第68回カンヌ国際映画祭(だい68かいカンヌこくさいえいがさい)は、2015年5月13日から24日にかけて開催された[1]。
コンペティション部門の審査員長はアメリカ合衆国の映画監督であるジョエル・コーエンとイーサン・コーエンが務めた[2]。二人の人物が審査員長に起用されたのは映画祭史上初めてである[2]。また、ある視点部門の審査員長はイタリア出身の女優イザベラ・ロッセリーニ[3]、カメラ・ドールの審査員長はフランスの女優サビーヌ・アゼマが務めた[4]。
開会式および閉会式の司会は前年に引き続きフランスの俳優であるランベール・ウィルソンが務めた[5]。
公式ポスターはスウェーデン出身の女優であるイングリッド・バーグマンがフィーチャーされている[6][7]。
パルム・ドールはジャック・オーディアール監督のフランス映画『ディーパンの闘い』に贈られた[8]。名誉パルム・ドールはフランスの映画監督アニエス・ヴァルダに贈られた[9]。
公式選出
コンペティション部門
コンペティション部門では、以下の19作品が上映された[10][11]。
ある視点部門
ある視点部門では、以下の19作品が上映された[10][13]。オープニング作品は、河瀬直美監督の『あん』である[14]。また、ヤレド・ゼレケ監督の『Lamb』は、エチオピア映画で初めてオフィシャルセレクションに選出された映画である[15]。
コンペティション外
コンペティション外では以下の作品が上映された[17][10][18][19]。
短編映画
4,550本の応募作品のうち、以下の作品が上映された[20]。
日本語題
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原題
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監督
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製作国
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موج ٩٨ Moug 98 |
Ely Dagher |
レバノン カタール
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The Guests |
Shane Danielsen |
オーストラリア
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Salı |
Ziya Demirel |
トルコ フランス
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Le Repas dominical |
Céline Devaux |
フランス
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Love Is Blind |
Dan Hodgson |
イギリス
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السلام عليك يا مريم Assalammu 'aleiki ya Maryam |
Basil Khalil |
パレスチナ フランス ドイツ
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Copain |
Jan Roosens and Raf Roosens |
ベルギー
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Patriot |
Eva Riley |
イギリス
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Presente imperfecto |
Iair Said |
アルゼンチン
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シネファウンデーション
映画学校の生徒が製作した映画を上映する「シネファウンデーション」では以下の作品が上映された[20]。
日本語題
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原題
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監督
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製作国
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کشتارگاه Koshtargah |
Behzad Azadi |
テヘラン芸術大学, イラン
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El ser mágnetico |
Mateo Bendesky |
Universidad del Cine, アルゼンチン
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Share |
Pippa Bianco |
AFI Directing Workshop for Women, アメリカ合衆国
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Manoman |
Simon Cartwright |
National Film and Television School, イギリス
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Victor XX |
Ian Garrido López |
ESCAC, スペイン
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возвращение Эркин Vozvrashenie Erkina |
Maria Guskova |
High Courses for Scriptwriters and Film Directors, ロシア
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Leonardo |
Félix Hazeaux, Thomas Nitsche, Edward Noonan, Franck Pina, and Raphaëlle Plantier |
Supinfocom, フランス
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Locas perdidas |
Ignacio Juricic Merillán |
チリ大学, チリ
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Tsunami |
Sofie Kampmark |
The Animation Workshop, デンマーク
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Retriever |
Tomáš Klein and Tomáš Merta |
FAMU, チェコ
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Les Chercheurs |
Aurélien Peilloux |
Fémis, フランス
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Abwesend |
Eliza Petkova |
dffb, ドイツ
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עשרה רחובות, מאה עצים Asara rehovot mea etsim |
Miki Polonski |
Minshar for Art, イスラエル
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Четырнадцать шагов |
Maksim Shavkin |
Moscow School of New Cinema, ロシア
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Anfibio |
Héctor Silva Núñez |
EICTV, キューバ
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Ainahan ne palaa |
Salla Sorri |
アールト大学, フィンランド
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Het Paradijs |
Laura Vandewynckel |
Erasmushogeschool Brussel, ベルギー
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日光之下 |
Qiu Yang |
メルボルン大学, オーストラリア
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独立選出
国際批評家週間
国際批評家週間では、以下の作品が上映された[21]。オープニング作品はエリー・ワジュマン監督の『アナーキスト 愛と革命の時代』、クロージング作品はマチュー・ヴァドピエ監督の『La Vie en grand』である。
短編映画
日本語題
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原題
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監督
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製作国
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Alles wird gut |
パトリック・フォルラート |
ドイツ
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Pojkarna |
イサベラ・カルボネル |
スウェーデン
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Command Action |
ジョアン・パウロ・ミランダ・マリア |
ブラジル
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La Fin de dragon |
マリナ・ディアビ |
フランス
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The Fox Exploits the Tiger's Might |
ラッキー・クスワンディ |
インドネシア
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Love Comes Later |
ソネジュヒ・シンハ |
アメリカ合衆国
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Jeunesse des Loups-Garoups |
ヤン・ドゥラトル |
フランス
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Ramona |
アンドレイ・クレツレスク |
ルーマニア
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Too Cool for School |
ケヴィン・フィリップス |
アメリカ合衆国
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Varicella |
フルヴィオ・リスレオ |
イタリア
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監督週間
監督週間では、以下の28作品が上映された[22][23][24]。オープニング作品はフィリップ・ガレル監督の『パリ、恋人たちの影』、クロージング作品はリック・ファムイワ監督の『DOPE/ドープ!!』である。
短編映画
日本語題
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原題
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監督
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製作国
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Bleu tonnere |
ジャン=マルク・E・ロワ、フィリップ・ダヴィド・ガネ |
カナダ
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Calme ta joie |
エマニュエル・ラスカル |
フランス
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El pasado roto |
マルティン・モルゲンフェルド、Sebastián Schjaer |
アルゼンチン
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Kung Fury |
ダヴィド・サンドベリ |
スウェーデン
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Pitchoune |
レダ・カテブ |
フランス
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Provas, Exorcismos |
Susana Nobre |
ポルトガル
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Pueblo |
エレナ・ロペス・リエラ |
スペイン
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Quelques seconedes |
Nora El Hourch |
フランス
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Quintal |
アンドレ・ノヴァイス・オリヴェイラ |
ブラジル
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Rate Me |
フィザル・ブリファ |
イギリス
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The Exquisite Corpus |
ペーター・チャーカスキー |
オーストリア
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ACID部門
ACID部門では、以下の9作品が上映された[25]。
カンヌ・クラシックス
カンヌ・クラシックスでは以下の40作品が上映され、コスタ=ガヴラスが主賓を務めた[26]。
審査員
公式選出
- コンペティション部門
- ※コンペティション部門の審査員は2015年4月21日に発表された[27]。
- ある視点部門
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- 短編およびシネファウンデーション部門
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- カメラ・ドール
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独立選出
- 国際批評家週間
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独立賞
- ルイユ・ドール
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- クィア・パルム
-
受賞結果
受賞結果は以下の通りである[8][9][34][35]。
公式選出
- コンペティション部門
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- ある視点部門
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- シネファウンデーション部門
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- 第1位 - 『Share』(Pippa Bianco監督)
- 第2位 - 『Locas perdidas』(Ignacio Juricic Merillán監督)
- 第3位 - 『Victor XX』(Ian Garrido López監督)、『возвращение Эркин (Vozvrashenie Erkina)』(Maria Guskova監督)
- カメラ・ドール
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- 短編映画部門
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- 短編映画パルム・ドール - 『موج ٩٨ (Moug 98)』(Ely Dagher監督)
独立選出
- 国際批評家週間
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- 監督週間
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独立賞
- 国際映画批評家連盟賞
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- エキュメニカル審査員賞
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- ルイユ・ドール
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- クィア・パルム
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- パルム・ドッグ賞
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- パルム・ドッグ賞 - ラッキー(『As 1001 Noites』)
- 審査員賞 - ボブ(『ロブスター』)
- フランソワ・シャレ賞
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- カンヌ・サウンドトラック賞
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特別賞
- 名誉パルム・ドール
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脚注
外部リンク