体操競技の技名一覧 (たいそうきょうぎのわざめいいちらん)は、体操競技 における固有名の技の一覧である。
解説
体操競技の技名の多くは、最初に国際大会で成功させた選手の名字からつけられている。ただし同姓の別人の場合は、ヒロユキカトウ(平行棒)のように名前まで使う(東洋系の選手に多い)。
現在では、技の難度はA難度からJ難度まであり、跳馬に限っては難度ではなく価値点が定められている。同じ技でも、慣性モーメントの関係で回転半径が大きいほど回りにくくなるため、かかえ込み<屈身<伸身の順に難度が高くなる(開脚は基本的に屈身と同等の難度)。また前後の技との組み合わせによっても難度が変化する。一方、危険性の高い技は事故防止のため採点表から削除され、事実上の禁止を意味する。
以下には固有名(選手に由来)のある技を記述する。難度・種目は多くはFIG のCode of Points 2013[1] [リンク切れ ] (得点表/難度表)に基づく。規則はオリンピックが終わるごとに、4年ごとに改訂されるが、細かい採点のルールはこれより高頻度に変わっている。なお、この他に固有名の付いていない技(倒立・車輪など)も多数存在することは言うまでもない。
同内容であっても、男女それぞれの技として認定されるが、段違い平行棒(女子)や跳馬(男子)では例外もある。同一人物が同種目で複数の技を発表すると、ゲイロードとゲイロード2(鉄棒)のように番号が付加される場合がある。また他種目の技が別の種目に応用されることもある。
慣用的に「○○宙返り」「○○跳び」「○○旋回」、英語の場合「***salto」「***flip」などと呼ばれる場合もあるが、いずれも正式名称ではない。
男子
ゆか(2025ルール対応中)
あん馬
つり輪
跳馬(2025ルール対応済み)
平行棒
鉄棒
女子
跳馬
技名
考案選手
出身国
内容
価値点
アマナール
シモナ・アマナール
ロンダート 後転跳び後方伸身宙返り2回半ひねり (=ユルチェンコ跳び2回半ひねり)
5.8
イワンチェワ
ナタリア・イワンチェワ
ロンダート 1/2ひねり着手前方かかえ込み宙返り
4.2
エフドキモワ
イリーナ・エフドキモワ
前転跳び 前方伸身宙返り
4.6
オメリヤンチク
オクサナ・オメリヤンチク
ロンダート 1/2ひねり着手前方屈身宙返り
4.4
コルブト
オルガ・コルブト
1回ひねり前転跳び 1回ひねり
4.0
キム
ネリー・キム
前転跳び1回半ひねり
3.6
キム
ネリー・キム
抱え込みツカハラ跳び1回ひねり
4.1
キム
ネリー・キム
伸身ツカハラ跳び1回ひねり
4.8
伸身ツカハラ跳び1回半ひねり
5.2
ザモロドチコワ
エレナ・ザモロドチコワ
伸身ツカハラ跳び2回ひねり
5.6
伸身ツカハラ跳び2回半ひねり
6.0
セルベンテ
ベロニカ・セルベンテ
ロンダート 1/2ひねり着手前方抱え込み宙返り1/2回ひねり
5.0
ダビドワ
エレナ・ダビドワ
1回ひねり前転跳び 前方抱え込み宙返り
5.2
チェン・フェイ
程菲
ロンダート 1/2ひねり着手前方伸身宙返り1回半ひねり
6.0
チュソビチナ
オクサナ・チュソビチナ
[ 13]
前転跳び 前方屈身宙返り1回ひねり
5.0
チュソビチナ2
オクサナ・チュソビチナ
前転跳び 前方伸身宙返り1回半ひねり
5.8
ツリシチェワ
リュドミラ・ツリシチェワ
側転跳び1/4ひねり後方かかえ込み宙返り (=ツカハラ跳び)
3.5:抱 3.7:屈
Erika Dungelova
ロンダート 後転跳び後方抱え込み宙返り2回ひねり (=ユルチェンコ跳び2回ひねり)
5.2
バイトワ
スベトラーナ・バイトワ
ロンダート 後転跳び後方伸身宙返り2回ひねり (=伸身ユルチェンコ跳び2回ひねり)
5.4
バイルズ
シモーネ・バイルズ
ロンダート 1/2ひねり着手前方伸身宙返り2回ひねり
6.4
バイルズ2
シモーネ・バイルズ
ロンダート 後転跳び後方屈伸2回宙返り
6.6
プロドノワ
エレナ・プロドノワ
前転とび 前方抱え込み2回宙返り[ 5] (ローチェ)
6.4
ポドコパエワ
リリア・ポドコパエワ
ロンダート 1/2ひねり着手前方屈身宙返り1/2回ひねり
5.2
ホルキナ
スベトラーナ・ホルキナ
ロンダート 1/2ひねり着手前方抱え込み宙返り1回半ひねり
5.4
ムスタフィナ
アリヤ・ムスタフィナ
ロンダートから1/2ひねり前転跳び前方伸身宙返り1回ひねり
5.6
(ヤマシタ)[ 14]
山下治広
屈身倒立転回とび[ 4]
2.6
ユルチェンコ
ナタリア・ユルチェンコ
ロンダート 後転跳び後方抱え込み宙返り
3.3
ルコニ
パトリツィア・ルコニ
ロンダート 後転跳び1回ひねり後方屈身宙返り
4.6
ワン・フイエン
王恵瑩
前転跳び 前方伸身宙返り1/2回ひねり
5.0
段違い平行棒
平均台
ゆか
脚注
^ 男子体操競技情報 26 号 - 日本体操協会
^ a b c 「ムーンサルト 」「月面宙返り」とも呼ばれる
^ エレナ・ムヒナ (ソビエト連邦)がこの技の練習中に首を骨折し重大な身体障害を負ったため、女子には危険な技として禁止されている。男子のみ2016年まで使用可能だったが、2017年からトーマスを含め全ての宙返り転技が削除された。
^ a b 「ジャックナイフ」とも呼ばれる
^ a b 「三回宙」とも
^ “体操、大久保圭太郎の平行棒での新技を「オオクボ」に 国際体操連盟が命名 ” (2019年12月19日). 2022年3月11日 閲覧。
^ 日本では「タジェダ」とも呼ばれる。
^ 「ホップターン」とも呼ばれる
^ 「コスミック(宇宙遊泳)」とも呼ばれる
^ 後ろ振り倒立ができなかった場合はヤマワキ(C難度)として扱う
^ 後ろ振り倒立ができなかった場合は伸身トカチェフ(D難度)として扱う
^ 「伸身の新月面宙返り」とも呼ばれる
^ a b c チュソビチナは国家崩壊・移住などのため、ソ連 →ウズベキスタン →ドイツ の順に国籍を変更している
^ 難度表には「ヤマシタ」として記載があるものの、末尾の固有名一覧には掲載されていない
^ 「新月面宙返り」とも呼ばれる
関連項目
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外部リンク