東京都立新宿山吹高等学校
東京都立新宿山吹高等学校(とうきょうとりつ しんじゅく やまぶき こうとうがっこう、英: Shinjuku Yamabuki High School)は、東京都新宿区山吹町にある東京都立高等学校。 概要平成に入って東京都が創設したいくつかの新しいタイプの実験高校のうち、昼夜間定時制(四部制)、単位制、無学年制の高校として旧赤城台高校跡地に開校した。 学校の組織や教員からの消極的自由を重視し、自由主義的かつ個人主義的な校風で、校則などは一切なく、私服校である。特に、たとえ未成年であっても保護者からの干渉を排除した生徒個人の自己責任による独立した自己決定を尊重する。 新しいタイプの実験高校としては、無学年制や昼夜間定時制だけでなく、それまで受け入れ先がなかった他高校中退者向けの救済機関としての学校としても設立された経緯があり、そのことによる幅広い年齢層の在学者は、現在[いつ?]まで学校の伝統として続いている。 昼夜間定時制と通信制が設置されているため月曜日から日曜日まで、昼間から夜間までと校舎の稼働効率が非常に高い学校である。 昼夜間定時制定時制課程は昼間部3部と夜間部を併設する四部制である。 普通科のほか都立高校では唯一の情報科が設置されている。 授業の時間割は、条件を満たす中で、生徒各々が自由に科目を選択する。情報科に関しては、卒業に必要な単位中、情報科専門科目の必須単位数が定められている。 三修制(単位制)のため標準では3年間から4年間で卒業が可能であり、2学年相当枠での転・編入学者の場合、最短2年での卒業が可能である。 生徒の年齢層は夜間に限らず昼間部も幅広い。そのため以前は託児所や喫煙所もあった(2005年度に東京都の条例のため喫煙所は廃止された)。 なお、学習困難者を対象としたエンカレッジスクールや不登校経験者を対象としたチャレンジスクールではない。同じ昼夜間定時制でもチャレンジスクール・チャレンジ枠が過干渉なのに対し、不干渉、徹底した自己管理および自己責任を売りにする高校でもある。 学校行事などは自由参加が基本である。また、修学旅行などは参加希望者が少ない場合行われない年度も存在する。 一般の高校に見られる、担任の強制的な面談や、保護者への定期的な連絡・面談、チャイムによる時間の管理などは、一切行っていない。よって、生徒の自己管理能力や遵法意識および未成年であっても保護者からの自立意識が一般の高校以上に要求される。 昼夜間定時制の一般入試においては東京都の共通問題が使用されている。合格難易度は部や学科によってかなり差があり、普通科の1部・2部などは高い学力が要求される。 情報科のみ定時制では珍しく推薦入学試験が行われている(推薦入学は中3の現役入学者のみ対象)。 東京都教育委員会などからの指定を受けた進学校に該当しない都立高校の中では比較的、大学進学を選択する生徒が多い学校であり、これまで国公立大学や近隣の早稲田大学など難関私立大学にも多くの合格者を出している。なお、他の多くの都立高校同様、進学に特化した授業が行われている学校ではない(進学を希望する生徒の多くは学習塾・予備校や通信教育を利用している)。定時制課程では、既に仕事をしている生徒の他、専門学校に進学する生徒も多い。 通信制課程スクーリング週1回で土曜日に行われる。 これらの授業とは別に、一般向けの生涯学習講座も土曜と日曜に開講されている。 高等学校の通信制課程として日本最難関とされるが、実際には入試選考が機能している通信制高校が少ないため、全日制高校の最難関と同レベルではない。とはいえ、通信制高校の中では倍率が高く、毎年不合格者が出る。 2018年3月の段階では、通信制課程の倍率は1.5~2倍程度[1]。倍率だけで考えると、都立高校の平均実質入試倍率(2018年までの数年間の平均)である1.4前後より高く、東京都立高校の偏差値ランキングで上位(偏差値70超)に当たる国立、日比谷、青山高校などと同レベルに倍率が高い[2]。 また、通信制高校は全日制高校と比べ中退する生徒が多く、一般に卒業率が低いが、本校の通信制課程は、その中でトップレベルの卒業率である。通信制では、様々な理由で通学している生徒がいるため、生徒の偏差値レベルは全日制高校と比べてばらつきがあり、全員の学力レベルが高い訳ではないが、一部には東京大学などトップレベルの大学に進学する生徒が存在する。 教育課程
沿革定時制諸活動一部を除き、部活動は盛んではなく、部活動以外で個人活動する生徒も多い。全国高校化学グランプリ2009や第33回全国高校囲碁選手権大会、2012年数学オリンピックなどに参加し、入賞するなど様々な方面で盛んに活躍する生徒も増えてきている。 部活動運動部
文化部
同好会
生徒会活動
設備校地面積は都立高の中でもトップクラスの狭さだが、その狭さの中に様々な設備が凝縮されている。 地下1階・地上7階建ての校舎はエレベーターが3基あるバリアフリー設計である。なお、障害者専用の駐車スペースも確保されている。生徒カード端末が設置してある(教室のカード端末は、現在[いつ?]は使用されておらず、2018年夏に撤去された)。 校庭はテニスコートおよび体育館を利用し、体育館も大小の2つ、全天候型室内温水プールや食堂[注釈 1]、ラウンジ[注釈 2]もあり、創立当時から現在[いつ?]まで、その充実ぶりもあって人気が高い。 一部の特殊な場所を除き、全室冷暖房完備である。操作には権限を必要としないため、空き教室が使われることがある。自習室が常時開放されている。昼夜間定時制、通信制、生涯学習などの生徒も利用可能。 図書室には司書が常駐しており、高校図書館としては珍しい、バーコードリーダーとコンピューターによる管理がなされている。 テニスコート・体育館・プールは新宿区生涯学習財団 (03-3232-7701)で登録をすれば、使用も可能となる(5月 - 翌年3月)。 文化祭「山吹祭」と呼ばれ、高校の文化祭としては遅い12月下旬頃に行われる。 校章建築デザイナー渡辺哲生によるもので、学校名の頭文字であるSとYを基にしたデザイン。 所在地周辺地域早大通りに位置しており、近隣には早稲田大学早稲田キャンパスがある。 アクセス
著名な卒業生
脚注注釈出典
関連項目外部リンク |