい絵本[40]や、2018年に読みたい絵本[41]を紹介した[42]。 2018年にはのぶみが作詞した楽曲「あたしおかあさんだから」が、Huluの番組「だい!だい!だいすけお兄さん!!」において横山だいすけにより歌われたが批判を浴び[43][44](作詞の評価参照)、動画の該当部分は削除されるに至る[43][44][注 2]。この余波で仕事が激減したのぶみは、「達成しなかったら絵本作家引退!絵本を買う事ができない子どもたちに届けたい!」というクラウドファンディングをCAMPFIREで実施し、148%の資金を集めた[45][注 3]。 2019年には幻冬舎ルネッサンス新社の「子育て絵本大賞」で選考委員長を[46][47]、幻冬舎グループ主催となった2022年の第2回「絵本コンテスト」では特別審査員を務めている[48][49]。また、「胎内記憶」[注 4]をテーマにした絵本も執筆[27]。2020年からはYouTubeチャンネルも公開した[18]。なお、Tokyo FMの番組「サステナ*デイズ」では子どもが描いた絵を絵本にまとめる企画で絵本制作を担当し、2021年4月に公開されている[53][54]。 作風・評価制作スタイル自身の息子をモデルにした「かんたろう」、娘をモデルにした「アンちゃん」というキャラクターをいろいろな作品に登場させている[21]。「絵本の場合はエンドユーザーである母子の声を直接聞くことが大切」と考えており[6]、作品を作る際には多くの人に読み聞かせを実施し[21][6]、そこで得られた意見を踏まえて修正を重ねている[21][6]。制作には半年をかけ、読み聞かせは2000回に及ぶという[6]。「いのちのはな」は3000回以上読んでもらい、9か月を制作にかけた[21]。 絵本の評価『ママがおばけになっちゃった!』は「Amazonランキング大賞2015(年間ランキング)」の絵本部門で1位、和書部門で13位となり[55]、絵本雑誌『MOE』の第8回MOE絵本屋さん大賞2015では第6位[56]、キノベス!2016でも第9位になった[57]。2015年に話題となった同作はシリーズが3作制作され[10][58][26]、2016年にはシリーズ累計54万部を超えている[26]。 家庭文庫「子どもの本の家ちゅうりっぷ」主宰の神保和子は、「幼い子どもの発達段階や心理」に配慮できておらず「母子分離不安をあおる」と問題視している[35][注 5]。講談社によると同作は賛否両論を呼び、Amazonのレビュー評価も両極端であった[60]。涙やユーモアを交えて母の死をわかりやすく子供に伝えているとされ[10]、本屋で同作を読んだ際に「娘が大泣きしながら『これ買って』と訴えてきた」という母親の声もある[26]。 剣淵町絵本の館が実施している「けんぶち絵本の里大賞」では、2012年に『ぼく、仮面ライダーになる!フォーゼ編』で「アルパカ賞」を[7]、2016年には『ママがおばけになっちゃった!』で「びばからす賞」を受賞し[8]、2017年に『さよなら ママがおばけになっちゃった!』で大賞を受賞した[9][10]。また、「わかやま絵本大賞2017」[注 6]では『あたまのうえのかみさま』で大賞を受賞している[11]。 作詞の評価ネット動画配信サービスHuluの番組「だい!だい!だいすけお兄さん!!」の2018年2月2日放送で発表された、のぶみが作詞し横山だいすけが歌唱した楽曲「あたしおかあさんだから」は、「母親の自己犠牲を賛美」[43]、「母親に我慢や自己犠牲を一方的に強いている」[44]といった批判を浴び、動画の該当部分は削除された[43][44][61][注 2]。他方、「泣きました。解(わか)ってくれる人もいるんだなと感じた」という声があり、のぶみは「あるべき母親像を押しつけたつもりはまったくない」と語っている[44]。 作品絵本作品
映像作品コミック
イラスト
デザイン
作詞
自伝
成績受賞
その他の成績
脚注注釈
出典
外部リンク
(関連動画)
|