もうすぐ夜明けABC
『もうすぐ夜明けABC』(もうすぐよあけエービーシー)は、朝日放送(現:朝日放送ラジオ)が、火曜日(月曜深夜)から土曜日(金曜深夜)まで放送していた音楽リクエスト番組。基本として、午前3:00 - 4:15(土曜のみ4:30)に放送枠を設定していた。 原則として生放送で構成されていたが、2009年7月から2013年6月までは、事前に収録した内容を放送。2013年7月から2017年9月までは、この方法で土曜日の深夜(日曜日の未明)にも放送していた。 本項では、実質的に同一番組の扱いとして火曜日(月曜深夜)から土曜日(金曜深夜)までの午前1時から3時まで放送されている(された)、『ABC発午前1時』(エービーシーはつごぜんいちじ)と『夜は、おととも』(よるは、おととも)についても記述する。 概要『もうすぐ夜明けABC』は1983年10月放送開始、『ABC発午前1時』は2008年4月放送開始・2009年7月放送終了。『夜は、おととも』は2014年4月から放送開始。 以上の番組では、時代を超えた懐かしい歌から最新のヒット曲まで、歌謡曲・演歌を中心に楽曲を放送。1名の女性パーソナリティが、日替わりで生放送を進行していた。ただし、平日版の『もうすぐ夜明けABC』後期には、歌謡曲・演歌系の歌手を迎えてのゲストコーナー「夜明けのソファー」(事前収録)を4時前後に放送することがあった。 『もうすぐ夜明けABC』が誕生したのは、『ABCヤングリクエスト』(『ヤンリク』)で長らくプロデューサーを務めた今田昭の発案による。その関係で、歴代の女性パーソナリティには、『ヤンリク』のアシスタント経験者が多かった。1986年9月までは、『ヤンリク』が『もうすぐ夜明け』の前枠で放送されていたため、スタジオを『ヤンリク』と共用していた。 2017年12月30日放送分で、『夜は、おととも』『もうすぐ夜明けABC』とも終了。放送最終週の月曜日であった12月25日には、「さよならイベント」を開催した(詳細後述)。 番組終了時点(2017年12月)の出演者
※2014年3月31日からは、火曜から土曜まで、当番組の前枠で自社制作による音楽番組『夜は、おととも』(『ABC発午前1時』の後継番組)を毎日生放送。当番組の出演者がパーソナリティを兼務していた。 以前の出演者◎:『もうすぐ夜明けABCフォーエバー』にも出演
※『ABC発午前1時』が放送されていた時期(2008年4月 - 2009年7月)は、『ABC発午前1時』『もうすぐ夜明けABC』で同一パーソナリティが引き続いて出演していた。 夜明けが応援する この1曲2006年4月から始まった「もうすぐ夜明けが応援する この1曲 今月の唄」は、これから活躍が注目される歌手や、その月に発売される新曲を1か月間、毎日曲を放送して応援するコーナー。民放FM局がよく展開しているヘヴィー・ローテーション企画と同様の趣旨。 番組最終年であった2017年は、『おはようパーソナリティ道上洋三です』(ABCラジオ平日早朝の生ワイド番組)の放送開始40周年と重なっていたため、道上洋三(パーソナリティ)と吉田詩織(放送時点でのアシスタント)のデュエットによる40周年記念曲「きょうは記念日」が当番組にとって最後(同年12月分)の応援曲になった。 過去の選曲2006年
2007年
番組テーマ曲
番組の歴史放送時間の遍歴
番組初期朝日放送では、1983年10月7日まで、『ヤンリク』を1日の最終番組として編成。基本として、午前3:00で放送を終えていた。しかし、在阪の中波他局が24時間終日放送へ相次いで踏み切ったことを背景に、朝日放送も最後発ながら月 - 土曜日の終日放送を開始。『ヤンリク』本番終了後の放送休止時間帯に『もうすぐ夜明けABC』を編成したうえで、同年10月10日から生放送を始めた。この番組開始当初から、少なくとも終了時間(かつ1日の起点時間)繰り上げがなされた1998年9月までは、番組終了時の4時58分に「1008㎑、朝日放送が大阪からお送りしております。JONR」の局名告知をアナウンスし、1日の放送開始に代えていた。 番組開始当時は、月曜を除く3:00-5:00の放送で、タイトルも『3時です もうすぐ夜明けABC』(さんじです もうすぐよあけエービーシー)。1985年までは明星食品の単独提供番組だった(1985年の何月に降板したかは不明だが、確認できる中では5月から11月までの間)[5]。なお、番組がパーティシペーション(オールスポット)化した後も明星食品は3時台にスポットCMを1本(20秒)のみ提供していた時期があった。 基本的には女性パーソナリティーが番組を担当し、3時台は『ヤンリク』からの流れを継いで最近のヒット曲やアイドルのナンバーを中心に構成。4時台は早朝早起きをするお年寄りなどにターゲットを絞って、演歌や懐メロを中心にリスナーからのリクエストなどで構成した。 1980年代後半は土曜深夜(日曜未明)の放送で、番組唯一の男性パーソナリティーとして尾崎千秋が出演したこともあった。また、一時期(1987年度下半期)は『ABCラジオファンキーズ』が金曜日に限り土曜日午前5時まで放送されたため、土曜日が休止された時代もある。その後、1990年代から2000年代にかけて土曜深夜の放送は廃止されていた。 午前2時開始1998年10月に番組がリニューアルし、放送開始が午前2時になり、午前5時までの3時間の放送になる。番組内容もこれまでのリスナーからのリクエスト、お便りに加え、ゲスト(主に演歌歌手)が登場するコーナー「夜明けのソファー」も新設し、また、同年11月からは金曜日(土曜日未明)に、歌手の島津亜矢が1週間の近況を報告するコーナー「北から南から島津亜矢」もスタートする(2006年3月終了)。 →「ウシミツリクエストABC」も参照
午前2時からの放送になって以後も、早朝番組の雰囲気を出すため、パーソナリティーはまず放送日と曜日をコメントした後、「おはようございます。(パーソナリティーの氏名)です」の挨拶から始めている。 しかし、早朝番組の編成が変わり、番組の後に「ラジオショッピング」が始まり放送時間が午前4時45分までになった。その後、1999年10月からは『毛利千代子のおはようパートナー』が午前5時スタートに繰り上がったため、その前の宗教番組も繰り上がり、同番組は午前4時20分までの放送に大幅縮小された。2004年夏には『ABCラジオショッピング〜早起きはロク文の得〜』の放送時間が拡大され、午前4時15分までの放送になる。 2004年春から2009年9月まで、朝日放送でプロ野球シーズンオフに放送している報道番組『ニュース探偵局』(年度下半期に毎週土曜日放送)の関連コーナー『おはよう!ニュース探偵局』(3:50過ぎから10分程度)も放送していた。『おはよう!ニュース探偵局』は、前週の『ニュース探偵局』で放送したインタビュー内容(25分程度のもの)を5日間に分けて放送している。ただし、通常の『ニュース探偵局』休止時でも、『おはよう!ニュース探偵局』は休止されず独自に放送されていた。しかし、『おはよう!-』は2009年9月に終了となった。 2006年10月29日に『もうすぐ夜明けABCスペシャル〜秋色満載!歌舞台〜』を、2007年1月1日に『初春・もうすぐ夜明けABCスペシャル慶びの歌2007』を出演者全員揃って放送した。 2007年1月9日の週からEメールでのリクエスト・メッセージの受付をようやく開始した。 「ABC発午前1時」開始に伴う事実上の拡大化2008年4月1日からは、『もうすぐ夜明けABC』と同じパーソナリティの担当で、午前1時から午前3時に『ABC発午前1時』を放送した。『もうすぐ夜明けABC』のタイトルでの放送としては、午前3時から午前4時15分の1時間15分に短縮されるが、実質的には『もうすぐ夜明け』の時間枠を1時間拡大・前倒しして、『ABC発午前1時』『もうすぐ夜明けABC』あわせて3時間15分・2部構成の放送(実質的にコンプレックス形式に移行)と位置づけられていた。 2時台には「ミッドナイト寄席」と題して花花寄席で収録した落語、漫才の音源が放送された。金曜のみ「若井みどりのミッドナイト寄席」(同コーナーは録音)として若井みどりが司会を務め、ライブラリーの音源を放送した。 →「ABCヤングリクエスト § コーナー」、および「ウシミツリクエストABC § 番組内のコーナー」も参照
しかし、『ABC発午前1時』は2009年7月4日の放送を最後に終了することになった。『もうすぐ夜明けABC』は従来通り午前3時から午前4時15分で放送されることになったが、『ABC発午前1時』が終了したことで実質的には放送枠が縮小された形になった。同年7月からは、事前に収録した内容を放送するようになったため、生放送中にパーソナリティが伝えていた「ABC交通情報」が廃止された。 「ミッドナイト寄席」は2009年7月以降『もうすぐ夜明けABC』番組内(午前3時台)に組み込まれる形になった。しかし2010年4月の番組改編で「ミッドナイト寄席」のコーナーは終了。『満員御礼!福島一丁目劇場』の中で受け継がれることになった。 生放送・日曜放送の復活2013年には、日曜3時台に実施していたTBSラジオ制作『よしもと下克上』のネット受けを終了したことを機に、7月7日から日曜放送を約20年振りに再開。これを機に、全曜日で生放送が復活した。ただし、日曜の放送枠は1時間で、他の曜日より15分短く設定。さらに、同年の10月改編からは、土曜放送分を4:30にまで拡大している。 以上の改編を機に、全曜日で3時台の後半に「ABCラジオショッピング」を挿入。当日のパーソナリティが商品を紹介する。また、平日版の午前4時前には、当日の「朝日新聞」大阪本社発行版朝刊からパーソナリティが主な記事の概要を2 - 3本紹介。エンディング付近の「ABC天気予報」では、当日の天気予報の原稿を読み上げている。 「夜は、おととも」開始に伴う再拡大2014年3月31日からは、平日に当番組の前枠で『夜は、おととも』を生放送。『ABC発午前1時』を放送していた時期と同様に、パーソナリティが同番組から続いて出演するなど、事実上の2部構成(コンプレックス)を復活させている。 『夜は、おととも』は、「朝日放送のエリアのリスナーに対して『身近な情報とすてきな音楽』を送る」というコンセプトで構成。タイトルの『おととも』には、「おと(音楽)はとも(友達)」という意味を持たせている。また、1時台の後半に『ABCニュース』、2:00前後に『おとともボックス~今日は何の日~』、2時台に『ABCラジオショッピング』を内包。いずれのコーナーでも、パーソナリティ自身が原稿を読んでいる。また、2:30前後には、『私の、おととも』というトークコーナーを放送。週替わりで設けられる全曜日共通のテーマに沿って、パーソナリティが思い出話や最新の情報などを披露する。 『もうすぐ夜明けABC』のパーソナリティが1・2時台に放送の別番組にも出演しながら、放送枠を事実上拡大するという編成は、前述の『ABC発午前1時』を踏襲している。ただし、『夜は、おととも』は、「ミッドナイト寄席」のよう演芸関連コーナーを内包しないなどの点で『ABC発午前1時』と異なる。 なお、朝日放送では、日曜4時台に編成していた長寿番組の『おはよう浪曲』を2014年12月27日で終了。2015年1月6日からは、同番組の放送枠を吸収する格好で、『もうすぐ夜明けABC』の日曜の放送枠を30分拡大している。 シリーズの終了朝日放送では、当番組の日曜放送を、2017年10月1日で終了。翌週(10月8日)からは、同年のナイターイン期間に特別番組として2回放送していた『霜降り明星のだましうち!』(霜降り明星初の冠番組)が、事前収録によるレギュラー番組として日曜版の放送枠を引き継いでいる。 火 - 土曜版については、2017年10月以降も放送を継続。同月から発売を開始した「ABCラジオカレンダー」の2018年版にも、3月分が当番組のPRに宛てられていた。しかし実際には、2017年12月30日放送分で、『夜は、おととも』と合わせて終了。『もうすぐ夜明けABC』の開始から34年3ヶ月にわたった番組シリーズの歴史に終止符を打った。最終日のパーソナリティは安井ゆたかで、『もうすぐ夜明けABC』の4時台には、安井以外の火 - 土曜版最後期のパーソナリティ(尾崎、内田、高野、阪口)もリスナーへの挨拶を兼ねて全員出演。最後に流れた楽曲は、『夜は、おととも』が「笑顔のまんま」(BEGIN with アホナスターズ)、『もうすぐ夜明けABC』が「明日に架ける橋」(サイモン&ガーファンクル)であった。 朝日放送では、放送最終週に当たる2017年12月25日(月曜日)の午後に、公開収録と連動した「さよならイベント」をABCホール(大阪市福島区)で開いた。このイベントには、上記の火 - 土曜版最後期のパーソナリティ5名が一堂に会したほか、歴代のパーソナリティ経験者から桶村、三島、阿部、藤原、倉森、松葉の6名が出演。『もうすぐ夜明けABC』シリーズのパーソナリティではなかった三代澤康司(朝日放送アナウンサー)が進行役を務める一方で、三代澤の上司に当たる道上洋三や、『もうすぐ夜明けABC』のオープニングテーマを歌う島津などからビデオメッセージが寄せられた。 放送終了後朝日放送では、「さよならイベント」のダイジェスト音源などで構成する特別番組『もうすぐ夜明けABCフォーエバー』を、2018年1月7日(日曜日)の22:00 - 23:00に放送した。 2018年1月2日(火曜日)からは、『夜は、おととも』『もうすぐ夜明けABC』の放送枠を統合したうえで、『with you』(自社制作による生放送の音楽番組)が放送枠や一部のコーナー(ラジオショッピングや楽曲の応援企画など)を継承。『夜は、おととも』『もうすぐ夜明けABC』に続いて日替わりの女性パーソナリティ(関西地方を中心に活動するフリーアナウンサー)が1人で生放送を進行するが、全曜日ともパーソナリティの顔触れを両番組から一新している[6]ほか、日曜3:00 - 4:30には『霜降り明星のだましうち!』を引き続き放送する(2019年4月改編から放送枠を日曜1:30 - 2:30に移動)。また、『もうすぐ夜明け』の水曜3時台後半で放送してきた「安心・味わい・旅情報」(神姫バスグループ提供のグループ主催ツアー情報コーナー)は、2018年1月1日から『高野あさおの週刊おーmyとーく!』(毎週月曜日18:30 - 18:43→18:30 - 19:00または18:50)の毎月第4月曜分で継続させている。 番組制作外部リンク脚注
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