鉄道道路併用橋(てつどうどうろへいようきょう)は、鉄道と道路が一本の橋を共用する状態の橋のことである。
解説
河川などに対する架橋に際して道路と鉄道の橋をそれぞれ架ける予算がなかった場合などに、共用橋として建設されることが多い。
後に交通量の増加などで、並行して橋を増設して道路と鉄道を分離・解消した事例も多くある。
軌道法に基づく路面電車は道路施設の一部であるため、併用橋には含めないことがある。他方で、モノレールや新交通システムは含めることがあり、この点に関する明確な定義は存在しない。本稿では、モノレールと新交通システムを含むものとして記述する。
併用の方式
3.と4.を含めず1.と2.のみ、ないしは1.だけを狭義の「鉄道道路併用橋」とすることがある。
- 鉄道と道路が同一平面に併設され、鉄道と道路の走行域も共用となっているもの。
- 現在の日本には江ノ島電鉄の神戸橋(ごうどばし)しか現存しない。同橋は併用軌道部分に存在するが、江ノ島電鉄線が鉄道路線であるため、短いながら日本で唯一の鉄道道路併用橋となっている。
- かつては犬山橋(名鉄犬山線)、二子橋(東急大井町線)なども存在したが、道路交通量の増加に伴って渋滞の原因となる、鉄道に対して安全上の問題が生じる、などの理由から後に鉄道部分と道路部分が分離された。
- 原則として鉄道路線を道路上に敷設することはできないとされているが、所管官庁へ申請し、道路敷設の許可がなされれば敷設することができる。
- 鉄道と道路が同一平面に併設されるが、それぞれ走行区域が分離されているもの。
- レインボーブリッジ(ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線)、淀川橋梁(おおさか東線、2013年に道路廃止)、村山橋(長野電鉄長野線)、関屋大橋(新潟交通電車線、1999年廃止)、第一江川橋梁(三江線、2018年廃止)、六甲大橋(神戸新交通六甲アイランド線)など。
- 鉄道と道路が下部工を共有するが、上部工は分離されているもの。
- 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス小貝川橋梁(もりやみらい橋)、利根川橋梁[注釈 1]、新九頭竜橋(北陸新幹線九頭竜川橋梁)[1]、印旛大橋(京成成田空港線)、新淀川大橋(Osaka Metro御堂筋線)など。
- 鉄道と道路が、上下に分離して敷設される場合。
- 瀬戸大橋(本四備讃線)、関西国際空港連絡橋(関西空港線・南海空港線)、竜の口橋りょう(仙台市地下鉄東西線)、立日橋(多摩都市モノレール線)、新井橋(多摩都市モノレール線)など。なお、モノレールとの併用においては鉄道が上側に敷設されるが、普通鉄道の場合には重荷重バランスの問題から鉄道が下側に敷設されるのが通例である。
日本国外の併用橋
鉄道部分が廃止された橋
道路部分が廃止された橋
脚注
注釈
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
鉄道道路併用橋に関連するカテゴリがあります。
- 揖斐大橋
- 長良大橋
- マタディ橋(コンゴ民主共和国)
- これらは鉄道道路併用橋として建設されたが、計画の中止により線路が敷設されることはなかった。
- 明石海峡大橋
- 鉄道道路併用橋として建設される予定であったが、計画変更により道路単独橋として建設された。
- 大鳴門橋
- 構造上は鉄道も通せるが、明石海峡大橋の計画変更により淡路島を通る鉄道計画そのものに目途が立たないため、鉄道部分は未使用となっている。