証券アナリスト(しょうけんアナリスト、英: Financial analyst)は、市場を分析して調査をする者である。財務分析家、リサーチアナリスト、株式アナリスト、投資アナリストなど称する。日本は公的職能団体として日本証券アナリスト協会があり、証券アナリストを公的に認定するための試験制度を1981年から[1]実施している。世界では、米国に本部を置くCFA協会 (CFA Institute) が認定するCFA協会認定証券アナリスト (Chartered Financial Analyst) などが知られる。
概要
セルサイド・アナリスト
- セルサイド・アナリストは証券会社に所属する証券アナリストで、一般的にアナリストと称する場合はセルサイド・アナリストを指す。セルサイドのレポートは、証券会社の顧客である個人投資家や大口顧客である機関投資家(バイサイドと同義)に対するサービスとして、当該エリアの調査報告をする趣旨で作成される。投資家が投資先を選定する際の情報提供をすることで売買をサポートし、自社の証券手数料収入を拡大させることが業務の本質的な目的である。
- より質の高いアナリスト・レポートを作成するため各分野に精通した人材を求め、事業会社で実績のある人物が当該エリアの専門家としてセルサイド・アナリストへ転職する事例も多い。日経ヴェリタスなどが機関投資家の投票で「アナリストランキング」を発表しており、順位と評価の連動も散見される。
バイサイド・アナリスト
- バイサイド・アナリストは銀行系、証券系、生損保系、独立系などの資産運用会社に所属する証券アナリストである。ファンドマネージャーと合わせて機関投資家(バイサイドと同義)と称する。バイサイドのレポートは、自社のファンドマネージャーが投資先を選定する際の情報を提供し、ファンドの運用成績向上に寄与するために作成される。セルサイドのレポートは公共性も見られるが、バイサイドのレポートは、自社へ運用を委託している顧客(投資家)のために調査報告する趣旨で作成し、機密性が高い情報で公開しない。
- セルサイド・アナリストがバイサイド・アナリストへ転職する事例も見られる。バイサイド・アナリストがファンドマネージャーとなることはキャリアパスとして知られる。
独立系アナリスト
- セルサイドとバイサイドのどちらにも所属しない独立系アナリストも存在する。海外では、エンロンやワールドコムの破綻以降に大手投資銀行の投資銀行部門とアナリストの癒着が問題視され、独立系アナリストが一定の位置を占めた(参照:米山徹幸「アナリストカバレッジの現状と課題」45-47ページ)。国内はシェアードリサーチやTIWに所属するアナリストなどがいる。
職業形態
証券会社、機関投資家、投資銀行などに専門職として雇用されて職務に携わることが多いが、評論家などへ転身して自由契約や独立経営で営む者もいる。
出典
関連項目
外部リンク