餓狼伝説
『餓狼伝説』(がろうでんせつ)は、1991年にSNK(旧社)が発売した2D対戦型格闘ゲーム、およびそれを筆頭とする対戦型格闘ゲームのシリーズである。欧米でのタイトル表記は『Fatal Fury』。 概要ネオジオでは初となる本格的な対戦格闘ゲーム。本作以前にSNK製作の格闘アクションゲーム『ストリートスマート』(1989年)が存在し、それが原点となっている。開発にはカプコンからSNKに移籍し、かつ初代『ストリートファイター』のディレクターだった西山隆志とデザイナー兼プランナーだった松本裕司が主導の立場で参加している[1][注 1]。そのため、『ストリートファイター』シリーズを模倣した他社の対戦型格闘ゲームの中でも、当作を始めとしたSNKの対戦型格闘ゲームは、正式にカプコンの対戦型格闘ゲームがルーツとなる[注 2]。 「カプコンに『ストII』あればSNKに『餓狼』あり」と言われたように、1990年代の格闘ゲームブームの中心的存在の片翼であった[2]。 ストーリーの傾向として、兄弟の絆や復讐をテーマとしている[2]。 本作におけるキャラクターボイスは開発スタッフが兼任していたが、当時の社長がその演技に激怒したことから続編となる『餓狼伝説2』からは俳優・声優がキャラクターボイスを担当することとなった[3]。 1992年には『バトルファイターズ 餓狼伝説』のタイトルでアニメ化され、1994年に劇場版『餓狼伝説 -THE MOTION PICTURE-』も公開された。それに先だって、1994年4月10日に東京・銀座の松竹セントラルで映画化記念イベントが開催され、声優の錦織一清、難波圭一や監督の大張正己のほか特別ゲストとして千葉麗子も招き、1200人のファンとともにトークセッションや予告編の上映、ゲーム大会が行われた[4]。 2006年には、SNKプレイモアによりパチスロ化された(餓狼伝説 (パチスロ)を参照)。 2012年にソーシャルゲーム『SNKドリームバトル』、2013年にソーシャルゲーム『KOF×餓狼伝説』に作品が参加している。 2019年、同年11月より、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の有料DLCキャラクターとして、本作のキャラクターであるテリー・ボガードが出演。 2022年には『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(1999年)以来となる餓狼伝説シリーズ最新作の開発が決定したことが報じられた[5]。『餓狼伝説 City of the Wolves』のタイトルで、2025年に発売予定[6] シリーズタイトル一覧
餓狼伝説(初代)
ゲーム内容1991年11月25日登場。正式タイトルは『餓狼伝説 宿命の闘い』。8方向レバーとパンチ・キック・投げの3ボタンで構成されている。本作の特徴として、フィールドが手前と奥の2ライン存在することが挙げられる。後の作品では任意に移動可能で戦略にも影響するが、本作ではCPUのみ任意に移動可能。プレイヤーはライン移動した相手を追いかけたときや相手に吹き飛ばされた時のみ別ラインに移動できる。 必殺技は他の格闘ゲーム同様、キャラクター1人につき複数用意されているが、インストラクションカードにはその内の突進技1つずつ(バーンナックル、斬影拳、スラッシュキック)しか記載されておらず[注 3]、ボーナスステージ後に使用キャラクターに対応したコマンドが1つずつ公開される[注 4]。コマンドはボーナスステージを経ずとも、プレイヤーが知っていれば最初から使用可能。必殺技の威力は高いが、コマンド入力がシビアだった。 本作のみ、2人プレイの場合は協力プレイとなり、CPUと2対1で戦い、倒した後プレイヤー同士で対戦する(勝った方がそのままストーリーモードを継続)[注 5][2]。 多くの格闘ゲームと同様、2本先取した者が勝者となる。引き分けが続き10ラウンド目まで持ち込んだ場合、両者が1本ずつ取った状態で「FINAL ROUND」となる。ただし、この「FINAL ROUND」でも引き分けとなった場合、対CPU戦ではプレイヤーの負け扱い、対人戦では両者ゲームオーバーとなる(対人戦の場合は「DRAW GAME」表示のあとすぐにゲームオーバー画面となり、コンティニューはできない)。 CPU戦では使用キャラクターを選んだ後にマイケル、ダック、タン、リチャードの4人から最初の相手を選択する。5人目からの敵キャラクターの出現順は固定されており、ホア、ライデン、ビリー、ギースの順番で戦う。試合後にはギースのリアクションが中間デモとして表示され、2人倒すごとにボーナスステージとして腕相撲ゲームが行われる。 欧米版では必殺技のコマンドが大幅に変更されている。ゲーム中で公開されない初期技のコマンドは以下の通り。
登場キャラクタープレイヤーキャラクター
CPU専用キャラクター
移植版※SNKプレイモアは2016年にSNK(新社)へ社名変更。
スタッフ
評価
ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第6回ゲーメスト大賞」(1992年度)において、大賞10位、ベストアクション賞7位、ベストVGM賞8位、年間ヒットゲーム4位、プレイヤー人気4位、ベストキャラクター賞では「テリー・ボガード」が13位を獲得した[7]。
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点(満40点)[26]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.07点(満30点)となっている[10]。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で130位(323本中、1993年時点)となっている[10]。
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・7・6・5の合計24点(満40点)[27]、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、23.1点(満30点)となっている[32]。また、同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、「登場するキャラクタは2人減ったものの、完全移植に近い出来ばえ」、「派手な必殺技がバンバン出せるのが楽しい」と紹介されている[11]。
漫画
漫画オリジナルキャラクター
パチスロ・パチンコ
サウンドトラック
脚注注釈
出典
関連項目参考文献
外部リンク
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