和歌山大学前駅
和歌山大学前駅(わかやまだいがくまええき)は、和歌山県和歌山市ふじと台[5]にある、南海電気鉄道南海本線の駅 [2]。駅番号はNK43。 和歌山県や和歌山市などからの請願駅であり、南海電気鉄道では貴志川線(現・和歌山電鐵)の交通センター前駅以来13年ぶり[6]、南海本線では新今宮駅以来46年ぶりの新駅である。 開業時より急行・区間急行・普通の各列車が停車する[2]が、2014年(平成26年)10月18日からは、特急「サザン」も停車駅に加わった[7][8](後述)。 概要駅名の通り和歌山大学の最寄り駅であり[2]、また和歌山市北部のニュータウン「ふじと台」の最寄り駅でもある[6]。そのため、当駅には「ふじと台」の副名称が付与されており[9]、車内の案内放送でも「次は、和歌山大学前ふじと台です。」と案内される。 新駅設置この新駅は、1977年(昭和52年)、和歌山大学が貴志地区の丘陵地にある当地への移転を決定し[10]、そのことがきっかけとなって、1984年(昭和59年)、和歌山県や和歌山市および和歌山大学が設置を要望したことが始まりである[11]。 南海電鉄が費用を負担しない請願駅とすることで計画を進めていたが、1998年(平成10年)に当時の事業推進の中核を担っていた会社が会社更生法を適用申請したことからいったん頓挫することになった[12]。 建設費約30億円のうちおよそ3分の1を「和歌山市和歌山大学前駅周辺土地区画整理組合」(ふじと台の建設主体である浅井建設グループが主になって結成)が負担、残り3分の2のうち45%は国の補助を受け、55%を和歌山県と和歌山市が等分に負担するという計画の概要が2007年(平成19年)1月12日に和歌山県から発表された[4]。これに基づいて同年3月25日に起工式を行い、着工した[12]。 当初の構想での設置予定箇所が駅の設置基準を満たしていなかったことから、カーブや勾配を緩和した新線を約1.2㎞敷設してその中に駅を新設することになった[13]。 最終的な事業費は設計料込みで約35億円に達し、そのうち国が約10億円を交付金の形で支給し、和歌山県と和歌山市が各々約5億円の補助金を負担し、総額約20億円の補助が事業者となった「和歌山市和歌山大学前駅周辺土地区画整理組合」に支給されている[13]。 開業後イオンモール和歌山が駅前に開業したことに伴い、2014年3月16日から、土曜・休日のみ区間急行の延長運転(みさき公園発着を和歌山市発着に変更)を行った[14]。5月6日に終了する予定であったが、この期間中の土曜・休日の1日平均乗降客数が7倍の約1万人へ大幅に増加したため、後述のダイヤ変更まで継続された[14]。この間の土曜・休日の日中は一部時間帯を除き1時間に4本の停車が確保されていた。 2014年10月18日のダイヤ変更で特急サザンが新たに停車し、全列車停車駅へ昇格した[8]。同時に日中の普通電車も増発(1時間に2本→4本)され、同時間帯の停車本数が6本へ増加した。 歴史
駅構造2面2線の相対式ホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有する[4]。ホーム有効長は175mで[4]、8両編成に対応する[19]。 高低差のある地形のため、改札口のある橋上駅舎は東側の地表と同じ高さにあり、線路の東西を結ぶ自由通路を兼ねている[20]。 ホームの照明にLEDを使用、液晶ディスプレイの発車標を設置、乗車位置を○印(4扉)と△印(2扉)で表示など、南海電鉄としては先進的な設備が取り入れられた。待合室は両ホームにあるが、指定席自動券売機は上りホームにのみ設置されている。 のりば
利用状況2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は9,174人で、南海の駅(100駅)では29位である[22]。 各年度の1日平均乗降・乗降人員数は下表のとおり。
2007年当時の計画段階では約6,000人の乗降客数を見込んでいた[4]が、開業当初は未達であった。しかし、イオンモール和歌山の開業が影響し、2014年度上半期には約7,800人[34]まで増加した。 駅周辺駅の周辺は新駅設置と一体的に整備されている。東口・西口ともにロータリーがあり、バスターミナル、タクシー待機場、駐輪場および有料駐車場が設けられている[20]。 駅東側には、地域最大級の商業施設であるイオンモール和歌山があり、駅ビル3階とペデストリアンデッキで連絡している。副駅名である住宅地ふじと台は駅の南東に広がっており、和歌山大学までは徒歩20分もしくは直行シャトルバスで4分の距離がある。 駅西側は、山裾を走る和歌山県道752号和歌山阪南線に面している。 特急サザンは和歌山市駅で加太線と概ね接続しているが、加太行き最終電車の発車時刻が早いことに加え、ラッシュ時には和歌山市駅で加太線との接続がない急行もあること、和歌山市駅を経由するよりも距離的に当駅まで二輪車(駐輪場無料)や自家用車送迎で向かう方が速いことなどから、八幡前駅・中松江駅周辺の住民が利用することも多い。 バス路線
東口出発で運行される循環型のコミュニティバス
隣の駅
脚注
関連項目外部リンク
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