留萌駅
留萌駅(るもいえき)は、北海道留萌市船場町(ふなばちょう)2丁目にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線の駅である。事務管理コードは▲121509[1]であった。 北海道北部の西海岸、留萌振興局の中心都市・留萌市の中心駅であった。国鉄時代には所属線の留萌本線のほか、羽幌線や天塩炭砿鉄道線、留萠鉄道臨港線も分岐する拠点であったが、これらはJR移管までに廃止された。また2016年(平成28年)には留萌本線も当駅 - 増毛駅間が、2023年(令和5年)には石狩沼田駅 - 当駅間も廃止され廃駅となった。 歴史
駅名の由来→「留萌市 § 市名の由来」も参照
地名より。当初は路線名・駅名とも「萠」の字を用いていたが、1997年(平成9年)にどちらも「萌」の使用に改められている[新聞 4]。 当駅廃止時点において、よみが「る」で始まる駅は、日本国内では他に北見市の留辺蘂駅のみとなっている。 駅構造当駅廃止時点での駅舎は羽幌線とのターミナルであった1967年(昭和42年)に建て替えられたもので、近隣の深川駅などと同規模のコンコース・待合室を有していた。 当駅廃止時点では相対式ホーム2面2線の形状であったが、当駅 - 増毛駅間の区間廃止に伴い定期旅客列車の行き違いがなくなったことや、2021年3月のダイヤ改正で1番乗り場のみの使用となっていた[注釈 2]ことから、跨線橋の入口が封鎖され、旧2番のりば用ホームは旅客立入禁止となり、かつ旧2番のりば用の場内・出発信号機が使用停止となっていた。そのため、単式ホーム1面1線での運用となっていたが、旧2番のりばの線路は当駅廃止まで入替信号機が稼働しており、除雪車などが使用可能であった。また、1番のりばと旧2番線の間には渡り線があったが、当駅廃止までに場内・出発・入替信号機が使用停止となったため、横取線化された。これら3線はすべて増毛方にあった分岐器の手前に車止めが設置されていた。 2番のりばの反対側には3番のりばも存在したが、1987年時点で既に使用停止となっていた。1987年の羽幌線廃止までは貨物ヤードを挟んで北側に島式1面2線の4・5番のりばも存在し、留萌港方向へ長く伸びていた。 留萌炭田の各炭鉱から産出される石炭の積出港として栄えた留萌港との間に留萠鉄道とともに広大な留置線と多数の貨物側線・転車台を有していたが、留萠鉄道・羽幌線廃止後は遊休地となっていた。2007年度(平成19年度)より貨物側線跡・羽幌線ホーム跡の公園化が留萌市によって着手され、2016年4月に交流施設「船場公園(現在のるしんふれ愛パーク)」および「道の駅るもい」(道の駅指定は2020年から)として整備されている。現在も跨線橋と2番のりばは公園への自由通路としての通行ができる(ただし冬季封鎖)。 2016年(平成28年)12月5日に廃止された当駅 - 増毛駅間(通称・増毛線)がスタフ閉塞であったことから、当駅廃止まで運転担当社員が終日配置され、信号の切り替えや列車の方向転換が行われていた[8](夜間留置は行わない)。みどりの窓口が設置されていた。トラベルセンターを併設していた[9]。毛が増えるということで縁起物切符として知られていた増毛駅の硬券入場券も増毛線区間の廃止前日まで販売を行っていた。 駅舎当駅廃止時点での駅舎は、1967年(昭和42年)11月15日に落成した2代目のもので、その規模は鉄筋コンクリート造2階建て約1,737平方メートルであったが、1988年(昭和63年)に庇を取り壊したため現在は約1,640平方メートルとなっている。当時約2億円の鉄道利用債を留萌市が引き受けて建設された「市民の駅」であった[新聞 1]。 当駅廃止まで待合室内に立ち食いそば・うどん店屋があり、改札傍には留萌市の特産である数の子のオブジェや、SLすずらん号(C11 207)[注釈 3]のヘッドマーク、留萠鉄道新雨竜駅の運賃表など留萌本線沿線にまつわる資料が展示されていた[新聞 8]。 数の子のオブジェは2007年に留萌青年会議所と北海道留萌千望高等学校(当時)の生徒が共同して制作した[新聞 9]。このオブジェは長さ3m、直径90cm、重さ約600kgで、アメリカ合衆国からの輸入材の松を削り、表面に直径3センチの丸形木片を約3千個付けたものである[新聞 9]。数の子のオブジェは制作後に留萌駅ホームに設置されたが、風雪で傷むため留萌振興局ロビーに移され、さらに2008年から留萌駅改札口横に移された[新聞 9]。2023年の留萌駅の廃駅に先立って、同年2月上旬にJR北海道は留萌青年会議所に撤去を求めた。青年会議所は留萌市海のふるさと館や道の駅るもいに移設を打診したもののその大きさを理由に断られ、廃止直前まで引き取り手がいない状況だったが[新聞 9]、同年3月30日に地元の水産加工会社の申し出により引き取られ[報道 1]、現在は道の駅るもい近くにある水産加工会社が運営する直売店で展示されている[新聞 10][10]。 駅舎には北海道水産物検査協会の試験分析センターが入居しているほか、2階には「エフエムもえる」(留萌市のコミュニティFM)の本社及び演奏所がある(2023年現在)。しかし、留萌市では駅の廃止に伴い駅舎を取り壊し、跡地に防災拠点機能を持つ体育館や交流施設を建設することを検討[11]。2023年10月6日限りで、「エフエムもえる」は移転した[12]。 1998年春から2000年2月にかけて恵比島駅を中心に断続的に撮影が行われ、蒸気機関車の方向転換のために留萌駅へ往来していた『すずらん』にちなみ、ドラマ放映と映画版公開が行われた1999年から2000年にかけては、同作出演者と明日萌駅舎を描いた高さ2階分の巨大な映画看板が駅舎壁面(現在のエフエムもえる付近)に掲げられていた。
利用状況乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。 また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
駅弁など駅弁として、「にしんおやこ」(炊き込み御飯の上に留萌名物の塩かずのことにしんの甘露煮。山菜が乗ったもの)が販売されていた。 1987年(昭和62年)の羽幌線廃止に伴って駅弁は消滅したが、2003年(平成15年)、閉店予定だった駅そば屋(古川立売商会が運営)とともに営業権を買収した北海コーポレーションが新たに駅弁を開発し16年ぶりに駅弁が復活した[新聞 11]。留萌の特産品であるかずのことにしんを贅沢に使っており、作り置きができないため、完全受注生産品である(2019年現在、前日15時までに電話予約が必要[23])。また、駅そば屋では留萌名物のにしんそばが提供されていたが、留萌本線廃止同日に閉業した[11]。 北海コーポレーションでは、元々隣接する道の駅るもいにおいて「にしんおやこ」「にしんそば」を提供していた(夏季期間のみ)経緯もあり、同年4月20日より道の駅に店を移転して営業を再開している[24]。 駅周辺
バス路線
この他、かつてはてんてつバスの小平町達布地区への路線も駅前に発着していたが、2014年10月に廃止された。 隣の駅脚注注釈出典
JR北海道
新聞記事
報道
関連項目外部リンク
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