フィル・レッシュ
フィル・レッシュ(Phil Lesh, 1940年3月15日 - 2024年10月25日)は、アメリカのベーシスト。ロックバンド、グレイトフル・デッドの結成時からのオリジナルメンバーであり、ベースギターを担当。 略歴本名Phillip Chapman Lesh、1940年3月15日にカリフォルニア州バークレーで生まれる。 フィル・レッシュはカリフォルニア大学在籍時にトム・コンスタンテンに出会う。現代音楽とフリージャズに非常に興味を持っていたレッシュは彼の紹介でイタリアの作曲家、ルチアーノ・ベリオの元で音楽を学び、トランペット奏者としてプロの音楽活動を始める。 大学生の頃、バンジョーを弾くジェリー・ガルシアと出会う。彼らは親交を深め、ガルシアの新しいバンドにベーシストとして加入することになる。そのバンドはワーロックスと呼ばれ、レッシュは3回目か4回目のライブより参加した。 フィル・レッシュはそれまでまったくベースギターを弾いたことがなかったのでそれを学ぶ必要があったが、逆にリズムセクション中でのベースの伝統的な役割にとらわれすぎる事はなかった。どちらかというとロックやソウルのベーシストよりも、バッハの対位法に影響を受けていると語っている。 60年代中頃フィル・レッシュは、ジャック・ブルース、ジョン・エントウィッスルやジャック・カサディらと共にエレクトリックベースの革新者であり、より迫力のある豪華な音が出るよう楽器を改良していった。従来のロックにおけるベースの役割は、曲のタイムラインに沿ったリズムを刻むこと、そしてハーモニーやコードの構造を曲に持たせることだった。フィルはけしてこれらをすべて捨てたわけではないが、曲の中に即興的な面を入れていった。いわゆるこれがサンフランシスコサウンドの特徴と呼ばれた。グレイトフル・デッドのジャム演奏において、フィルのベースはジェリーのギターと同じぐらいにリード楽器であると言える。 フィルはグレイトフル・デッドで多産な作曲家や歌い手ではなかったが、いくつかの楽曲では非常に大きな貢献をしている。「New Potato Caboose」、「Box of Rain」、「Unbroken Chain」、「Pride of Cucamonga」などはバンドのレパートリーの中でとても愛されている。前衛的な音楽に対する彼の関心はデッドに重要な影響を及ぼし、神秘的な面でバンドの要素の一つになっている。デッドヘッズは「フィルがオンになれば、バンドがオンになる!」と当たり前のように言う。 グレイトフル・デッドの解散後フィルは自分自身のバンド、フィル・レッシュ&フレンズを続けながら、グレイトフル・デッドのメンバーとアザー・ワンズ、ザ・デッドの活動を行っている。 フィルと妻のジルは慈善団体(Unbroken Chain Foundation)を運営。 1998年にフィルは慢性のC型肝炎のため肝臓移植を受けた。それ以来臓器提供者プログラムを支持しており、毎回のライブにおいて観客に積極的な臓器提供者になるように奨めている(それらはライブのテープにおいて「ドナー・ラップ」と名付けられている)。 2005年4月、フィル・レッシュの自伝「Searching for the Sound: My Life with the Grateful Dead」が発売される。これはグレイトフル・デッドに関してメンバーによって書かれた初めての本である。 ローリング・ストーン誌が選んだ「史上最高のベーシスト50選」で第11位に選ばれている[1]。 2024年10月25日の朝に死去。84歳没[2]。 ディスコグラフィフィル・レッシュ&フレンズ名義の作品
書籍
脚注
参照
外部リンク |