株式会社太平洋クラブ(たいへいようクラブ、英: Taiheiyo club Corporation)は、東京都千代田区に本社を置くゴルフ場・リゾート開発会社。
概要
平和相互銀行の創業者である小宮山英蔵が全国に27のゴルフ場チェーンをつくるとの構想に基づき1971年に設立[2]。
直営コース8か所、関連会社の太平洋アソシエイツ運営コース2か所、太平洋クラブ&アソシエイツの共同経営コース7か所の、合計17か所の会員制リゾート型ゴルフコースを展開している他、パブリックコース(一般利用可)のラ・ヴィスタ・ゴルフリゾート(千葉県)とも提携している。またアメリカ合衆国のペブルビーチ・ゴルフアカデミーと提携して、将来の有望なゴルファーを育成する組織「太平洋クラブゴルフアカデミー」も行っている。
1972年、経営難のプロ野球球団・西鉄ライオンズを買収した福岡野球のメインスポンサーとなり、球団名を太平洋クラブ・ライオンズに変更したが、1976年をもってメインスポンサーからは撤退した[注 1]。
平和相互銀行事件が発覚後、太平洋クラブは住友銀行管理下のゴルフ場として運営され、2007年に東急不動産と資本業務提携を締結。新たに、東急不動産、三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループ本社が共同で設立した投資会社、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズなどと共に、持株会社・太平洋クラブホールディングスを設立し、太平洋クラブはその傘下に入った[3]。
だが、その後、土地買収を含めた設備投資に伴う金融債務の負担に加え、法人客の減少・客単価の下落などゴルフ事業の環境悪化によって、資金不足に陥り、2012年1月23日、同社および子会社計7社は民事再生法の適用を東京地方裁判所に申し立てた[4](負債額1260億円)。同年7月、太平洋クラブは東京地裁に再生計画案を提出した。しかし、一部会員から再生計画案への反対が起こり、会員を中心とした債権者有志で再建を目指すとして、同9月28日に会社更生法の適用を申し立てた。これを受け、東京地裁も同10月3日に再生手続き廃止決定。こののち太平洋クラブ側も会社更生法の適用を申請。同10月31日に東京地裁は更生手続き開始を認め、永沢徹弁護士が管財人に選任された。
2013年5月に太平洋クラブは、パチンコ店最大手のマルハンとスポンサー契約を締結した[5]。この方針によって、太平洋クラブが新たに発行する株式をマルハンが引き受け、その資金で会員への預託金の一部返還を行うほか、別途提供される資金で設備投資などを進めるとした[6]。
毎年11月に「三井住友VISA太平洋マスターズ」を三井住友カードおよびTBSと共催しており、同社御殿場コースで開催されている[7]。上述の通り2012年に民事再生法を申請したことにより、一時共催から撤退した[注 2]が、2016年に復帰した[8]。
運営ゴルフコース
2022年12月現在、全18コースを運営している[9](市区町村コード順で記載)
- 札幌コース:北海道石狩市厚田区聚富242
- 1974年5月23日開場。冬季休業。らいらっくコース・すずらんコース・はまなすコース各9ホール設置。
- コース設計:鹿島建設
- コース改造:本間典雄
- コース面積:1,220,000㎡
- コース:27ホール(10,597ヤード/パー 108)
- 白河リゾート:福島県岩瀬郡天栄村田良尾芝草1
- 1974年5月29日開場。ホテル・オートキャンプ場併設。冬季休業。
- コース設計:発知朗
- コース改造:本間典雄
- コース面積:820,000㎡
- コース:18ホール(6,777ヤード/パー72)
- 美野里コース:茨城県小美玉市三箇952
- 1993年10月15日開場。
- コース設計:倉上俊治
- コース改造:本間典雄
- コース面積:800,000㎡
- コース:18ホール(6,946ヤード/パー72)
- 大洗シャーウッドコース:茨城県東茨城郡大洗町成田町3137
- 2001年6月2日開場。
- コース設計:小林光昭
- コース改造:本間典雄
- コース面積:900,000㎡
- コース:18ホール(6,506ヤード/パー72)
- 佐野ヒルクレストコース:栃木県佐野市船越町2854
- 1990年9月11日開場。
- 監修:Desmond Muirhead
- コース設計:本橋榮一
- コース改造:本間典雄
- コース面積:2,100,000㎡
- コース:18ホール(7,045ヤード/パー72)
- 益子PGAコース:栃木県芳賀郡益子町七井3302−1
- 1976年9月15日開場。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース面積:710,000㎡
- コース:18ホール(7,005ヤード/パー71)
- 高崎コース:群馬県安中市上後閑477
- 1976年4月8日開場。
- コース設計:加藤俊輔
- コース改造:本間典雄
- コース面積:1,310,000㎡
- コース:18ホール(6,229ヤード/パー72)
- 軽井沢リゾート:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢2032−279
- 1975年7月20日開場。浅間コース・白樺コース各18ホール設置。ホテル併設。冬季休業。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース面積:1,620,000㎡
- コース:36ホール
- 浅間コース18ホール(6,941ヤード/パー72)
- 白樺コース18ホール(6,531ヤード/パー72)
- 江南コース:埼玉県熊谷市千代985
- 2002年4月4日開場。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース面積:1,060,000㎡
- コース:18ホール(7,070ヤード/パー72)
- 成田コース:千葉県成田市川栗240
- 1999年10月2日開場。
- コース設計・Gary Player
- コース改造:本間典雄
- コース面積:980,700㎡
- コース:18ホール(6,581ヤード/パー72)
- 市原コース:千葉県市原市奥野151
- 1984年10月9日開場。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース面積:1,230,000㎡
- コース:18ホール(6,842ヤード/パー72)
- 八千代コース:千葉県八千代市米本2834
- 1961年9月15日、『八千代ゴルフクラブ』として開場。
- 2019年8月1日、経営権をユニゾ不動産より譲渡され、2020年4月4日より『太平洋クラブ八千代コース』としてリニューアルオープン[10]。
- コース原設計:安田幸吉
- コース改修:嶋村唯史
- コース面積:660,000㎡
- コース:18ホール(6,251ヤード/パー72)
- 相模コース:神奈川県秦野市柳川大峯771-1
- 1977年9月9日開場。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース面積:1,050,000㎡
- コース:18ホール(6,393ヤード/パー72)
- 御殿場コース:静岡県御殿場市板妻941−1
- 1972年4月26日開場。
- 2018年コース改修。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース改修設計:Rees Jones
- コース改修監修:松山英樹
- コース面積:910,000㎡
- コース:18ホール(7,327ヤード/パー72)
- 御殿場WEST :静岡県御殿場市印野1044−1
- 1998年4月15日開場。ホテル併設。
- コース設計・改造:加藤俊輔
- コース面積:916,600㎡
- コース:18ホール(6,496ヤード/パー72)
- 宝塚コース:兵庫県宝塚市芝辻新田字花折7−2
- 2001年9月12日開場。
- コース設計・加藤福一
- コース改造・本間典雄
- コース面積:1,480,000㎡
- コース:18ホール(6,823ヤード/パー72)
- 有馬コース:兵庫県三木市吉川町奥谷114−8
- 1977年4月27日開場。
- コース設計:富澤 誠造
- コース改造:本間 典雄
- コース面積:890,000㎡
- コース:18ホール(6,505ヤード/パー72)
- 六甲コース:兵庫県三木市吉川町水上1582−1
- 1977年4月27日開場。
- コース設計:富澤誠造
- コース改造:本間典雄
- コース面積:890,000㎡
- コース:18ホール(7,067ヤード/パー72)
脚注
注
- ^ ただし、メインスポンサーがクラウンガスライターに変更された1977・78年も、ユニフォームスポンサーとしてロゴを入れていた。なおクラウンガスライターの会長は太平洋クラブ同様に小宮山英蔵である。また2010年に「ライオンズ・クラシック」において太平洋時代のユニフォームが復刻された。
- ^ ただし、大会名は現状維持、会場も引き続き御殿場コースを使用している。
出典
参考文献
外部リンク