スーパーロボット大戦EX
『スーパーロボット大戦EX』(スーパーロボットたいせんイーエックス)は、1994年3月25日にバンプレストが日本で発売したスーパーファミコン用シミュレーションRPG。 同社の『スーパーロボット大戦シリーズ』第4作目。 概要SDで表現されたロボットたちが競演するクロスオーバー作品『スーパーロボット大戦シリーズ』の第4作目。『第2次スーパーロボット大戦』(以後『第2次』)から続く、シリーズカテゴリの一つである「DC戦争シリーズ」の3作目で、『第3次スーパーロボット大戦』(以後『第3次』)の続編。本作はDC戦争シリーズの中では外伝的位置づけにあり、それまでの参戦作品を知る大人以外の若い世代をターゲットとして製作された[6]。そのため過去作ではゲスト扱いだったバンプレストオリジナル作品『魔装機神サイバスター』がストーリーの中心に据えられ、既存のロボットアニメ作品がゲスト扱いとなっている。本作の舞台は地底世界ラ・ギアスであり、地上世界や宇宙空間は登場しない。 スーパーロボット大戦シリーズで初めて主人公が登場した。主人公は3人おり、全員『魔装機神サイバスター』の登場人物である。本編は主人公ごとに三つの章にわかれており、マサキ(『魔装機神サイバスター』の主人公)の章が27話、リューネ(同作のヒロイン)の章が24話、シュウ(マサキのライバル)の章が16話の、合計67話[† 1]。それぞれの主人公ごとに難易度が表示されており、マサキ→リューネ→シュウの順で難易度が上昇していく。本作ではチュートリアル(トレーニングモード)が実装されており初心者にも配慮した内容になっている。 設定あらすじ
インスペクター事件(『第3次』)が終結後、地球の各地では所属勢力に関係なくロボット兵器とそのパイロットが行方を絶つ事件が頻発する。異世界であるラ・ギアスにおいて戦争を繰り広げていた神聖ラングラン王国とシュテドニアス連合が、自軍の戦力を拡大するために地上人(ラ・ギアスから見た地球人)のロボットを無差別に召喚していたのが原因であった。右も左も分からぬ異世界に呼び出されたロボットパイロット達は、それぞれの事情と思惑でこの戦争に関わることとなる。 後にこの事件は「ラ・ギアス事件」と地球人から呼ばれることとなる。 マサキの章『第3次』の後にラ・ギアスに帰還したマサキのストーリー。難易度は易しい。シュテドニアスの侵攻に対抗し、地上での仲間たちを連れて神聖ラングラン王国のフェイル軍に参加する。3人の主人公の中で登場人物も多くシナリオも一番長い。マサキと『マジンガーZ』の兜甲児との友情が全面に出てくるようになってきたのも今作から。『グレートマジンガー』の鉄也が怪我をしていることで、彼が乗るグレートマジンガーを『UFOロボ グレンダイザー』のマリアが操縦していたり、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のNT-1アレックスが登場せず、そのパイロットのクリスは『機動戦士Ζガンダム』のガンダムMk-II(黒のティターンズカラー)に乗って登場する。なおリューネの章で「めぐりあい」を通過していてもマサキの章には反映されない。 リューネの章『第3次』の後にラ・ギアスに召喚されたリューネのストーリー。難易度は普通。マサキと同じ魔装機神のパイロットの一人であるヤンロンに保護されそのまま神聖ラングラン王国のカークス軍に参加することとなる。3人の主人公の中でISSの影響が一番強く、後半のシナリオも大きく分岐する。『機動戦士ガンダム』の黒い三連星が仲間になったり、シュウと戦ったり、マサキ達と合流したりすることも。(シナリオ担当の阪田雅彦によれば、ISSを使ったリューネのシナリオ[† 2]が正しいルートであるとされている[6])。 シュウの章『第3次』の隠しシナリオで死亡した後、ラ・ギアスにて復活を遂げたシュウのストーリー。難易度は難しい。最初は選択することが出来ず、マサキの章かリューネの章のどちらかをクリアして初めて出現する(代わりにトレーニングモードが無くなる)。マサキやリューネの物語の裏で邪神ヴォルクルス復活のために暗躍するシュウの姿が描かれる。毒舌で欲望の塊である使い魔チカや、変態のサフィーネ、天然ボケのモニカ、無気力な王位継承者テリウス、イスラム教徒で求道者のアハマドなどのキャラクター達が登場。他にも『聖戦士ダンバイン』のバーン・バニングスや『機動戦士Ζガンダム』のジェリド・メサ、ライラ・ミラ・ライラ、カクリコン・カクーラーといった版権作品のライバルキャラクター達が説得で仲間になるのが特徴(『機動戦士Ζガンダム』のクワトロ・バジーナもこの章で登場)。隠しコマンドを使ってスタートした場合は、『第3次』の隠しシナリオでボスを務めたネオ・グランゾンがシュウの乗機となる。さらに、この状態でISSを利用すればネオ・グランゾンをマサキやリューネのシナリオに登場させることができる(ただし、交戦できるのはリューネの章のみ)。 参戦作品★マークはシリーズ初参戦作品。 一覧
解説初参戦は『戦国魔神ゴーショーグン』と『聖戦士ダンバイン』の2作品。『聖戦士ダンバイン』は『第2次』に登場する予定であったがNGになった経緯がある。入れ替わりに『第3次』に登場していた『無敵鋼人ダイターン3』、『超電磁ロボ コン・バトラーV』、『勇者ライディーン』の3作品が外れている。 『戦国魔神ゴーショーグン』の主人公グッドサンダーチームは参入が遅く、各章を行き来している上に使用できる機会が少ない。後にこの扱いが問題となり[7]次作の『第4次スーパーロボット大戦』(以後『第4次』)では序盤から仲間になる。 本作はストーリーの関係上、DC戦争シリーズの常連である『機動戦士ガンダム』のブライト・ノアが登場しない。また、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』はキャラクターのみの登場となる[† 3]。 パッケージ登場機体パッケージイラストは従来の集合絵ではなく空中戦のシーンを描いているため、上記に加え敵ロボットである『魔装機神サイバスター』のギルドーラやバフォームが登場している。 システムここでは、本作特有のシステムや新規追加・変更されたシステムについて解説する。シリーズ共通のシステムについてはスーパーロボット大戦シリーズのシステムを参照。
移植版1999年には『第2次』や『第3次』と共に、『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』としてPlayStationにリメイク移植された。システムを当時最新の『スーパーロボット大戦F』(以後『F』)のものに変更し[† 6]、ゲームバランスも改められている。また各作品は1999年と2000年に単品でも発売された。2011年1月26日にはこの単品版がPlayStation Storeのゲームアーカイブスで配信されている[3]。
スタッフ
評価
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・7・7・7の合計29点(満40点)[9]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、24.3点(満30点)となっている[10]。
プロモーションテレビCMラ・ギアスをバックに3Dグラフィックスで描かれたロボットたちが登場するCM。ナレーションは『機動戦士Ζガンダム』でクワトロ・バジーナ役を務める池田秀一。 関連商品攻略本
ムック
脚注注釈出典
外部リンク |