満洲里市
満洲里市(まんしゅうり-し、簡体字中国語: 满洲里市、モンゴル語:ᠮᠠᠨᠵᠤᠤᠷ 地理内モンゴル自治区東部フルンボイル地級市西部にあり、東西と南は新バルグ左旗・新バルグ右旗に隣接。北はロシアと54キロメートルの国境線で接し、ザバイカリエ地方の町ザバイカリスクが隣接している。市の東にはアルグン川の中州・アバガイト島(阿巴該図島、ロシア名ボリショイ島)があり、中ソ国境紛争におけるソ連との係争地となっていたが両国間で分割することにより解決された。 フルンボイル草原にあるダライ・ノール(達賚湖)、またの名をフルン・ノール(呼倫湖)は中国で5番目に大きな淡水湖である。湖水面積は 2,600 平方キロメートル、平均深度5メートル前後、最大水深は8メートル。
歴史この地方は北方遊牧民族を育んだ場所で、相次いで東胡、匈奴、鮮卑、契丹、女真、蒙古などの民族の領地となった。清朝雍正年間にロシアとの国境を画定してから官鎮守、戍守辺疆を設けた。当初はモンゴル語で「勢いの盛んな泉」を意味するホグジヒン・ボラグ(霍勒金布拉格)と呼ばれた(ホグジヒン=旺盛な、ボラグ=泉)。
行政区画5街道、1鎮を管轄: 経済満洲里は中国最大の陸運交易都市であり[1]、ロシア、東欧と中国の間の輸出入の60パーセントを担う。鉄道による年間載せ替え能力は500万トンに達する。2004年には貨物置場が拡張された。この年の満洲里の輸出入貨物は1400万トンに達した。2013年に一帯一路構想の後押しで北回りの「中欧班列」として国際定期貨物列車が運行開始して2019年時点で本数は5000本に達した[2]。満洲里市には辺境経済技術合作区(輸入資源加工場区)、中俄互市貿易区(対ロシア輸出加工区)の2つの国家級開発区とジャライノール(扎賚諾爾)重化工業基地がある。 ジャライノール炭鉱は1902年に発見された炭田で、2009年まで石炭の露天掘りが行われていた。露清密約によりロシアが行政を行なっていたものを1932年に日本がソ連から東清鉄道と共に買収し満洲炭鉱株式会社が経営していた。第二次世界大戦後は中国の所有となり、2006年よりジャライノール煤業有限責任公司の管理下で経営されている。近年まで蒸気機関車を石炭輸送に使用されていることが知られ、その光景が2009年の映画「ジャライノール」で紹介された[3]。 交通鉄道中華人民共和国とロシアのシベリア鉄道を結ぶ幹線である中国国鉄の浜洲線(旧東清鉄道)の終着駅、満洲里駅がある。北京とモスクワ間の国際列車(K19/20次列車)がここを往来する。中国大陸からロシア大陸、さらにヨーロッパ大陸に繋がっているために非常に重要な駅である。 1991年以来、中ソ紛争で中断していた満洲里からロシアのクラスノヤルスク、イルクーツク、ウラン・ウデ、モスクワ等への旅行ルートが相次いで開通した。2017年に浜洲線の全線が電化された[4]。 国境を越えると中国語からロシア語へと変わるため地名も大幅に変わる。シベリア鉄道の駅名は中国語でそのまま当て字が多いが満洲里の隣の駅のザバイカリスク駅は『後貝加爾』(ザバイカル)と中国人に読みやすくするための短い当て字である(シベリア鉄道・国際連絡運輸の項目も参照のこと)。 ほかに北京やハルビン、ハイラル、大連などからの列車が発着する。 航空路道路国境鉄路、道路共にロシア・ザバイカリスクへ接続する国境である満洲里口岸が設置されている。中国とロシア及び旧ソ連各国の国際貨物輸送の要衝であり、中国最大の陸路交易拠点となっている。 鉄道での国境は1901年に設置された。中国側は標準軌であるのに対しロシア側では広軌であるため貨物の積み替えが実施されている。 道路での国境は1998年に設置された。 観光
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脚注
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