ビーグル (砲艦)
HMSビーグル(HMS Beagle)は、イギリス海軍のアロー級砲艦で、薩摩藩に売却され乾行と命名された。ビーグルの名前を持つ英国海軍の艦船としては4代目にあたる。 設計クリミア戦争の勃発により、バルト海や黒海の沿岸で行動可能な浅喫水の艦船が求められた。このため、1854年に6隻のアロー級木造スクリュー推進砲艦が製造された。製造はロンドンにあるC.J.メア社およびR & H グリーン社で行われた[1]。元々は通報艦として建造されたが、1856年に2等砲艦に分類された。1855年には、イントレピッド級1等砲艦およびヴィジラント級2等砲艦も発注されている。 エンジンTennant & Dykes社製の2気筒横置き単式膨張式蒸気エンジンは160馬力を発揮し、短軸スクリューを駆動した[1]。 帆走形式武装アロー級には、旋回式の68ポンドランカスター前装施条砲をが門、32ポンド砲が4門搭載された。 建造ビーグルはアロー級の2番艦として、C.J.メア社で1854年4月15日に起工、同年7月20日に進水した。2ヶ月後の9月3日に竣工し、英国海軍の艦船となった[1]。 艦歴1854年から1856年にかけてクリミア戦争に参加。戦争中に乗員2人がヴィクトリア十字章を受章している[2] 。1859年からは東インド・中国艦隊の所属となった。 日本への売却1863年、ビーグルは香港で薩摩藩に売却された。薩摩藩は乾行と命名した。その後帝国海軍に編入され練習艦として使用され、1889年に解体された[3]。 ただし、日本側の記録では、1864年で英国船ストークを購入したとなっているため[4]、 ビーグルはストークと改名、薩摩藩が購入したとしている[5]。 また、造船所がロンドンではなくリヴァプール、竣工が1854年ではなく1859年などの相違がある[4][5]。 参考資料
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