『青銅の魔人』(せいどうのまじん)とは、月刊娯楽雑誌「少年」(光文社)に1949年に連載された江戸川乱歩作の少年向け推理小説シリーズの第5話目である。
概要
戦後初の怪人二十面相の登場である[1]。「妖怪博士」で捕まったが、1年もしない内に脱獄。戦中は鳴りを潜めていたが、戦後になって活動を再開したと紹介される。
本作品の存在は、横山光輝の漫画『鉄人28号』の着想に影響を与えたとされる[2]。
あらすじ
ギリギリという歯車の音を鳴らしながら真夜中の時計店を襲う青銅でできた機械人間が都内に出没する。その魔人は人々を恐怖に陥れる。
奇々怪々な出来事が起こる中、皇帝の夜光の時計を持つ手塚家の主人。その時計を狙う青銅の魔人。はたして勝つのは明智探偵か、はたまた青銅の魔人か。そして 暴かれるトリックの数々…青銅の魔人の正体とはいかに
主要人物
- 小林芳雄 - 明智の助手で「小林少年」や「小林君」と呼ばれる。「少年探偵団」の団長。
- チンピラ別働隊[3] - 「少年探偵団」の別働部隊。孤児のグループで、親の目や学校を気にする必要がないため平日日中や夜間の活動も可能。
- 手塚 - 年代物の時計の収集家。
- 怪人二十面相 - 神出鬼没の怪盗で、変装が得意なため「二十面相」と呼ばれ、自らも称している。
- 明智小五郎 - 名探偵。二十面相の好敵手。
二十面相の狙ったもの
新兵器
特記事項
戦後、最初に発表された「少年探偵団」もの長編。
その他
- 少年探偵団の小林芳雄が、戦災孤児達を束ねて結成されたチンピラ別働隊が初登場する。
書誌情報
- 講談社:江戸川乱歩推理文庫 第32巻『妖怪博士/青銅の魔人』1987年
- 光文社:江戸川乱歩全集 第15巻『三角館の恐怖』2004年
- ポプラ社:少年探偵4『青銅の魔人』[4]1965年
- ポプラ社:文庫 少年探偵 第5巻『青銅の魔人』 1988年
- ポプラ社:新装版 少年探偵5『青銅の魔人』 1998年
- ポプラ社:文庫(新装版) 第5巻『青銅の魔人』 2005年
- ポプラ社:文庫クラシック 第5巻『青銅の魔人』 2009年
- 三民書店:文庫 繁体字版 『青銅魔人』 2019年[5]
関連作品
ラジオドラマ
- 昭和27年に放送。
映画
- 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第一部』 1954年(昭和29年)
- 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第二部』 1955年(昭和30年)
- 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第三部』 1955年(昭和30年)
- 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第四部』 1955年(昭和30年)
- 『名探偵明智小五郎シリーズ』として、昭和29年から翌年にかけて計4本が公開された。監督は穂積利昌。怪人二十面相は諸角啓二郎が演じる。
脚注
- ^ 『僕たちの好きな怪人二十面相』宝島社、2008年12月18日、108頁。ISBN 9784796667579。
- ^ 竹書房/イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、PP.35、52頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。
- ^ 戦災孤児を「チンピラ」と表現した件について、巻末などに「現在では使用されない用語があるが、当時の風俗・時代などを考慮し、そのまま掲載している」旨の「但し書き」を載せている場合もある。
- ^ 本来は『大金塊』が10年も連載が早いが、発行は『青銅の魔人』が先になった。のちの文庫や新装版では修正されている。
- ^ “青銅の魔人”. 博客來. 2020年1月21日閲覧。
関連項目
外部リンク
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