四月怪談
『四月怪談』(しがつかいだん)は、大島弓子の日本の短編少女漫画作品。およびそれを中心とした作品集。表題作は主婦之友社『ギャルズライフ』1979年6月号に掲載された。 大島自身が実際に見たという幽霊と遊ぶ夢が元になって生まれた作品[1][2]である。 あらすじ高校生の国下初子は登校途中、工事現場の落下物に当たって死んでしまう。初子の霊は岩井弦之丞という青年の霊と出会い、今なら間に合うから早く肉体に戻って生き返れと忠告されるが、自由に空間を浮遊し、どこにでも行けることの心地よさを知った初子はになかなか現世に戻ろうとしない。百年も前に死に、奇跡的に自分の肉体が見つかって生き返ることを願いながら過ごしている弦之丞は、葬儀の前に初子の霊を肉体に戻さなければと気が気でない。 一方初子は、生きていたときには行けなかった場所を次々に訪れるが、霊になってしまった彼女を誰も感知することはできず、自分から他者に働きかけることもできないので次第につまらなくなってくる。唯一の例外は霊感があると自称していた同級生の夏山登で、初子が彼の部屋に入り込むと、いつの間に来たのかと驚きはするものの普通に会話を交わす。初子は真実を告げられないまま夏山の家を去る。電話で初子の死を知らされ、彼女は今俺の部屋にいると笑い飛ばした夏山だったが、部屋に戻ると誰もいない。 初子は想いを寄せていた津田沼が、クラス委員長である少女の告白を受け、その想いに応えているのを見てショックを受ける。そして初子は子供の頃に大好きだったレンゲ畑に行ってみたが、そこは更地になっていた。すっかり生き返る気力をなくした初子を弦之丞は葬儀の場へと引っ張っていくが、初子は自分の体をあげるからあなたが生き返ればいいと言い始め、弦之丞と激しい口論になる。ところが、初子の棺の蓋が閉じられ、いよいよ火葬されそうになったそのとき、夏山がレンゲの花束を持って現れ、初子が好きだったこの花を入れてやりたいから棺を開けてくれと頼む。それを聞いた初子の母親も泣き叫びながら頼み始め、火葬場の職員が仕方なく棺の蓋を開けたその瞬間、母や夏山の姿に何かを感じた初子の霊は弦之丞の霊の手を引いて一緒に肉体に戻り、棺の中の初子は目を開くのだった。 登場人物
同時収録作品(GLコミックス版)おりしも そのときチャイコフスキーが
雛菊物語
アポストロフィーS→詳細は「アポストロフィーS」を参照
同時収録作品(サンコミックス版)快速帆船
ノン・レガート
ダリアの帯→詳細は「ダリアの帯」を参照
単行本
映画版
小中和哉の監督作品であり、初の35mmフィルム作品である[3]。主演は中嶋朋子と柳葉敏郎。 日本ビクターがVHD(ビデオディスク)の普及の一環のため、他のメディアでは視聴できないVHDオリジナル作品として制作した。制作費は6000万円[4]。 テアトル新宿にて単館上映された。青春を中心テーマに据えたファンタジー映画である。2008年現在は特撮映画監督としての活動が中心となっている小中和哉の初期作だが、小中のデビュー作が『星空のむこうの国』というファンタジー物であったことを含め、小中自身の「ファンタジー志向」をうかがい知ることができる一作である。また本作では小中自身も端役としてカメオ出演しているほか、アニメーターとして板野一郎が参加している。 1991年7月に日本テレビ「月曜映画」で、本作に出演した柳葉敏郎が声優をつとめた「おもひでぽろぽろ」上映宣伝の一環として唯一のテレビ放送がされた。上映時に徳間書店からアニメージュ文庫として本作のフィルムを1コマずつスチールにし、台詞をシナリオ形式で画面の横に掲載した形で発売された。 映画版ストーリー高校生の国下初子は、下校中に立ち寄った廃工場で、落下してきた鉄骨に当たりそうになったはずみで幽霊になってしまう。姿が見えないことや瞬間移動の能力を面白がる初子は、先輩幽霊である弦之丞の「早く自分の体に戻るように」という忠告にもなかなか耳を貸そうとしない。初恋の人にフラれたショックで初子は自暴自棄になり「生き返らない!」と自棄になってしまう…… スタッフ
キャスト
脚注
外部リンク |