佐伯 仁志(さえき ひとし、1958年3月2日 - )は、日本の法学者。中央大学大学院法務研究科教授。日本刑法学会理事。専門は刑法、経済刑法、少年法 。愛媛県出身。平野龍一の弟子。
学説
出世作は、神戸大学助教授時代の論文である後掲「被害者の錯誤について」である。既に同じテーマで山中敬一が論文を書いていたが[1]、佐伯はさらに詳細に西ドイツのグンター・アルツト(ドイツ語版)の「法益関係的錯誤理論」を日本に紹介し、日本の判例を分析して注目を集めた。その刑法学説の基本的立場は、師である平野と同じ結果無価値論に立つ。
経歴
著作
- 『刑法1(有斐閣アルマ)』(有斐閣)〔共著〕
- 『判例刑法総論・各論〔第6版〕』(有斐閣、2013年)〔共著〕
- 『理論刑法学の最前線』(岩波書店、2001年)〔共著〕
- 『理論刑法学の最前線Ⅱ』(岩波書店、2006年)〔共著〕
- 『刑法と民法の対話』(有斐閣、2001年)〔共著〕
- 『ケースブック経済刑法〔第3版〕』(有斐閣、2010年)〔共著〕
- 『注釈刑法 第1巻』(有斐閣、2010年)〔共編〕
- 『制裁論』(有斐閣、2009年)
- 『刑法総論の考え方・楽しみ方』(有斐閣、2013年)
- 『刑法事例演習教材〔第2版〕』(有斐閣、2014年)〔共著〕
論文
- 「プライヴァシーと名誉の保護(1)~(4)」(『法学協会雑誌』101巻7、8、9、11号、1984年)
- 「被害者の錯誤について」(『神戸法学年報』1号、1985年)
- 「制裁」『現代の法4』(岩波書店、1998年)
- 「組織犯罪への実体法的対応」(『現代の法6』岩波書店、1998年)
- "The Criminal Law System Facing the Challenge of Organized Crime", International Review of Penal Lawvol.60, No.1-2,1998
- 「少年の権利保障と付添人」(『ジュリスト』1152号、1999年)
著名な門下生
脚注
- ^ 山中敬一「被害者の同意における意思の欠缺」関西大学法学論集33巻3・4・5合併号(1983年)271頁以下
外部リンク