中山美穂のトキメキハイスクール
『中山美穂のトキメキハイスクール』(なかやまみほのトキメキハイスクール)は、任天堂が1987年12月1日に発売したファミリーコンピュータ ディスクシステム用コマンド選択式恋愛アドベンチャーゲームである[5]。正式名称は『アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール』。 アイドルの中山美穂とタイアップした作品で、物語は、舞台となる学校に転入した主人公が中山と出会い恋を実らせていくというもの。当時すでに人気だった中山とゲームで疑似恋愛ができるということで話題となった[7]。 システム「はなす」「とる」などの一般的なコマンド選択のみならず、重要な会話シーンでは表情と台詞を同時に選択して会話を進める。表情は真面目・笑い・悲しみ・怒りの4種類から、台詞は場面ごとに画面に表示される候補の中から選択し、両方が一致していなければゲームオーバーとなる。また、場面によっては喜びの感情を込めた台詞を真顔で言わなければならなかったり、正解であってもゲームオーバーであるかのような展開となったりする。 エンディングは途中の選択肢の選び方によってグッドエンドとベストエンドの2通りに分岐する。
物語トキメキ学園の転入生である主人公は転校初日に学校の廊下で眼鏡をかけた女の子とぶつかり、主人公が大ファンであるスーパーアイドル中山美穂と似ていることに気づく。やがて、主人公はその女の子が本物の中山美穂だと知る。 登場人物
開発任天堂ではトップ主導により『ファミコン少年探偵団』という後の『ファミコン探偵倶楽部』の元となる企画が進行しており、本作のディレクターを担当した坂本賀勇がその企画のゲームデザイン、ストーリーを書いていたところ、スクウェアの社長である宮本雅史から「テレホンアドベンチャー」という電話を用いたアドベンチャーゲームの企画が持ち込まれ、それが元となって製作される事となった[2][12]。スクウェアのみでは資金面に無理があったため、任天堂に企画が持ち込まれたが、坂本が「どうせなら無名の声優さんより、名の通ったアイドルにしませんか」と提案したところ、社長の山内溥の命令で宮本から話を聞いていた岡田智が面白いと感じて採用した[2][13]。 中山美穂を起用した理由は、電通がリストアップした中でスケジュールが押さえられて、今後さらにネームバリューが上がる可能性が高く、かつギャランティがそれほど高くなかったことだった[14]。また、坂本は「僕としては中山さんクラスじゃないと絶対ダメ。妥協するとショボくなるから、と思い切りプッシュしました」と語っている[2]。 開発には途中から『ファイナルファンタジー』の開発を終えた坂口博信などのスタッフが合流し、最終的にはスクウェアの10人ほどのメンバーが任天堂のある京都を訪れて2週間ほど缶詰状態となり開発を終えた[1]。 後年、坂本は「ディスクファクスで応募しようとかイベントも絡んでくるし、タレントさんにも気を使うし。万事うまく仕込めたとは言いづらいですね。本当はこんなこと言っちゃダメですけど。その欲求不満を爆発させる形で作ったのが『ファミコン探偵倶楽部』なんです」と語っている[2]。 なお、本作の開発へのサジェッションに糸井重里が招かれており、糸井がこの機に以前から用意していた企画書を任天堂の宮本茂に見せたことで『MOTHER』の開発がスタートすることとなる[15]。 スタッフ
関連商品
反響前述のテレホンサービスでは企画の段階からNTTの協力を取り付けており、プレイヤーが電話番号を間違えても大丈夫な仕組みが用意されていたが、結果的に間違い電話が頻発する事態となった[注釈 1]。このことについて、開発に携わっていた岡田智は2022年の講演の中で「売れすぎて失敗」だったと表現している[14]。 評価
脚注注釈出典
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