副乳
副乳(ふくにゅう、英: accessory mamma, accessory nipple, 独: Polymastie, Hypermastie, 仏: mamelon accessoire, 羅: polythelia)は、通常の1対の乳房のほかに発生する過剰の乳房[1]。多乳頭(たにゅうとう)ともいう [2]。 概要発生学受精後第7週、乳腺堤という上皮性の肥厚が発生するが、通常ヒトでは胸部の主乳部を残して消失する。ところが、胎芽期の終わりに主乳のミニチュアのようなものが10対程度残存しており、これが完全には退化しなかったものとされる[2]。 人類は進化の過程で乳房の数を2個に減らしたが、昔の名残が表に出てしまったものと考えられる[3]。 解剖学・生理学体毛が部分的に変色しているだけの物から乳腺を持つものまで、8種類に分類される[4]。授乳期の女性は副乳から薄い乳汁を分泌することもある[5]。
pseudomammaは足(foot)のような乳腺堤から遠い場所にも発生する[7]。 疫学・統計学日本人の副乳の発生率であるが、研究者によって異なる数値が報告されている。一例として未産婦3.1%、経産婦6.2%、妊産婦15%。別の研究者によれば男子4000人中145人(3.6%)に副乳がみとめられた[8]。 副乳は僧帽弁逸脱症のマーカーになり得るという報告がある[9]。また、結核との関連がないか研究されたことがある[10]。 病理学副乳から線維腺腫[11]、乳癌[12]、葉状腫瘍[13]などの病変が発生することがある。 臨床副乳は、一般に他の奇形や発達遅滞を伴うことはない。ただし、美容上の見地からこれを切除することがある[14]。 症例『五雑俎』という中国の書には、周の文王には4つの乳があったとする説を載せている[15]。また、17世紀のイングランドで魔女狩りを推進していたマシュー・ホプキンスは副乳を魔女の証としてあげていたと言う[16]。 現代日本では熊田曜子、hitomi[17]、福田萌[18]らが副乳を持つことが知られている。 なおお笑い芸人の赤阪侑子(アルミカン)もラジオ番組内[19]で副乳がある事を公表している。 出典
関連項目
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