ヤギ属 (ヤギぞく、Capra )は、偶蹄目 ウシ科 に属する属 。
分布
アフリカ大陸 北東部、ユーラシア大陸 [ 3] [ 4]
形態
尾はやや長く、尾の下面基部は体毛で被われない裸出部と臭腺がある[ 2] [ 3] 。
雌雄共に鎌状の角があり、一部がカーブする種もいる[ 3] 。角基部の断面は三角形や四角形[ 3] 。眼下部(眼下腺)や後肢内側基部(鼠蹊腺)、蹄の間(蹄間腺)に臭腺がない[ 2] [ 3] 。涙骨 には窪みがない[ 3] 。
オスは下顎に髭状の体毛が伸長する[ 2] [ 3] 。メスは角がより小型で、角の表面が滑らか[ 3] 。乳頭の数は2個[ 3] 。
分類
ターキンBudorcas taxicolor
シロイワヤギOreamnos americanus
バーラルPseudois nayaur
ヒマラヤタールH. jemlahicus
シベリアアイベックスCapra sibirica
ヌビアアイベックスC. nubiana
スペインアイベックスC. pyrenaica
アルプスアイベックスC. ibex
カフカスアイベックスC. caucasica
ヤギC. hircus
マーコールC. falconeri
(Hassanina et al., 2012)よりミトコンドリアDNAのシトクロムb とCOI遺伝子の塩基配列を決定し最大節約法 で推定した系統図を抜粋[ 5]
以下の分類・英名はMSW3(Grabb, 2005)を基に、和名は今泉(1988)に従う[ 1] [ 3] 。カフカスツールはMSW3ではカフカスアイベックスの亜種として扱っているが、IUCNでは独立種として扱っているためひとまず本項でもそれに従う[ 6] 。
生態
高山、断崖、草原、森林などに生息する[ 3] 。大規模な群れを形成して生活する[ 2] 。オスは体に尿をかけるため、臭いを発する[ 2] 。
食性は植物食で、木の葉や枝、草 を食べる[ 3] [ 4] 。
繁殖形態は胎生。1回に主に2頭の幼獣を産む[ 2] 。
人間との関係
パサン が家畜化され、ヤギ になったと考えられている[ 2] [ 3] [ 4] 。
開発や放牧による生息地の破壊、家畜との競合や交雑、角目的の乱獲などにより生息数が減少している種もいる[ 4] [ 8] 。
画像
参考文献
^ a b c Peter Grubb, "Capra ". Mammal Species of the World , (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, pp.700-703
^ a b c d e f g h 今泉吉典 監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社 、1986年、147、149頁。
^ a b c d e f g h i j k l m n o 今泉吉典 「ヤギ属」『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1988年、102-109頁。
^ a b c d e f g h i 小原秀雄 「カフカスアイベックス」「カフカスツール」「ヌビアアイベックス」「パサン」「マーコール」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社 、2000年、36-39、41、157-159頁。
^ Alexandre Hassanina, Frederic Delsucc, Anne Ropiquetd, Catrin Hammere, Bettine Jansen van Vuuren, Conrad Matthee, Manuel Ruiz-Garciag, Franc ois Catzeflisc, Veronika Areskough, Trung Thanh Nguyena, Arnaud Couloux, "Pattern and timing of diversification of Cetartiodactyla (Mammalia, Laurasiatheria), as revealed by a comprehensive analysis of mitochondrial genomes ," Comptes Rendus Biologies , Volume. 335, Issue. 1, 2012, pp. 32-50.
^ Weinberg, P. 2008. Capra cylindricornis . The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T3795A10088954. doi :10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T3795A10088954.en , Downloaded on 11 October 2015.
^ Bulletin of Zoological Nomenclature, "International Commission on Zoological Nomenclature, Opinion 2027 (Case 3010). Usage of 17 specific names based on wild species which are predated or contemporary with those based on domestic animals (Lepidoptera, Osteichthyes, Mammalia): conserved," Bulletin of Zoological Nomenclature , Volume 60, 2003, pp. 81-84.
^ a b 小原秀雄 「ワリアアイベックス」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、167頁。
関連項目
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