測地系
測地系(そくちけい、英語: geodetic system)は、地球上の位置を経緯度(経度・緯度)および標高を用いる座標によって表すための系(システム)を指す。 全地球的測地系全地球的測地系とは、測地系のうちで適用範囲が全地球に及ぶことも可であるもの。
各種の全地球的測地系相互間における経緯度値の差はかなり小さい。
測地系の3要素測地座標系直交座標系としての定義
準拠楕円体→「準拠楕円体」も参照
二要素によって定義(通常は長半径及び扁平率) 準拠楕円体の例:
ジオイド面ジオイド面は標高の基準。 世界測地系という呼称全地球的測地系の範疇に属し、個々の国で採用されている測地系には、世界測地系という呼称を持つものがある。各々を混同してはならない。 米国の測地系:世界測地系(WGS84)
日本の測地系:世界測地系(JGD2011)
一般的呼称:世界測地系国際的測地成果を用いて実現した全地球的測地系を意味して、世界測地系と呼ぶ考え方もある。国外に通じるかは不明。 各国の測地系アメリカWGS→詳細は「World Geodetic System」を参照
アメリカ国防総省が、1960年に北米測地系(North American Datum)との差が少なくなるよう本初子午線及び全地球的測地系を策定し[注釈 3]、「世界測地系(World Geodetic System, WGS)」と名付けた。現行の各種の全地球的測地系はどれもこれと同様の考え方を元にしている。
WGS84世界測地系1984(WGS84)は、1984年に大きく改訂された版をいう。
日本
旧日本測地系日本では、1918年から2002年3月末までは、旧日本測地系(東京測地系、Tokyo Datum)と呼ばれる測地系を用いてきた。
ITRF94の経緯度と日本測地系のそれとでは、上記の変換にあるように東京付近の地表面では450 m程度のずれが存在する。東京付近では、おおむね、日本測地系の数値から、北緯に12秒加え、東経に12秒減ずると、ITRF94の数値が得られる。 また日本測地系の基準点網は三角測量による成果に基づくため、測地系以外の要因によるゆがみが北海道や九州では5 - 10 m程度存在する(南西諸島、離島等はそれ以上の場合もあった)。このようなゆがみも考慮したITRF94との測地系変換を行うプログラムTKY2JGDが、国土地理院により公式に提供されている[注釈 5]。 これらのずれやゆがみは、日本国内向けに1:25,000の地形図を発行するには問題を生じないが、海図の国際利用や、精密な位置情報にもとづくGISデータの整備の障害になりつつあった。 日本測地系2000旧日本測地系が持つ問題を解消するため、測量法および水路業務法の一部を改正する法律が施行され、2002年4月1日から、日本測地系2000(JGD2000、Japanese Geodetic Datum 2000)[注釈 2]と呼ぶ測地系を用いることとなった。
「世界測地系」とは、地球を次に掲げる要件を満たす扁平な回転楕円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関する測量の基準をいう。
日本測地系2011東日本大震災による地殻変動に伴い、国土地理院は2011年10月に測地成果2011を公開した[9]。これにより再構築された日本測地系2011(JGD2011、Japanese Geodetic Datum 2011、世界測地系(測地成果2011))を、日本測地系2000に代わる測地系として用いることとなった。それに伴い以下の点が変更となった。
ロシアSK-42SK-42(ロシア語: Пулково-1942, СК-42, Система координат 1942)はソビエト連邦・ロシア連邦で1946年より用いられていたヨーロッパに適合する局所座標系である。
PZ-90PZ-90(ロシア語: Параметры Земли 1990, ПЗ-90)はGLONASSで用いられている全地球的座標系である。
SK-95SK-95(ロシア語: Пулково-1995, СК-95, Система координат 1995)はSK-42と同じくクラソフスキー楕円体を準拠楕円体に用いた局所座標系で、PZ-90と軸方向が平行である[12]。2002年7月1日から用いられている。 GSK-2011GSK-2011(ロシア語: Геодезическая система координат ГСК-2011)は2012年12月28日から用いられている測地系。ITRF系に準拠しており、測量や地図作成に用いられる。
インターネット地図が採用している測地系
世界測地系のWGS84とJGD2011のずれは数cm~数十cm程度である。旧日本測地系と世界測地系は東京で450m程度ずれる[17]。 脚注注釈
出典
参考文献
関連項目外部リンク
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