林要 (実業家)
林 要(はやし かなめ、1973年9月10日 - )は、日本の実業家。ロボットベンチャー『GROOVE X』の創業者、代表取締役社長。東京都立科学技術大学大学院修士課程修了。愛知県春日井市出身。 来歴幼少期~学生時代1973年(昭和48年)愛知県岡崎市に生まれる。春日井市にて育つ。内向的な幼少期であったが、エンジニアであった父の影響から次第にモノづくりに憧れるようになった。少年時代には空を飛ぶことに強く惹かれ、自室の窓から『風の谷のナウシカ』に登場する架空の飛行機“メーヴェ”に似せた模型を作っては飛ばしていた。 名古屋市立菊里高等学校、東京都立科学技術大学(現首都大学東京)工学部 機械システム工学科を卒業。数値流体力学などを専門に学ぶ。高校時代は吹奏楽部、大学時代は航空部に所属し、仲間とともに「ものづくり」と「空を飛ぶこと」に魅せられる。操縦桿を握り空の旅を楽しんだ。当時、躍進めざましいソフトバンクの採用試験を受けるも不採用。東京都立科学技術大学大学院 工学研究科 力学系システム工学専攻修了[1]。 自動車エンジニアとして1998年(平成10年)トヨタ自動車入社。 スーパーカー“LFA”等の空力(エアロダイナミクス)を開発。 2003年(平成15年)スーパーカーレクサス「LFA」などの空力開発に従事。 2004年(平成16年) Toyota Motorsports GmbH(ドイツ)にて、F1開発に従事。 2007年(平成19年)帰国後はトヨタ自動車の製品企画部(Z)にて量産車開発マネジメントに従事する[1]。 クルマ好きが高じて自動車会社に入社。趣味性の高いクルマが好きだった。入社後、利便性を追求する仕事に従事。燃費だったり、操作性だったり。行きたいところへいかに少ない労力で行けるのか、など。次第にクルマの存在感が薄れていくことが気になっていく。利便性を追求してしまう反面、ハンドルから伝わる感触や、エンジンの息吹など「人が車との対話」を楽しむような存在が希薄に感じ、違和感を覚えた頃、「自動車産業以外も見てみたいなあ」と考えるようになる。いろいろな産業が海外勢に押され、自動車のように日本を代表する産業として世界に名乗りを上げるものがなかなか見えこないなか、外貨を稼げる次の産業は何だろう?と考えたとき、丁度「ロボット」や「AI」がブームになっていた。ロボットに携われる機会をいただけるタイミングがあり、「5年後なのか、50年後なのかは分からないがロボットはいずれ産業の中心を担うようになるはず。いつか来るのだから、経験しておくのは悪くない」という思いで、ロボット産業に飛び込んでみることにした[2]。 ロボットエンジニアとして2011年(平成23年)孫正義後継者育成プログラム「ソフトバンクアカデミア」外部第一期生として参加。孫正義から直々に転職の誘いを受けたことと、孫社長の「人と心を通わせる人型ロボットを普及させる」という強い信念に共感。 人型ロボットの市販化というゼロイチに挑戦すべく、2012年(平成24年)ソフトバンクへ転職する。感情認識ヒューマノイドロボット「ペッパー(Pepper)」のプロジェクトメンバーとして着任。 2015年(平成27年)6月、感情認識ヒューマノイドロボット「ペッパー(Pepper)」発売開始。毎月1000 台が即完売する人気を博し、ロボットブームの発端となった。同年9月、独立のためにソフトバンクを退社[1]。 GROOVE Xを創業、LOVOTの開発を開始2015年(平成27年)11月、『株式会社GROOVE X』設立、代表取締役社長(CEO)に就任[3] 2016年(平成28年)10月、日本のスタートアップファイナンスをグローバルスタンダードに引き上げるため、シード期に最適な資金調達手法として米国シリコンバレーで進化したコンバーティブル・エクイティ(第三者割当による有償新株予約権発行方式)をいち早く活用、シードラウンドとして国内最大級となる14億円の資金調達完了。 2017年(平成29年)12月、シリーズAラウンドにて未来創生ファンドと INCJ を筆頭引受先とし43億5千万円の資金調達完了[4] LOVOTを発表2018年(平成30年)12月、LOVEをはぐくむ家族型ロボット『LOVOT』製品発表[5]。幼少時代から宮崎駿監督のアニメーションが大好きで「宮崎監督のテクノロジーが好きなのに、手がける作品には文明の進歩に対するアンチテーゼがある。ストーリーのなかではテクノロジーがすごく進歩している[2]。またペットのポジションの変化に気づいたことが発想の原点になる。この数十年間でペットが以前より人の心を支える重要な役割を担うようになった。ペットが人に提供している"サービス内容"を分解し、深層学習や強化学習、自動運転技術等を組み合わせれば、ペットに近い存在のロボットが実現できると確信。シンギュラリティに到達すれば人間が機械に支配されるといった、技術の進歩に対する社会の不安を打破できる。LOVOTは人の代わりに仕事をするのではなくペットと同じように人の心を癒す存在になると[6]。 2019年、LOVOT発売開始。 2020年以降2020年(令和2年)以降、日本列島を襲った新型コロナウイルスの感染拡大により、外出制限、在宅勤務、家族とのコミュニケーションの見直しで『LOVOT』の売上が、コロナ前と比べ月間販売数量が最大11倍に激増。元々、核家族や一人暮らしの増加による孤独や寂しさの解消が開発目的であったが、癒しとしての需要がコロナ禍によって急拡大した。2021年1月20日現在、SOMPOホールディングス、日立グローバルライフソリューションズ、NTTドコモなどと資本業務提携を行ない、累計資金調達額は133.1億と事業は拡大。SOMPOとは介護や認知症、日立とは家電品、ドコモとはコミュニケーションサービスの創出を目的に提携し、様々な領域で家族型ロボットが身近な存在になっていく[6]。 2022年、前澤ファンドがGROOVE X株式の全株を取得。 受賞歴2019年(平成31年)以降、『LOVOT』が次々と賞を受賞する。
人物
書籍
出演テレビ
インターネット放送
脚注
関連項目
外部リンク
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