発達心理学(はったつしんりがく、英: developmental psychology)は、人の加齢に伴う発達的変化を研究する心理学の一分野。
概要
かつては、子どもが大人になるまでの過程が発達であると考えられていたが、現在では老年期までも含め、人は生涯を通して変化・成長を続けるものと捉えられるようになったため、発達心理学の研究対象も、加齢による人の一生涯の変化過程となった。一生涯を研究対象とする視点を強調するために、生涯発達心理学と呼称される場合もある。研究領域は、各発達段階での心的、社会的、身体的な発達とそのための条件、また発達を阻害する要因や発達障害などが含まれる。
発達段階ごとに区分された、乳児心理学、幼児心理学、児童心理学、思春期心理学、青年心理学、中年心理学、高年心理学、老年心理学などは発達心理学の下位領域と見なされる。近年、これらに加えて、胎児期や壮年期の研究も増えている。
エリク・H・エリクソンによる発達段階:
年齢 |
時期 |
導かれる要素 |
心理的課題 [1] |
主な関係性[2] |
起こりうる疑問(私は...)[2][出典無効] |
例[2]
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0–2 歳 |
乳児期 |
希望 |
基本的信頼 対 不信 |
母親 |
世界を信じることが出来るか。 |
授乳
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2–4 歳 |
幼児前期 |
意思 |
自律性 対 恥、疑惑 |
両親 |
私でよいのか? |
トイレトレーニング、更衣の自律
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4–5 歳 |
幼児後期 |
目的 |
積極性 対 罪悪感 |
家族 |
動き、移動し、行為を行ってよいか。 |
探検、道具の使用、芸術表現
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5–12 歳 |
児童期 |
有能感 |
勤勉性 対 劣等感 |
地域、学校 |
人々とものの存在する世界で自己成就できるか。 |
学校、スポーツ
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13–19 歳 |
青年期 |
忠誠心 |
同一性 対 同一性の拡散 |
仲間、ロールモデル |
誰か? 誰でいられるか。 |
社会的関係
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20–39 歳 |
初期成年期 |
愛 |
親密性 対 孤独 |
友だち、パートナー |
愛することが出来るか。 |
恋愛関係
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40–64 歳 |
成年期 |
世話 |
生殖 対 自己吸収 |
家族、同僚 |
自分の人生をあてにできるか。 |
仕事、親の立場
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65歳 - |
成熟期 |
賢さ |
自己統合 対 絶望 |
人類 |
私でいてよかったか。 |
人生の反響
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乳児・幼児の区切りは三歳児神話・3年保育の一般化により、3歳が区切りであるし小学校入学は6歳でもある。※欧米だと年少・年中がプレスクールで、年長のみが幼稚園(ほぼ小学校のようなカリキュラム)としているため5歳となっている。児童期の幅は大きく、低学年は幼児っぽさが残っている。小学3~5年生はギャングエイジという仲間意識を身に付ける年齢であり、スポーツではゴールデンエイジと言って最も伸びる時期でもある。また最近の子は成長が早く、6年生は思春期に入っており学級担任制が難しくなっている。6・3制の本家アメリカでは5・3・4制(または4・4・4制)が主流になっており、日本でも5・4制を導入したほうが良いという意見もある。青年期は英語圏ではティーンエイジャーであるが、日本では1年前倒しの中高生という言い方が一般的である。成年期においては結婚・出産年齢が大きく左右し、最近は晩婚化・未婚・DINKsが増えており一律ではなくなった。また平均寿命が延びたことにより前期高齢者(65~74歳)は元気になっており、まだまだ社会で活躍したいという人も増えている。また終活ブームといって、死後に対して自分で責任をもつという考え方がでてきた。
著名な学者
脚注
関連項目