マゼランチドリ(マゼラン千鳥、Magellanic Plover、Pluvianellus socialis)は、鳥類チドリ目マゼランチドリ科 Pluvianellidae の唯一の属マゼランチドリ属 Pluvianellus の唯一の種である。
系統と分類
サヤハシチドリ科 Chionididae と姉妹群である[2][3]。
以前はチドリ科 Charadriidae に分類されてきたが、生態は特異であり、分子系統により系統的に離れていることが判明したため新科に分離された。
Sibley分類では、チドリ下目(ほぼチドリ目に相当)チドリ小目サヤハシチドリ上科に、サヤハシチドリ科と共に属していた。
分布
南米大陸の、主にアルゼンチン・チリの北部に生息する。
形態
体長約19-22センチメートル。喉と腹が白く、嘴は黒い。足はピンク色。[4]
生態
総数が1000にも満たないと言われるほどに個体数が少ない[5]。
淡水または汽水域の浅瀬に巣を作り、岸辺に沿った300-500メートルの帯状のなわばりを持つ[5]。足で地面を引っ掻いて餌を探す[4]。
長距離の渡りはしない。
繁殖形態は卵生。灰色の卵を2個産み、雌雄で協力して抱卵する。他のチドリ科とは異なり雛には親鳥が嘴で反芻した食べ物を与える[4][5]。
出典
- ^ BirdLife International (2006). "Pluvianellus socialis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2006. International Union for Conservation of Nature. 2006年5月11日閲覧。 Database entry includes a range map and a brief justification of why this species is near threatened
- ^ Paton, Tara; Bakera ,Allan J.; Groth, Jeff G. & George F. Barrowclough (2003). “RAG-1 sequences resolve phylogenetic relationships within charadriiform birds”. Molecular Phylogenetics & Evolution 29 (2): 268–278. doi:10.1016/S1055-7903(03)00098-8.
- ^ Baker, Allan J.; Pereira, Sérgio L.; Paton, Tara A. (2007), “Phylogenetic relationships and divergence times of Charadriiformes genera: multigene evidence for the Cretaceous origin of at least 14 clades of shorebirds”, Biol Lett. 3 (2): 205–209, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2375939/
- ^ a b c バードライフ・インターナショナル総監修・山岸哲日本語版総監修『世界鳥類大図鑑』ネコ・パブリッシング,2009,1,30, ISBN 978-4-7770-5242-4
- ^ a b c クリストファー・M・ペリンズ監修・山岸哲日本語版監修『世界鳥類事典』 同朋舎,141頁,1996,12,20, ISBN 4-8104-1153-2
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