外山滋比古
外山 滋比古(とやま しげひこ、1923年11月3日 - 2020年7月30日[1])は、日本の英文学者[2]、言語学者、評論家、エッセイスト。文学博士。お茶の水女子大学名誉教授[2]。全日本家庭教育研究会元総裁。 東京文理大英文科卒。専門の英文学にとどまらず、言語学・修辞学・教育学などを広範に研究。言葉のまとまった意味は、視覚に認められる現象と同じような作用によると考えた『修辞的残像』(1961年)を出発点として、日本語の論理、読者論などに新説を出し続けた。『シェイクスピアと近代』(1977年)では、読者論を実践的に示した。また、『異本論』(1978年)、『古典論』(2001年)などでは、従来否定的に扱われてきた異本の積極的な機能を再評価した。 略歴1941年愛知県第八中学校(現愛知県立刈谷高等学校)卒業、1944年東京高等師範学校英語科卒業、1947年東京文理科大学(現筑波大学)文学部英文学科卒業。 1951年に『英語青年』の編集長に就任し以後12年間職を務める。ついで『英語文学世界』『月刊ことば』を創刊し編集に携わる。 1956年東京教育大学助教授に就任、1962年『修辞的残像』で文学博士(東京教育大学)。1968年お茶の水女子大学教授に就き、1989年に退職。在任のうち5年間はお茶の水女子大学附属幼稚園長も兼職。同大名誉教授。同年昭和女子大学教授となり、1999年退職。 2020年7月30日7時18分、胆管がんのため、東京都内の病院にて96歳で死去[3]。 活動専門の英文学をはじめ、言語学、修辞学、教育論、意味論、ジャーナリズム論など広範な分野を研究し、多数の評論を発表した。 長年、幼児・子供に対する「ことばによる情操教育・知育の重要性」を提唱してきた。 『修辞的残像』、『近代読者論』で文学における読者方法論を説き、『シェイクスピアと近代』で発展的実践を示した。 また、従来否定的に扱われてきた異本の意義に着目し、その積極的機能を考察し「異本論」から「古典論」へと進展させた。 その他、日本語に関する著書『日本語の論理』や俳句に関する著書『省略の文学』『俳句的』などの評論を多数発表した。 「今日に至るまで外国の土は踏んでいない。」という[4]。 1983年の著書『思考の整理学』はロングセラーとなった[2]。2000年代にも東大生や京大生に読まれる本として話題となり、文庫版は124刷、253万部に達した[2]。90歳代になっても知的好奇心を失わない生き方でも注目を集めた[2]。 著書単著
編著・共著
著作集
翻訳
脚注 |