冒険王 (漫画雑誌)
『冒険王』(ぼうけんおう)は、1949年から1983年にかけて秋田書店が発刊していた月刊漫画雑誌。1970年代に児童向けテレビまんが誌に路線変更した。 ここでは、1966年から1974年に発刊していた『別冊冒険王(映画テレビマガジン)』と、本誌が1983年に改名した『TVアニメマガジン』についても記述する。 概要
1949年に『少年少女冐險王』の誌名で創刊[1]。『少年クラブ』、『少年画報』、『少年』の競合誌として、戦後の子供向け漫画雑誌の一時代を築いた。増刊号として刊行された『漫画王』は兄弟誌として独立した。 その誌名の通り、冒険ものの作品を多く掲載し、初期には誌名のサブタイトルに『痛快・漫画と読物』とあるよう、漫画に限らず小説も連載されていた。 1956年2月号から『冒険王』に誌名変更。 1960年代後半、週刊誌の台頭で競合誌の休刊が相次ぎ、漫画のラインナップ面で試行錯誤を続ける中、秋田書店自身ももう一つの月刊漫画雑誌『月刊少年チャンピオン[注釈 1]』を創刊。そして1971年12月に講談社が新たに創刊した『テレビマガジン』の影響を受け、特撮・アニメ作品の大挙掲載を開始する[2][1]。しかし、漫画誌としての側面は失われておらず[1]、特撮・アニメ作品とのバランスをとることで『テレビランド』、『てれびくん』といった後続の競合誌との差別化を図った[2]。またこの時期には、芸能関連やバラエティ番組の人気キャラクター、スポーツ選手などの記事にも他誌より力を入れた。 1970年代前半には定期別冊で『映画テレビマガジン』が刊行されていた。 テレビアニメとのコミカライズとしては、アニメ版監督・設定デザイン者の松本零士自身による『宇宙戦艦ヤマト』の連載[注釈 2]、また『機動戦士ガンダム』のコミカライズなどがある。後の視点から振り返れば一大アニメブームを生み出した豪華作品をラインナップしたことになるが、結果としてそれを活かすことができず、『宇宙戦艦ヤマト』については、松本にとってアニメの設定制作と並行しつつテレビ放映と歩調を合わせることが難しく、「ダイジェスト版になってしまった」とのコメントを残す結果となっている[注釈 3]。『宇宙戦艦ヤマト2』[注釈 4]に至ってはテレビ放映が終了してなお連載を継続したものの(松本零士が映画『銀河鉄道999』の制作に注力するためにたびたび休載したあげく[注釈 5])、物語が中盤までしか進んでいないまま未完で連載中断に終わっており、『宇宙戦艦ヤマトIII』では他の漫画家が作画を行うこととなった。 1978 - 79年には創刊30周年を迎えるにあたり、漫画雑誌としての原点回帰を図ったこともあったが、この時期に新たに創刊された『コロコロコミック』にも部数面で追い抜かれることになる。やがてオリジナル漫画の規模を縮小していき、『テレビマガジン』『てれびくん』『テレビランド』と同様の誌面内容にシフトし、1982年からは表紙に「テレビと映画のチャンピオン」という副題がつけられた。この時期は西武ライオンズや榊原郁恵、松本伊代、イモ欽トリオなどのアイドルの記事が掲載されるも、売れ行きは低迷の一途をたどり、結局1983年4月号を最後に誌名を『TVアニメマガジン』に改めての再出発となった。 掲載作品一覧
※漫画作品から特撮・アニメ・児童向けドラマとして映像化された作品に関しては漫画作品扱いとする。 漫画作品
ほか 特撮作品
アニメ作品
ドラマ
その他
別冊冒険王『別冊冒険王』は、1966年から1974年にかけて秋田書店が発刊していた漫画雑誌。 1966年に『冒険王』の別冊の季刊誌として創刊。1972年夏季号から児童向けテレビ漫画誌に路線変更し、副表題『映画テレビマガジン』が付くようになった[2][1]。1973年4月号から月刊化し、児童向けテレビ雑誌として初めてB5ワイド判型となった[2][1]。オイルショックの影響により、1974年2月号にて休刊[2][1]。 誌面リニューアルについて当時編集長を務めていた成田清美は、『冒険王』本誌の漫画雑誌としての体裁を保つため、『別冊』をグラビア主体とすることで差別化を図ったとしている[1]。 『映画テレビマガジン』の名は、のちにアニメのムックに使われた。 TVアニメマガジン『冒険王』は、1983年5月号にて誌名を『TVアニメマガジン』に変更した[1]。誌面のサイズは『冒険王』のB5サイズからABサイズに変更された。だが、競合誌の『テレビマガジン』に酷似した誌名や、売れ行きの悪さから、翌1984年1月号から早くも誌名ロゴを変更、サイズをB5に戻す。しかし状況を立て直すことはできず、1984年6月号を最後に休刊が決定[2]。発行年数は『冒険王』時代を含め35年であった。 掲載作品一覧(TVアニメマガジン)特撮作品(TVアニメマガジン)
アニメ作品(TVアニメマガジン)
その他脚注注釈
出典参考文献
関連項目 |