パワーズ・ブース
パワーズ・アレン・ブース(Powers Allen Boothe、1948年6月1日 - 2017年5月14日)は、アメリカ合衆国の俳優、声優。権力者や軍人、政府機関職員や聖職者などを演じることが多い。また、低く太いしゃがれ声が特徴で、その声を活かして声優としても活動している。女優のパリス・ブースは娘。 1980年、『Guyana Tragedy: The Story of Jim Jones』のジム・ジョーンズ役でエミー賞を受賞し[1]、『Deadwood 』のCy Tolliver 役、『トゥームストーン』のカーリー・ビル役、『24 -TWENTY FOUR-』のノア・ダニエルズ副大統領役などで出演し、また『DC animated universe 』の Gorilla Grodd 役の声優業も行っている。ABCのドラマ『ナッシュビル』にも出演していた。 生い立ち1948年(1949年とする資料もある)にアメリカ合衆国テキサス州スカリー郡スナイダーの農家に父メリル・ヴェストル・ブースと母エミリー・キャスリン・リーヴスの間に生まれる[2]。 ロサンゼルスに住み、競走馬クォーターホースを育てていた。サンマルコスのテキサス州立大学(当時の南西テキサス州立大学)に入学し、社交クラブ「Lambda Chi Alpha」に参加し、卒業後ダラスの南メソジスト大学の大学院で1972年に美術学修士号を取得。 キャリア大学を卒業後、レパートリー・シアターのオレゴン・シェイクスピア・フェスティバルに参加し、『ヘンリー四世 第2部』のヘンリー4世役、『トロイラスとクレシダ』などに出演。1974年、リンカーン・センター製作の『リチャード三世』でニューヨークデビュー。5年後、ジェイムス・マクルア作『Lone Star 』独り舞台の主演でブロードウェイデビュー。1977年の『グッバイガール』の端役で映画デビュー。 1980年にCBSで放送されたテレビ映画『Guyana Tragedy: The Story of Jim Jones』で、カルト教団の狂った教祖ジム・ジョーンズ役を演じたことで批評家の賞賛を得て、全米に知られるようになった。『タイム』誌は「驚くべき無類の演技であった。パワーズ・ブースという若い俳優は、カリスマであり悪の『父』であるジム・ジョーンズを見事に演じきった。」と評した。ヘンリー・フォンダ、ジェイソン・ロバーズを抑えてプライムタイム・エミー賞主演男優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)を受賞。1980年秋、映画俳優組合がストライキに入り、彼は第32回プライムタイム・エミー賞のピケラインを越えて出席した唯一の俳優であった[3]。当時彼は「これは私の経歴にとって栄光になるか、汚点になるかのどちらかだ」と語った。 1987年、彼はチャリティ・イベントのセレブリティ・ゴルフ・チャレンジに参加し、490ヤードを飛ばすという記録を打ち出した。ゴールデン・パンプキン賞を受賞したが、スケジュールの都合により直接受賞はできなかった。 1980年代、HBOの『私立探偵フィリップ・マーロウ』で、それまでハンフリー・ボガートをはじめとする有名俳優らが演じて来たフィリップ・マーロウ役に挑戦。また映画『サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出』、『孤高の戦士』、『若き勇者たち』、『エメラルド・フォレスト』、『トゥームストーン』、オリバー・ストーン監督『ニクソン』(大統領首席補佐官アレクサンダー・ヘイグ役)、『サドン・デス』、『Uターン』、『ダブルボーダー』や、HBOの映画『Into The Homeland』、『By Dawn's Early Light』にも出演。1990年、CBSのテレビ映画『Family of Spies』に出演し、アメリカ海軍士官の反逆者ジョン・ウォーカーを演じた。また『トゥームストーン』ではカーリー・ビル役、『ブルースカイ』では陸軍士官(アカデミー賞主演女優賞を獲得したジェシカ・ラングの相手役)を演じている。 2001年、テレビドラマ『Attila』でフン族の人質であった西ローマ帝国末期の将軍フラウィウス・アエティウスを演じた。またHBOの『デッドウッド 〜銃とSEXとワイルドタウン』で売春宿のオーナーCy Tolliver役、映画『シン・シティ』で怪しげなロアーク上院議員役を演じた。2005年のゲーム『Area 51』や、『ジャスティス・リーグ』および『Justice League Unlimited』のテレパシーが使える超悪玉 Gorilla Grodd(ゴリラ・グロッド) の声を担当している。2008年のゲーム『テュロック』でも悪人ケイン役の声を演じている。 『24 -TWENTY FOUR-』にスペシャル・ゲストとしてノア・ダニエルズ副大統領役で出演。第7シーズンの前に放送された『24 リデンプション』で再演。副大統領を演じた直後、『若き勇者たち』でF-15のパイロットを演じ、副大統領専用機エア・フォース2から降りるシーンを演じた。2008年3月、大統領選挙で上院議員のジョン・マケインのテレビでのキャンペーン・コマーシャルのナレーターを務めた[4]。また彼は友人であり仕事仲間でもある俳優のバック・テイラーの西部絵画を含む芸術品のコレクションを趣味にしている。 2012年、ジョス・ウィードン監督の映画『アベンジャーズ』の世界安全保障理事会の1人を演じた。またABCのドラマ『ナッシュビル』にラマー・ワイアット役で出演している。さらにデンマークの IO Interactive により開発されたゲーム『Hitman: Absolution』のキャラクター、ベンジャミン・トラヴィス役で声の出演をしている。 2017年5月14日に急死、寝ている間に自然死したと発表された[5]。 主な出演作品
出典
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