クリストファー・プリースト
クリストファー・マッケンジー・プリースト(Christopher McKenzie Priest、1943年7月14日 - 2024年2月2日)は、イギリスのSF作家。 経歴と作品チェシャー州に生まれ、16歳でマンチェスターの公立学校を卒業し、ロンドンの会計事務所に勤める。18歳の頃からSFを読み始めて、創作も手がけるようになり、1966年に『SFインパルス』誌に短編「The Run」を発表し作家デビュー、同誌やその姉妹誌『ニュー・ワールズ』に作品が掲載されるようになる。「The Run」は、ジュディス・メリルのアンソロジー『England Swings SF』にも収録され、ニュー・ウェーブの作家の一人と見なされるようになった[1]。 1968年に勤めを辞めて、作家専業となる。1970年に最初の長編『伝授者』を発表、重厚な作風で注目を集める。第二長編『Fugue For a Darkening Island』はジョン・W・キャンベル記念賞にノミネート、1974年に第三長編『逆転世界』で英国SF協会賞を受賞、ヒューゴー賞の候補にもなり、イアン・ワトスンらと共に1970年代のイギリスを代表する新人と言われた[2]。1981年に発表した『The Affirmation』は、SF的なテーマを扱いながら、「よりリアリスティックな設定の中で、全く新しい視点から探求する」(若島正[3])作風になり、主流文学畑でも受け入れられ、1983年、イギリスの文芸雑誌Granta誌の若きイギリス人作家20人に選ばれた。 1981年に作家のリサ・タトルと結婚し、1987年に離婚。1988年に作家のリー・ケネディと再婚し、双子の子供をもうけ、ヘイスティングスに在住。1995年には、未完(未刊行)アンソロジー『最後の危険なビジョン』の編者ハーラン・エリスンを批判するパンフレットを作成し、ヒューゴー賞ノンフィクション部門にノミネートされた。1999年にはデヴィッド・クローネンバーグの映画『イグジステンズ』のノベライゼーション執筆。 作品の多くはSFに分類される。その作品は「信頼できない語り手」を特徴とし、語り、真実、記憶の性質、現実といった事柄に疑問を投げかける。 SFの先駆者であるH・G・ウェルズに強く影響を受けている。2006年には国際H・G・ウェルズ協会(en)の副会長に就任した。 晩年は作家のニーナ・アランと交際しており[4]、2024年2月2日にスコットランドにあるビュート島のロスシーで死去。訃報はアランが発表した[5]。 著作リスト
映像化作品
脚注・出典
外部リンク
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