鎖 (小説)
『鎖』(くさり)は、日本の小説家乃南アサによる小説。「音道貴子」シリーズの1作であり、第115回直木三十五賞を受賞した『凍える牙』の続編である[1][2][3]。 単行本は、2000年10月25日に新潮社のシリーズ「新潮ミステリー倶楽部」より書き下ろしで刊行された[4]。単行本のカバー写真は、三谷龍二による。単行本の装幀は、平野甲賀・新潮社装幀室による[5]。文庫版は、2003年12月1日に新潮文庫より刊行された[1]。 著者の乃南は、本作のタイトルについて、「広い意味で言えば、貴子の職場、男性社会ニッポンを三回くらい重ね塗りしたような警察という巨大組織も『鎖』ですし、今回、貴子の置かれた状況自体も『鎖』、犯人の一人にどうしようもなく惹かれ縛られている女性についてもそうですね」[6]とコメントしている。 関西大学の片桐ゼミのウェブページには、「監禁場所をどう見つけ出すのか、どうやって助けるのかというのが、臨場感をもって伝わってきます」「警察官や犯人の人間性と心理が丁寧に描かれている」との書評が掲載されている[7]。 2016年に小池栄子主演でテレビドラマ化されている[8][9]。 あらすじある年の4月、東京都武蔵村山市大南6丁目で、占いを生業としている御子貝春男・睦子夫婦、および信者が惨殺された状態で発見される。重要な事件の初期の捜査活動に当たることを任務とする機動捜査隊に所属している音道貴子は、警視庁刑事部捜査一課に所属している星野という男とコンビを組んで、事件の捜査に加わる。貴子が捜査をしていると、過去に発生したひったくり事件で被害を受けた上に怪我を負った中田加恵子という女性を発見する。そんな中、春男が架空名義の銀行口座に多額の現金を預けていたことが発覚する。貴子たちは、銀行の関係者について調べを進める。やがて、貴子と星野は、それぞれ単独で捜査を進めることになる。 主な登場人物テレビドラマ
『鎖 女刑事 音道貴子』(くさり おんなけいじ おとみちたかこ)のタイトルで、2016年7月6日水曜日の21時 - 22時48分に、テレビ東京系の「水曜ミステリー9」枠で放送された。主演は小池栄子[8][9]。
脚注
参考文献
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