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家族愛

家族愛(かぞくあい)とは、恋愛感情とは異なる家族の愛情[1]

創作における家族愛

本田透は『シスター・プリンセス』は妹の兄に対する家族愛の感情を扱った作品だと指摘している[2]。だが、本田透は『Clannad』のように家族愛を扱った作品は、オタク向け作品など一部にしか見られなくなってしまったと指摘する[3]

社会における家族愛

野田潤は、育児や介護といった社会問題になるはずのものが、家族愛の名の下に個人の責任にされてしまっていると指摘する[4]。また、野田潤は、日本では再生産労働の従事者は女性が大半であるため、子どもに対する親密性を強調することは母性の強調になるわけである[5]

教科書で教える家族愛

日本では2018年(平成30年)より従来あった小学校の「道徳の時間」が教科となり、検定教科書を用いて児童生徒を評価する形に変わった[6]

文部科学省による『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 特別の教科 道徳編』によれば、「家族愛,家庭生活の充実」に関しては以下のようなことを教えるとしている。

〔第1学年及び第2学年〕
 父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
 父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること。

(中学校)
[家族愛,家庭生活の充実]
 父母,祖父母を敬愛し,家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築くこと。

— 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説[7]

教科書で道徳を教えることについては、特定の価値観の押しつけや、「理想的な家族像」を示すことがかえっていじめにつながるなどの懸念があるとの意見がある[8]

出典

  1. ^ 『萌える男』(本田透、筑摩書房、2005年) 143ページ ISBN 4-480-06271-8
  2. ^ 『萌える男』(本田透、筑摩書房、2005年) 151ページ ISBN 4-480-06271-8
  3. ^ 『萌える男』(本田透、筑摩書房、2005年) 147ページ ISBN 4-480-06271-8
  4. ^ 『社会学講義』(橋爪大三郎、佐藤郁哉、吉見俊哉、大澤真幸、若林幹夫、野田潤著、筑摩書房、2016年) 206、211ページ(野田潤による執筆部分) ISBN 978-4-480-06898-9
  5. ^ 『社会学講義』(橋爪大三郎、佐藤郁哉、吉見俊哉、大澤真幸、若林幹夫、野田潤著、筑摩書房、2016年) 200、201ページ(野田潤による執筆部分) ISBN 978-4-480-06898-9
  6. ^ 根拠欠く教科書 どう評価?悩む先生 教科になった道徳:朝日新聞デジタル(2018年10月8日)2021年8月8日閲覧
  7. ^ 【特別の教科 道徳編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説、p.56
  8. ^ 道徳の必修化はいじめ増加を招く | 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス | ダイヤモンド・オンライン(2015年2月18日)2021年8月8日閲覧

関連項目

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