1899年 全米選手権(1899ねんぜんべいせんしゅけん)に関する記事。
大会の流れ
- 1881年から1967年まで、全米選手権は各部門が個別の名称を持ち、大会会場も別々のテニスクラブで開かれた。これが他の3つのテニス4大大会と大きく異なる点である。
- 男子シングルス 名称:全米シングルス選手権(U.S. National Singles Championship)/会場:ロードアイランド州、ニューポート・カジノ (最初の会場、1914年まで)
- 男子ダブルス 名称:全米ダブルス選手権(U.S. National Doubles Championship)/会場:ロードアイランド州、ニューポート・カジノ (最初の会場に戻る。1894年-1914年まで)
- 女子シングルス 名称:全米女子シングルス選手権(U.S. Women's National Singles Championship)/会場:ペンシルベニア州、フィラデルフィア・クリケット・クラブ (女子部門競技はすべてこの会場、1887年-1920年まで)
- 女子ダブルス 名称:全米女子ダブルス選手権(U.S. Women's National Doubles Championship)/会場:フィラデルフィア・クリケット・クラブ (1889年-1920年まで)
- 混合ダブルス 名称:全米混合ダブルス選手権(U.S. Mixed Doubles Championship)/会場:フィラデルフィア・クリケット・クラブ (1892年-1920年まで)
- 男女シングルスでは、「チャレンジ・ラウンド」(Challenge Round, 挑戦者決定戦)と「オールカマーズ・ファイナル」(All-Comers Final)で優勝を決定した。男子シングルスでは第4回大会の1884年から実施されてきたが、女子シングルスは第2回競技の1888年から行われた。
- 大会前年度優勝者を除く選手は「チャレンジ・ラウンド」に出場し、前年度優勝者への挑戦権を争う。前年度優勝者は、無条件で「オールカマーズ・ファイナル」に出場できる。チャレンジ・ラウンドの勝者と前年度優勝者による「オールカマーズ・ファイナル」で、当年度の選手権優勝者を決定した。
- この年は、女子シングルスの前年度優勝者ジュリエット・アトキンソンが欠場した。前年度優勝者が出場しなかった場合は「オールカマーズ・ファイナル」がなくなるため、チャレンジ・ラウンドの決勝結果を優勝記録表に掲載する。
- 本年度の女子シングルスでは、出場選手が15名に増えたことから、チャレンジ・ラウンド本戦が4回戦制のトーナメントに拡大された。本記事では準々決勝以後の記録を掲載する。
- 競技ルールは、基本的にはウィンブルドン選手権に準拠して実施された。当時の女子シングルスには、他に類例のない特色がいくつかあった。
- 1894年-1901年まで、女子部門競技(女子シングルス・女子ダブルス・混合ダブルス)の決勝戦が最大5セット・マッチで行われた。1894年からは、女子シングルスのチャレンジ・ラウンド決勝 → オールカマーズ・ファイナルで最大5セット・マッチを実施した。テニス4大大会の女子競技で最大5セット・マッチが行われたのは、1890年代-1901年の全米選手権だけである。
- 初期の全米選手権のように、外国人出場者が少なかった時期は、地元アメリカ人選手の国籍表示を省略する。
大会前年度優勝者
男子シングルス
チャレンジラウンド
準々決勝
- レオ・ウェア vs. ホルコム・ウォード 3-6, 6-4, 9-11, 6-2, 6-4
- パームリー・パレット vs. ボブ・ハンティントン 3-6, 6-3, 4-6, 6-4, 6-0
- ドワイト・デービス vs. ウィリアム・ボンド 6-4, 6-4, 1-6, 6-4
- クレイ・コリンズ vs. ジョージ・レン 8-6, 4-6, 4-6, 6-4, 6-3
準決勝
- パームリー・パレット vs. レオ・ウェア 7-5, 6-2, 6-4
- ドワイト・デービス vs. クレイ・コリンズ 6-4, 6-1, 8-6
決勝
- パームリー・パレット vs. ドワイト・デービス 7-5, 8-10, 6-3, 2-6, 6-4
オールカマーズ決勝
- マルコム・ホイットマン vs. パームリー・パレット 6-1, 6-2, 3-6, 7-5 (ホイットマンが本大会の優勝者になる)
女子シングルス
チャレンジラウンド
準々決勝
- モード・バンクス vs. マートル・マカティアー 3-6, 7-5, 7-5
- キャリー・ニーリー vs. ジョージナ・ジョーンズ 6-0, 6-2
- マリオン・ジョーンズ vs. ハリー・チャンプリン 6-1, 6-2
- ジェーン・クレーブン vs. エディット・パーカー 7-5, 3-6, 6-1
準決勝
- モード・バンクス vs. キャリー・ニーリー 6-3, 4-6, 6-1
- マリオン・ジョーンズ vs. ジェーン・クレーブン 6-1, 6-0
決勝
- マリオン・ジョーンズ vs. モード・バンクス 6-1, 6-1, 7-5 (ここで優勝決定。M・ジョーンズが本大会の優勝者になる)
決勝戦の結果
- 男子シングルス:マルコム・ホイットマン vs. パームリー・パレット 6-1, 6-2, 3-6, 7-5 [オールカマーズ決勝]
- 女子シングルス:マリオン・ジョーンズ vs. モード・バンクス 6-1, 6-1, 7-5 [チャレンジラウンド決勝、最大5セット・マッチ]
- 男子ダブルス:ホルコム・ウォード&ドワイト・デビス vs. レオ・ウェア&ジョージ・シェルドン 6-4, 6-4, 6-3
- 女子ダブルス:マートル・マカティアー&ジェーン・クレーブン vs. モード・バンクス&エリザベス・ラストール 6-1, 6-1, 7-5 [最大5セット・マッチ]
- 混合ダブルス:アルバート・ホスキンズ&エリザベス・ラストール vs. ジェームズ・ガードナー&ジェーン・クレーブン 6-4, 6-0 (途中棄権) [最大5セット・マッチ]
外部リンク
- 全米オープンの歴史 (英語、全米オープンテニス公式サイト内)
- 抽選表:男子・女子 (男子はGrand Slam Tennis Archive、女子はTennisForum.com提供スレッドによる)
参考文献
- Roger M. Williams, “The U.S. Open: Game, Set, Unmatched”(全米オープン-ゲーム・セット・試合は続く) Time-Life Books, New York (1997) ISBN 0-7835-5260-2 各部門ごとの開催地について、本書の189ページを参照した。
- Bud Collins, “Total Tennis: The Ultimate Tennis Encyclopedia” Sport Classic Books, Toronto (2003 Ed.) ISBN 0-9731443-4-3
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