日本化学工業
日本化学工業株式会社(にほんかがくこうぎょう)は、東京都江東区に本社を置く化学メーカー[2]。日本の無機化学の分野では首位級である[3]。日本の十大発明家に選出された棚橋寅五郎に端を発する日本製錬株式会社と、渋沢栄一と大倉喜八郎に設立された日本化学工業株式会社が合併し、現在の企業体制となった[4]。このため、旧大倉財閥の企業としても分類される[5]。 沿革
主な製品リン酸やホスフィン誘導体、リン酸エステルなどのリン化合物、ケイ酸ナトリウム、無水クロム酸、工業用バリウム化合物などを製造する。リン酸の製造においては、リン鉱石を原料とする湿式法を採る日本燐酸・セントラル硝子・東洋燐酸・東ソーに対し、日本化学工業ではラサ工業とともに黄リンを原料とした乾式法での製造を行う[7]。2012年には、日本電工よりクロム塩事業を譲り受けた[8]。 ホスフィン遷移金属錯体を用いた抗癌剤の研究を進めている[9]。 六価クロム鉱さい問題1973年(昭和48年)に東京都が日本化学から都営地下鉄用地及び市街地再開発用地として買収した江東区大島9丁目の小松川工場跡地で大量のクロム鉱さい埋め立てが判明した問題[10]。東京都は日本化学に対し損害賠償を求めて提訴し、1986年(昭和61年)4月に和解が成立。江東区内には3ヵ所の処理地が設置され、2000年(平成12年)5月に処理は終了したが、今も東京都は同地区で定期的に大気中の粉じん等を測定し、周辺環境の状況把握を行っている。2013年(平成25年)にも処理地で六価クロムの滲出が発生した。[11] 事業所
西淀川工場(大阪府大阪市西淀川区福町3丁目北緯34度42分0秒 東経135度26分40秒)は2011年3月に閉鎖され、跡地の再開発が計画されている[12]。 脚注
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