JPタワー大阪
JPタワー大阪(ジェイピータワーおおさか)は、大阪市北区梅田三丁目(大阪駅前)にある複合商業施設・超高層ビル。高さ188.00メートル、地上39階・地下3階建てで、2024年3月12日の竣工を経て、同年7月31日にイノゲート大阪とともに開業した[1]。 大阪駅の駅ビルである大阪ステーションシティの一部を構成している[2]。 概要→再開発の経緯については「大阪中央郵便局 § 再開発・仮店舗時代」を参照
日本郵政・JR西日本のグループ会社[注釈 1]とJTBが大阪駅西地区(大阪中央郵便局旧局舎の跡地を含む西梅田エリア)で推進している再開発計画「梅田3丁目計画」の一環として建設された[3]。「JPタワー大阪」という名称には、日本郵政グループが東京と名古屋のターミナル駅前で「JPタワー」「JPタワー名古屋」を既に運営していることを背景に、「JPタワーとして既に展開している東京、名古屋に続く物件として多くのお客さまにご利用いただきたい」「大阪駅西地区のランドマークとして多くのオフィスワーカーや地域の方々から愛される施設を目指したい」という想いが込められている[3]。 当ビルの所在する梅田地区は、大阪国際空港(伊丹空港)から直線距離にして10キロメートル程度しか離れていないため、航空法が定める制限表面(円錐表面)の区域に含まれている[4]。このような事情から地区内の建物の高さに「180メートル前後」という上限が設けられているため、当ビルの高さ(188メートル)は地区内の建物でトップクラスに当たる[5]。 また、梅田地区では当ビルのグランドオープンを前に、歩行者が当ビルと周辺の施設(大阪駅など)を短時間で往来できる連絡通路網(歩行者ネットワーク)を整備。当ビルではオフィスフロアの供用を2023年11月1日に開始したため、当ビルと大阪駅の連絡橋口改札(サウスゲートビルディング)をつなぐ歩行者デッキおよび、当ビルと「ガーデンアベニュー」(西梅田地区に所在するオオサカガーデンシティの地下歩行者通路)をつなぐ連絡通路が同日から利用できるようになった[6]。2024年には、当ビルの地上1階フロアと大阪駅の「西口改札」(JR西日本が2023年3月18日のうめきたエリア開業に合わせて新設)をつなぐ通路や[7]、当時やはり建設中だった『イノゲート大阪』(当ビル北側にある高さ約120メートルの超高層ビル、7月31日に同時開業)との連絡通路を開通させることが告知された[8][1]。 2024年7月29日に大阪中央郵便局およびゆうちょ銀行大阪支店が当ビルに移転し営業を開始[9]。その2日後の7月31日に商業施設のKITTE大阪が営業を開始し、JPタワー大阪全体もグランドオープンした[1]。 建物下記は「建築計画のお知らせ」等による。
事業継続計画BCP対応として、建築物には制震構造を採用し、地震の揺れを軽減する制振装置を各階に設置し、震度6強の地震に対しても安全性を発揮するJSCA基準耐震グレード「上級」を取得している。また、電力供給に3回線スポットネットワーク受電方式を採用し、変電所からの電力を3回線で受電する。このため、送電系統のトラブル等で1回線が機能しなくなった場合でも、他の2回線から電力供給が行われるので停電リスクが低減されるほか、万が一の停電時には非常用発電機により共用部の照明や避難防災設備等に対して最大72時間の電力供給が行われる[13]。 フロア構成各階の構成は次の通り[14]。
商業施設日本郵便が手掛ける「KITTE」ブランドでは全国で4ヶ所目(近畿地方では初めて)の商業施設「KITTE大阪」(キッテおおさか)[3]が、地下1階 - 地上6階のフロアに計107店舗が入居。1階には旧大阪中央郵便局の正面部分(一部)を保存・移設した空間が設けられる[7]。 1階のアトリウムに設置されたシンボルモニュメントは、大阪芸術大学デザイン学科とのコラボレーションにより制作されたもので、グランドオープンの際にお披露目された[15][16]。モニュメントのコンセプトは「結び」で、人と人をつなげ、良縁を結ぶことの象徴として水引をモチーフにしている[15][17]。 また、大阪府出身の坂東祐大とアイナ・ジ・エンドがKITTE大阪のテーマソング「創造」を制作した[15][17]。JPタワー大阪とKITTE大阪のコンセプトムービー、グランドオープン記念のCM、楽曲制作・CM撮影のメイキング動画、ミュージック・ビデオがYouTubeで公開されている[15]。 劇場また、5 - 8階のフロアの一部を劇場に充当。総座席数はおよそ1,200席で、MBSライブエンターテインメント[注釈 2]に対する運営業務の委託・Sky株式会社による施設命名権(ネーミングライツ)の取得[18]などを経て、「SkyシアターMBS」という名称で2024年3月27日から営業している(こけら落とし公演は『舞台 中村仲蔵』)[19]。 ホテル7・8階および、29 - 38階のフロアは、株式会社ジェイアール西日本ホテル開発が運営する「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection」(大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション)に充てられている。このホテルは、マリオットホテルグループのオートグラフコレクションに加盟。客室の総数は418室[20]で、当施設開業と同日の2024年7月31日に開業した。 オフィス他のフロアに先駆けて2023年11月から供用されている「オフィスフロア」は、オフィス(事務所)としての利用を想定した賃貸フロアで、11 - 27階の「中層部」(長辺109.2メートル×短辺54.4メートル)に設定。基準階のフロアにおける貸室(整形無柱空間)の総面積は、「オフィス空間としては西日本最大級」とされる約4,000平方メートル(約1,200坪)で、「ビジネスサポートフロア」(8・9・17階)、「共用会議室」やオフィスワーカーのリラックスに資する施設(屋上庭園、ダイニング&カフェテリア、サウナ、フィットネスルーム)も併設されている。ちなみに「中層部」はカタカナの「ロ」の字に似た平面で、上記の共用施設を中央部に集約。ただし、南東側と北西側は「高層部」より若干張り出している。 なお、オフィス向けのセキュリティ入退館システムとして、専有部に通じるエレベーター前にクラウド型セキュリティゲートシステム「ゲートチェックイン」を設置[21]。来訪者はテナント企業からメールで送付されたQRコードを表示することでセキュリティゲートの通過が可能となる[22]。 主な入居企業
アクセス以下は公式サイトのオフィス紹介ページ「ACCESS」による[32]。
脚注注釈
出典
外部リンク
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