山形 和美(やまがた かずみ、男性、1934年3月19日 - 2019年5月21日)は、日本の文学研究者、翻訳家。筑波大学名誉教授。専門は、近代イギリス文学、日本・欧米比較文学及び文学理論、日本近代キリスト教文学。
経歴
- 出生から修学期
1934年、山口県で生まれた[1]。1957年、西南学院大学文学部を卒業。東京教育大学大学院文学研究科(英文学専攻)に進学し、1959年に修士課程を修了。博士課程に進学したが、中途退学。
- 英文学者として
1959年、母校の西南学院大学短期大学部助手に採用された。1960年より同大学文学部専任講師。1963年に専修大学法学部専任講師となり、1967年に助教授、後に教授昇格。1973年、フェリス女学院大学文学部助教授に転じ、後に教授昇格。1979年からは筑波大学現代語・現代文化学系教授、文芸言語研究科教授。文部省の在外研修制度により、1984年から1年間イギリスのケンブリッジ大学ウルフソン・コレッジに在籍して研究に従事した。1997年に筑波大学を定年退官し、名誉教授となった。その後は清泉女子大学文学部教授として教鞭をとった。のち恵泉女学園大学人文学部教授、鶴見大学文学部教授、聖学院大学アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科教授も務めた。
1994年、学位論文『グレアム・グリーンの文学世界:異国からの旅人』を筑波大学に提出して文学博士号を取得[2]。学界では、日本キリスト教文学会を創設し、会長を務めた。
2019年5月21日、肺炎のため栃木県那須塩原市で死去。85歳没[3]。
- 所属学会
受賞・栄典
家族・親族
著作
著書
- 『岩のつぶやき:現代キリスト教徒文学論』笠間書院 1973
- 『G・グリーン:呪縛と幻視』冬樹社 1977
- 『現代文学の軌跡:想像力と変容』中教出版 1980
- 『開かれた言葉:文学空間の亀裂』彩流社 1992
- 『グレアム・グリーンの文学世界 - 異国からの旅人』研究社出版 1993
- 『日本文学の形相:ロゴスとポイエマ』彩流社 1994
- 『言語空間の崇高性:ロゴスへの意志』彩流社 1999
- 『G・ K・チェスタトン』清水書院 2000
- 『文学の境界域:情と知の対峙』彩流社 2002
- 『メドゥーサからムーサへ 文学批評の布置』彩流社 2004
- 『グレアム・グリーン入門 特異な人間性と迫力に満ちた文学世界』彩流社 2010
著作全集
- 『山形和美全集』(全14巻)(彩流社, オンデマンド版 2008
- 本書は2009年5月に日本キリスト教文学会特別賞を受賞した
- 第1卷『岩のつぶやき』
- 第2卷『T・S・エリオット(一)』
- 第3卷『T・S・エリオット(二)』
- 第4卷『グレアム・グリーン(一)グレアム・グリーンの文学世界』
- 第5卷『グレアム・グリーン(二)グレアム・グリーンの文学世界』
- 第6卷『グレアム・グリーン(三)グリーンの単行論集』
- 第7卷『シルキン』と『チェスタトン』
- 第8卷『C・S・ルイス(一)』
- 第9卷『C・S・ルイス(二)』
- 第10卷『現代批評の況位』
- 第11卷『文学の衰退と再生』
- 第12卷『現代日本文学』
- 第13卷『文学-その内と外』
- 第14卷『講演集』
共編著
- 『小説の語り』(岡本靖正, 岩元巌共編、朝日出版社) 1974
- 『小説の時間』(岩元巌, 岡本靖正共編、朝日出版社) 1975
- 『小説の空間』(岡本靖正, 岩元巌共編、朝日出版社) 1976
- 『C・S・ルイスの世界』(こびあん書房) 1983
- 『英語名句事典』(大修館書店) 1986
- 『G・K・チェスタトンの世界』[改訂版](研究社出版) 1986
- 『新しきミューズ - キリスト教文学の可能性』(新教出版社) 1987
- 『C・S・ルイス「ナルニア国年代記」読本』(竹野一雄共編、国研出版) 1988.9
- 『昭和文学60場面集 - 小説空間を読む - 居住編』(鈴村和成共編著、中教出版) 1990
- 『聖なるものと想像力』上・下(彩流社) 1994
- 『キリスト教文学事典』(教文館) 1994
- 『愛のモチーフ:イギリス文学の風景』(彩流社) 1995
- 『差異と同一化:ポストコロニアル文学試論集』(研究社出版) 1997
- 『遠藤周作:その文学世界』(国研出版) 1997
- 『夏目漱石事典』(平岡敏夫, 影山恒男共編、勉誠出版) 2000
- 『キリスト教辞典』(岩波書店) 2002
- 『グレアム・グリーン文学事典』(彩流社) 2004.9
- 2005年5月に第4回日本キリスト教文学会賞[研究・評論部門]を受賞した。
翻訳
- 第25回日本翻訳文化賞を受賞
- 2002年5月、第1回日本キリスト教文学会賞[翻訳部門]受賞を受章。
脚注