毛吹草『毛吹草』(けふきぐさ)は、江戸時代の俳諧論書。編者は松江重頼。正保元年(1645年)刊行、7巻5冊。貞門派の俳論の基本文献と位置づけられる。 寛永13年(1636年)刊行の野々口立圃著『はなひ草』に対抗する形で、俳諧作者のために企画された作法書であり、貞門俳論の基本文献である[1]。序文に寛永15年(1638年)とあるが、実際には寛永16年(1639年)以後の句が1000句ほど収録されており、『毛吹草』の成立は寛永20年(1643年)以後と推定される[2]。 巻1は「連歌付・俳諧付差別の事」(30項目)、「可宜句体之品々」(「心之発句・付句」「眺望」「見たて」など35項目)を収め、巻2は前半で四季と恋の詞を俳諧と連歌に分けて収め、後半は「世話」「古語」として様々な俚諺を収める[1]。巻3は俳諧の付合語をいろは順に並べ、巻4は諸国名物を国別に並べる[1]。巻5-巻6は春夏秋冬の発句、巻7は四季・恋・雑の付句100句をそれぞれ収める[1]。刊行後、池田正式や安原貞室、加藤雲堂らによって排撃を受けたが、俳諧作法書かつ百科事典として好評を博した[1]。 有名なことわざである「鬼に金棒」は、当書が初見とされる[3]。 校訂本
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