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手根管症候群

手根管症候群
手首の横断面。正中神経が黄色で示されている。手根管は、手根骨と横手根靭帯(屈筋支帯)から構成されている。
概要
分類および外部参照情報
ICD-10 G56.0
ICD-9-CM 354.0
OMIM 115430
DiseasesDB 2156
MedlinePlus 000433
eMedicine orthoped/455 pmr/21 emerg/83 radio/135
MeSH D002349

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん、Carpal tunnel syndrome:CTS)とは、手根管と神経が通っている手首内の管)の中を走る正中神経が何らかの原因で手根管内圧が上がり、圧迫されて引き起こされる疾患群のこと。

歴史

1900年頃より提唱がなされている。病理学的解明は、1960年代頃にアメリカ合衆国クリーブランド病院英語版で整形外科部長を務めていたジョージ・ファレン英語版によってなされている。

病因

多くは特発性であるが、以下の関連は指摘されている。

  • 職業性
    • アメリカ労働省職業安全衛生管理局 (OSHA) による調査にて、反復作業労働に生じることが多いという報告がなされている。
  • 外傷性
    • 事故による手首の強い圧迫・深い切創骨折などにより、正中神経が損傷を受けた場合に発生する。
  • 下記の合併症として発症する例もある。

症状

薬指中指側半分・中指・人差し指親指痺れが生じる。薬指小指側半分・小指には痺れが生じないのが特徴(こちらは肘部管症候群になる)。特に夜間や就眠時に症状が悪化する傾向がある。

所見

  • チネル徴候 (Tinel's sign)
    • 前腕手首よりの腹側を軽く叩き正中神経を刺激すると、しびれが人差し指・中指に放散する(感度23-60%、特異度64-87%)。
  • ファレンテスト (Phalen maneuver)
    • 手首を屈曲させ、しばらくすると症状が増悪する(感度10-91%、特異度33-86%)。
  • 第2指と比べ、第5指の痛覚閾値が低い。
  • Hand diagram=患者に症状がある部位を詳細に図に書いてもらい、それが正中神経支配域に一致していること[1](感度64%、特異度73%)。

治療

進行がひどい場合には外科手術が必要になる。鍼灸治療としては大陵穴に局所治療を行う。

脚注

  1. ^ D'Arcy CA et al.: The rational clinical examination. Does this patient have carpal tunnel syndrome ? JAMA 283; 3110-3117, 2000.
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