金沢カレー金沢カレー(かなざわカレー)とは、主に金沢市を中心とする石川県のカレーライス店で提供される独自の特徴を持ったカレーライスを言う。「カレーのチャンピオン」創業者の田中吉和がそのレシピを考案したと言われており、石川県で古くから営業している老舗店は2023年現在60年以上の歴史がある。 概要成り立ち『カレーのチャンピオン』創業者で洋食シェフであった田中吉和が、そのレシピを考案。田中が独立し、1961年に開店した洋食店『洋食タナカ』では、開店当初こそ通常の洋風カレーライスを提供していたが、遅くとも1963年までにはステンレス皿、キャベツ、ソースがかかったカツという現在の金沢カレーのスタイルが確立していたようである[1]。 翌1964年、田中が独立前にチーフコックを務めていたレストラン『ニューカナザワ』の弟弟子・今度忠[2]が、田中からカレーのレシピを受け取る。今渡はこのレシピに独自のアレンジを加え『インデアンカレー』を立ち上げ人気となった[1]。これに影響される形で、1965年には『洋食タナカ』がカレーライス専門店となる[1]。1966年創業の『キッチン・ユキ』の開店時にも、田中・今渡らからカレーのレシピが伝えられた[1]。 このように、レシピが一部の老舗店の創業者に共有されたことにより、石川県で同時期に同じようなスタイルのカレー店が相次いで創業することになった。 名称の始まり代表する店の多くは既に50年以上の歴史があるが、そのカレーに「金沢カレー」の名称が付されるようになったのは、2000年代中頃からと非常に新しい。各店とも地元での営業が中心で、金沢カレーのような名称は使われていなかったが、そのスタイルは地元で古くから定着している。 特徴すべての店舗が満たしているわけではない。
浸透経緯2006年1月、この頃からご当地カレーの「よこすか海軍カレー」や「札幌スープカレー」の対比として「金沢カレー」という言葉が徐々に使われ始める[4]。 2006年9月、名古屋市で「金沢カレー」を店名とするカレーチェーンが開業。 2006年9月27日、地元の佃煮メーカー・佃食品が地元食材を使ったレトルトカレーを「佃の金沢カレー」として商標出願、2007年7月13日に商標登録された(商標登録番号第5061623号)[5]。 2007年4月13日放送の日本テレビ系『ズームイン!!SUPER』「ズムとく!〜金沢カレー世界へ発信!〜」では、石川県出身の松井秀喜にニューヨークで、日本より持参したこのカレーを食べさせていた。全国ネットのテレビ番組で「金沢カレー」が使われた、初めてかそれに近い事例と思われる。 2007年に各店のWebサイト上で、「ゴーゴーカレー」が「金沢カレーの火付け役」を名乗り始めると、「カレーのチャンピオン」では「元祖金沢カレーの店」[6]という表記を追加した。 2008年6月、金沢市定例議会の一般質問において、ご当地グルメの具体例として「金沢カレー」が取り上げられる[7]。 2008年11月20日発行のフリーペーパー「食べる」vol.1の南政広チャンピオンカレー社長インタビュー記事には、7〜8年前、石川生まれのカレーが話題になっていた2ちゃんねるのスレッドに、南社長が「金沢カレー」と言葉を最初に作り、書き込んだというエピソードが掲載されている。但し、2010年現在ではまちBBSを含む2ちゃんねるの1999年から2002年の現存する過去ログdatファイル上には、「金沢カレー」のキーワードで全文検索を行っても該当はない。2ちゃんねるではサーバーのトラブルにより保存されていない過去ログもあるため、実際に書き込みを行ったかについては不明である。チャンピオンカレー公式Twitterでは、この説は正しくない可能性が高いとの書き込みもある。 2019年8月15日、バラエティー番組秘密のケンミンSHOWにて、全国ネットで金沢カレーが紹介された。 その他2010年6月3日放送の日本テレビ系『秘密のケンミンSHOW』において、チャンピオンカレーが金沢カレーとして紹介され、御飯を全て覆い隠す量の濃厚なルーと千切りキャベツにトンカツを乗せ、スパイスの効いたカレーとキャベツを混ぜながらフォークで食べるスタイルが取り上げられた。しかし、2010年当時、地元石川県ではキャベツをカレーに混ぜて食べるという作法や習慣はなく混ぜない人が圧倒的に多いという意見もある[8]。 北陸地方以外への出店
その他
代表的店舗
脚注
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